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アヴィリティ・ドライブ  作者: 佳川 瑠伽
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プロローグ 始まりの時

どうも。

佳川 瑠伽です。

誤字・脱字などありましたら、ご指摘宜しくお願い致します。


 夏。

 蝉のやかましい鳴き声が町中に響く。

「平和ってのは、退屈だがいいよな。闘って一生が終わるよかマシだし。」

 この夏の暑さに参ったのか、汗をかいている最近流行りのアイスキャンディーをなめながら、とある男子高校生が言う。

 それに対して近くにいたもう一人の男子高校生が口にくわえていたアイス棒を吐き捨て、反発する。

「何を言ってんだ馬鹿野郎が。こんな退屈な日常、終わっちまった方がいいんだよ。さっさと俺らは

超絶チート能力を手に入れて、悪者を無双して激萌え少女とハーレム作るべきなんだよ。」

 ちなみに、前者は佐ノ木高校一年、1-3、能力(後者に勝手に名前を付けられた)は、全遮断固有世界オールシャットアウトワールドで、考え事をしているときに周りの影響を受けない(気づかないだけ)という、多田村 義政(ただむら よしまさ)。 

 後者は佐ノ木高校一年、1-3、能力(自分で言ってる)は重力加減操作(グラビティメーター)で、触れている物にかかっている重力を操作できるという、膝方 千秋(ひざかた ちあき)

 ちなみに二人は幼馴染だ。

「油断したなッ!!重力加減操作グラビティコントロール!!おい、重くなれよ!」

「…………」

「ま、まさか貴様ッ……全遮断固有世界オールシャットアウトワールドを起動しているな!!」

「ん?あ、ごめん、訊いてなかった。」

 一応言っておくがこれが日常会話だ。

 公園のブランコに乗っていた二人が降りたちょうどその時、年が同じくらいの女の子が公園に走って入ってきた。

 二人がそれに気づきその人を見ると、その女の子と目が合った。

 するとその女の子は息を切らしながらこちらをにらみ、こちらに走ってきた。

 義政はめんどくさいことはしたくない主義ということもあって、千秋に「おい、もう帰ろうぜ」目線を送ると、「なんだよ義政、ビビってんのか?」目線で打ち消された。

 そうして目の前まで来た女の子は相当走ったのか息が荒く、膝に手を当て、そのあとすぐにこちらを見て話し始めた。

 ……かわいい。

「……君達、これを預かって!!」

 そう言いながらお金が沢山入ってそうなボックスを手渡してきた。

 すると、向こうから何人かの黒い服を着た男たちがそこら辺をうろついていた。

「く……もう来たか……君達、これを奴らにとられちゃだめだから。よろしく!!」

 そう言い残して、公園の外へ走り出していった。

 黒い服を着た男たちが「いたぞ!!」と言いながらその後を追う。

「……うん。金髪ツインテール少女か。なかなかのものだ。」

「何呑気なこと言ってんだよ。それにしてもこれ……」

 さっき手渡されたボックスを見る。

 ものすごく重い、というわけではない。

「なんだよこれ。」

「あ?そんなもん、能力を発動するためのデバイスに決まってんだろ。」

 これが日常会話なので特に突っ込むことはしないとして、本当に何が入っているのか。

「とりま開けようぜ。」

 そう言い、千秋はそのボックスを開けた。

 中には、取扱説明書とよくわからない機械が二台入っていた。

「……いよいよなんだよこれ。」

 取扱説明書を開き、義政が目を通す。

「えーと……能力発動デバイス《アヴィリティドライブ》について。って何だこれ?」

 この言葉に敏感に反応したのは千秋だった。

「おい、ちょっと貸せ!!」

「ちょ、おまえ」

 義政から取扱説明書を奪った千秋は、それを必死に見ていた。

 そしてそれを閉じ、一息ついてから……

 こちらを見た。

「やべぇ。さっき言ったのマジだわ。当たったわ。」

 は?

 そう思ったので義政も取扱説明書を見る。

 取扱説明書によると、これを装着した人間の情報を読み込み、その人に合った能力を発動させるという代物らしい。

「意味わかんね……」

 と義政がため息をついた。

「何言ってんだよ義政。俺ら能力者になれるんだぜ!!これで悪者を無双して美少女ハーレムだぜ、いやっはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「いや、もしかしたらモニタリングかなんかか、おもちゃかもしれねーじゃん。」

「知るかぁ!!そんなん言うならやってみようじゃあねぇか!!」

 

 ……というわけで。


 腕に《アヴィリティドライブ》を装着してみた。

 そして電源ボタンを押し、電源を入れる。

 すると長方形のタッチパネルに光が灯り、画面に能力が表示された。

「ん、これって……」

 見るとそこには全遮断世界オールシャットアウトワールド重力加減操作(グラビティメーター)の文字が映し出されていた。

「すげー!!ほらみろ!」

「いや、文字が映し出されるくらいならどっきり企画でも作れるだろ。それぞれに映し出された文字についてはクラスの奴らに聞きゃわかるだろ。」

 と、すかさず突っ込む。

「はいはい。要は能力が発動しなきゃ信じないっつーんだろ?やってやるよ。えーとなになに……」

 取扱説明書を見ると、どうやら「アヴィリティドライブ、起動」の宣言で発動するようだ。

「見てろよ~……アヴィリティドライブ、起動ッ!!」

 するとデバイスの画面が光った。

 そのほかには特に変わりはないようだ。

 それに動じず、そこら辺にある小石に触れ、言った。

「重くなれ、小石!!」

 なる訳ねえよ、とあきれていると。


 ドゴッ!!


 という騒音とともに、地面にめり込んでいった。

 これには義政も驚きが隠せないようで、口を開けたまま動けなくなっている。

 一方の千秋も予想外だったらしく呆然としていたが、

「す……すげぇぇぇ!!!!」

 とすぐに元に戻った。

「マジかよやべぇぇぇぇ……」

 と興奮を抑えられない千秋に、動けるようになった義政が言う。

「なぁ、そんな大きい音出して大丈夫なのか?さっきの黒服……」

 という指摘と共に、黒服たちが「アイツは囮だ!あそこにいるガキに渡してやがった!」と叫んでいる。

「え、ちょヤバくね?」

「だから平和な日常のほうがいいって言っただろ、ったくメンドくさいな。」

「おい、来るぞ!逃げるぞ!」

 黒服たちが何人か公園の中に入っていた。

「勘弁してくれよ、マジで。」

「追われるなら美少女に追われたかったよド畜生ぉぉぉおおお!!!」

 そう言って、ボックスを手に公園を後にするのであった。

 

これから奇妙な物語が始まるとも知らずに。


今後も頑張ります!

次回をお楽しみに!!

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