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ステータスが見えるようになった俺は君を絶対に救い出す! ~俺と天使の事件捜査ファイル~  作者: 藤原ゴンザレス
優しい悪魔

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サーチ

 俺は美香たちが帰って行くのを見るとにやっと笑った。

 とうとう来たぜ。

 大人の時間がな!

 全裸も許されるパーティタイムがな!

 オラオラ殺しに来いよ!

 俺が余裕なのも当然だった。

 俺を囲むのは警官たち。

 もうこの勝負は俺の勝ちだ。

 相手の取ることのできる選択肢は少ない。

 ここに現れなければ連中の伝説は終わる。

 中学生相手にビビったゴミになるのだ。

 俺は嗤う。

 勝利を確信した笑みだ。

 そんな俺に近づくものがあった。

 嫉妬しか起こらない超イケメン。

 男らしさはどこで売ってますか?

 ……ってちょっと待て。

 俺の『おっぱいマイスター』の能力が発動する。

 我は一度見たおっぱいは忘れぬ!

 いや顔だけでわかるんだけどさ。


「皆川……なぜここにいる?」


 俺は一応聞いた。

 その服の中に隠されしおっぱいを解放せよ!

 俺は懇願した。心の中で。


「手伝うためですよ」


 皆川は当たり前といった顔をした。


「危ないから帰れ」


 ふざけんな。


「いいから。私の『サーチ』と『アナセマ』は役に立ちますよ。……たぶん」


 よくわからんがエロい能力に違いない。

 きっとえっちなことだ。

 え、え、え。えっちなことじゃないと許さないんだからね!


「……えっちなことじゃないですからね」


 皆川は頬を赤らめる。

 なんなの!

 なぜお前らは俺の思考を読むんだ?

 お前らエスパーか?


「それで……その能力はなんだ?」


 俺はごまかした。


「サーチの方は聴覚を鋭敏にします。……例えば」


 皆川は遠くのカメラを構えた二人組を指さす。

 なにやら話し合っているようだ。


「『HIKARUたんのぱんつを絶対に撮るぞ』『絶対に天使の尻尾を撮るぜ』……って言ってます」


「ちょっと殺してきていいか?」


 このド変態どもめ!

 俺が男だとわかっているのに現実を見やがらない!

 なぜだ!

 そっちの方が面白いからだ!

 クソ、納得の理由だぜ。


「こういう能力ですが……とても疲れるので日に何時間もできません」


 そりゃそうだ。

 そんなホイホイ使えるかよ。

 俺だってステータス出し続けたら頭が痛くなる。

 だが、皆川の説明よりも俺には気になることが山積みだった。


「皆川……俺さ、この事件が解決したらボディビル始めるんだ。ムキムキで腹筋バッキバキになって男の娘って言った連中をセガー●のゾンビ映画みたいに全員ぶっ殺し……」


 絶対に許さねえ。ド変態ども。

 あいつら全員に地獄を見せてやる!

 コ●ンドーみたいになってやる。

 俺は親指の爪を噛む。

 キーッ、悔しい!


「お人形さんみたいな顔で親指の爪を噛むのはやめてください。怖いですから。だいたいそれつけ爪でしょ!」


 プラ爪だろうが噛み切ってくれる!

 だってムカつくんだもの。

 だが実際問題として皆川の能力は使えそうだ。

 それに今から帰すのは難しそうだ。

 仕方がない。

 それに美香たちとは違い皆川は当事者だ。

 参加する正当性ってやつは俺よりもある。

 だが心配だ。

 人ってのは案外簡単に死ぬんだよ。

 だからこそ知り合いに怪我をされると目覚めが悪い。

 俺がガチガチとキラキラ光るプラ爪を噛みながら連中を待っていると、そんな葛藤があるとは知らない皆川が言った。


「あの……相良さん」


 なぜか皆川は俺の袖を引っ張っている。

 なにか様子がおかしい。


「どうした?」


「おかしいです……」


 俺はなんとなく理解した。

 皆川の能力は『サーチ』だ。

 本質は聴力のアップとかじゃない。

 それにそれに短時間で疲れるって、半端じゃない能力だからだ。

 俺の『天罰(パニッシャー)』と同じだ。

 つまりだ……俺がなにを言いたいかというと、皆川の能力はソナーとかそういう用途なんじゃ……

 しかも何キロも先までわかるような。

 ただしデカブツ専門の……

 頭の中で繋がった瞬間、俺は叫んだ。


「みんな! 逃げろ!」


 警察は優秀だ。

 俺の考えている最悪の状態の対策はしている。

 道路だって検問を敷いているし、そんな無茶はできない。

 絶対にない。

 俺の剣幕に人々は蜘蛛の子を散らすように逃げた。

 まだ何人かは俺を撮影してる。

 俺はそいつらにも必死になって怒鳴る。


「逃げろ! 連中が来る!」


 俺は背筋に冷たいものを感じていた。

 てめえらそこまでやるか!

 怒号と悲鳴が遠くから聞こえた。

 なにかが降ってくる。

 それが人間の男だと俺が認識したとき、同時に動画投稿者の一人が俺の代わりに悲鳴を上げた。


「うわああああああああああ!」


 俺は頭の中で必死に計算していた。

 大きさから推定して体重約70キロ。

 人一人が跳ね飛ばばした衝撃から時速を計算。

 時速から現在地を……

 って、すぐ近くにいるに決まってるだろ!

 それはタンクローリーだった。

 それが爆走してくる。

 俺は皆川の手をつかむと走った。

 皆川がバランスを崩しそうになる。

 あわてて俺は皆川を抱っこする。

 お姫様抱っこだ。

 そのまま俺は必死に走った。


 ふざけんな!

 ふざけんな!

 ふざけんな!


 神さまが言ってた『勝てない』ってのはそういう意味か!

 反則だろうがこのクソ野郎。

 自殺する用意はできてたんだな!

 最後に大きな花火を打ち上げるために用意周到に用意してたんだな!

 どうして神さまは俺にやらせた!

 これは自衛隊案件だろが!


 タンクローリーが動画投稿者の一人にぶつかる。

 運悪くその男か女かもわからない人が車輪の下に巻き込まれる。

 逃げながらも世紀の瞬間を撮影しようと動画投稿者たちはタンクローリーへカメラを向ける。

 真っ先に大手キー局はスタッフは逃げ出したというのに。

 まさに興味本位。ワンクリック一円以下の地獄。

 それがジャーナリズムだった。

 散々暴れ回ったタンクローリーが止まった。

 中からはホラー映画の怪物のマスクを被った男が降りてくる。

 遠藤さんをその手に抱えて。


「HIKARUちゃ~ん。ア・ソ・ボ~♪」


 それは菊池だった。

 幾何学模様のタキシードを着てホラー映画のマスクだ。

 キモいを通り越している。

 菊池はスター気取りでモデル歩きをしてやがった。

 正直気持ち悪い。

 これが覚醒した殺人鬼の姿なのか。

 それとも菊池の本性が半端なくキモいのか。

 正直わからない。


「んっふ♪ 最高だぁ~」


 菊池は身もだえした。

 警察が取り囲むが人質がいるため近づけない。

 狙撃隊とかいねえのか!

 モタモタしないでさっさと殺せ!


 俺が歯を噛みしめてると皆川が俺の肩に手を置いた。


「聞いてください。相良くんのパンチ。あれと同じ力……だと思う……のがあります。使ったことはありませんが……」


「俺はどうすればいい?」


 神様。

 ここで死んだらテメエのツラを殴りに行きます。

 死ななくても殴りに行きます。

 てめえ首を洗って待ってろ!

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