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ステータスが見えるようになった俺は君を絶対に救い出す! ~俺と天使の事件捜査ファイル~  作者: 藤原ゴンザレス
優しい悪魔

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皆川晶

 全く意味のわからないまま夕方になった。合気道部の練習の時間だ。

 あれから部員は大入り、今では体育会でもかなりの派閥だ。

 女生徒は美香や俺目当て。

 美香はモテるが俺の方はモテるわけではない。

 なにせ俺たちは地域の有名人だ。

 お知り合いになりたい人は大勢いるのだ。

 話のネタとして。

 だが……


「なんでじゃーい! なんでまだ体育館の片隅なんじゃーい!」


 俺は叫んだ。

 今でも俺たちは体育館の片隅で練習しているのだ。

 俺たちの会派は競技スポーツではない。

 年に一度の演武会があるだけなのだ。

 教師や学校の点数にならないスポーツへの扱いの酷さよ!

 俺は折りたたみ椅子を出すとそこに座る。

 アンニュイな雰囲気を醸し出しながらペットボトルの麦茶を飲む。

 当然のように小指は立ててだ。エレガント!


「まあ、相良お姉様。相変わらず酷い扱いですわね」


 後輩の男子(・・)である鈴木が言った。


「まったくだわ。そろそろアタシたちの力、見せつける時かしら?」


 俺はなぜか女言葉で言った。なんとなくノリである。

 鈴木が俺の肩に手を置き、俺はその手を取る。

 女子部員たちは柔道着姿の俺たちのやりとりを見て、半分はクスクスと笑い、半分は拍手した。

 このまま見せつけるべきだ。観客に。芸人として。


 よし脱ごう。


 と、思ったその時だった。


「こーうーたーろーうー♪ 脱ぐなよ~」


 あらまあ、スリムな子。

 っていうか吉村だ。

 相変わらず薄い。

 だがそれが素晴らしい。


「おにいちゃ~ん♪ 帯から手を離して~♪」


 あら、マイシスター。

 相変わらず可愛いわね。

 お姉様嬉しいわ。

 二人とも指をポキポキと鳴らしている。

 吉村が俺にヘッドロックをかけた。

 相変わらず肋骨の感触が素晴らしいです。

 吉村は俺を腰投げする。

 俺の神業レベルの飛び受け身!

 ばい~ん。ふふふ。人生これ受け身。この我に死角などないわ!

 すると吉村は美香にタッチする。

 美香は俺をひっくり返す。

 あん♪

 次に足に自分のおみ足を滑り込ませる。

 そして俺の足を自分の足でロックして……ちょっと待て、その技は。


「いっくぞー!」


 インディアン・デスロックじゃねえか!

 ちょ、やめろ! やめて! それマジで痛いんだって!


「はいバターン!」


 美香は遠慮なく一気に倒れ込んだ。

 俺の足が、ふくらはぎが、一気に悲鳴をあげた。


「ぎゃああああああああ!」


 ら、らめ!

 マジでらめえ!

 それ全然気持ちよくない痛みだから!

 愛のない痛みだから!

 ドMでも痛みの種類を選ぶ権利はあると思うのよ!

 俺は悶絶しながら横目で鈴木を見ると、鈴木は別の女子にSTFをかけられていた。

 足をロックされながらスリーパーをされている。

 女子も男子も笑っている。……いい顔で笑っていやがる。

 女子はお仕置きで笑っていて、男子はSTFでおっぱい密着ラッキースケベで喜んでいる。

 もちろん「やーめーてー♪」と嫌がるポーズを見せてラッキースケベをごまかしている。

 代われ……許さぬ……貴様だけは許さぬ!

 童貞の呪いを! 僻みを! 一身に受けるがいい!

 と、ひたすら僻む俺以外は良い雰囲気だ。


「お兄ちゃん! 反省してくださいね!」


 美香が俺を解放する。

 あん♪ もっとー♪

 ……じゃなくて、ここで一発引き締めよう。

 俺は美香に解放されると、両足を開き、交差させてから勢いよく足を回転しながら起き上がる。

 ブレイクダンスのウィンドミルとかいうやつである。

 一気に場の雰囲気が変わった。


「よおっし、みんな。練習しよっか」


 みんなは並ぶ。準備運動だ。

 俺はお手本のため、みんなの前に立つ。

 俺たちの活動は週二回、競技ではないので卒業まで引退はない。

 受験の邪魔にはならないし、精神衛生上も適度な運動は必要だ。

 俺もしばらくは続けようと思う。

 なにせ二年生がいないからな。

 そんな俺たちを見ているものがいた。

 ズボンをはいて制服を着た男子だ。

 眼鏡をつけているが伊達のような気がする。

 なぜなら野郎は恐ろしいほどの美男子だったのだ!

 敵だ!

 制服は俺たちのものとは微妙に違う。

 俺は準備運動を終えると吉村に耳打ちする。


「あれどこの学校の子だと思う?」


 吉村は男の子を見ると手を振った。


「おーい、皆川さ~ん」


 誰だ!

 男か! 吉村に男がいたのか!

 このあとNTR展開が待ち受けているのか!

 フラグは立ってないけど大炎上間違いなしの展開なのか!

 これも全て童貞のせいだ!

 俺は童貞の呪いを受けているのだ!

 俺が未知の猜疑心で頭がいっぱいになっていると、少年がぺこりと頭を下げた。

 そのまま俺たちの所にやってくる。


「相良さんはいらっしゃいますか?」


「ああ、こいつ」


 吉村が俺の襟をつかむ


「にゃあ~」


 俺は義務感から一応お約束をする。

 吉村は笑顔だった。

 俺はこういうぬるいやりとりが好きなのだ。

 そんな俺に皆川と呼ばれた男子は言った。


「私は皆川晶(みながわあきら)と申します。美沙緒さんの付き人をしています」


 俺は光太郎。通称ファルコン。貧乳を愛するドMだ。だがNTRだけはかんべんな!

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