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「昨日、私が彼にプレゼントしたものだ。あれをはめていると、我々の言葉が理解できる」

「それは――」


 メアリーが目を見開いて俺を凝視した。


「おかしい。確かに、そういう魔道具が存在することは知っているが、あんなデザインではないはずだぞ」

「あれは試作品だよ。いままでのものと違い、我々の言葉が理解できるだけではなく、話すことも可能になっている」


 まずいなあ、と思ってる俺のほうをアーバイルがむいた。


「そういえば、さっきから、なぜ黙っているのかね?」

「――まあ、なんて言うか、俺は肌の色が黄色で、あんまりこのへんじゃ見ない、特殊な種類らしいからさ」


 もう誤魔化せないと思って、俺は普通に返事をした。たぶん、ものすごく流暢なサーバナイト語だったんだろう。メアリーたちがギョッとなる。


「だから、変に言葉が流暢だと、それはそれで怪しい目で見られると思ってさ。それで、言葉が通じないふりしてる方がやりやすいだろうと思って、ジャスミンたちに頼んで、言葉が通じないふりをして、通訳してもらってたんだ。アーバイルには言ってなかったな。だから、いま思いっきりばれて、すっげー焦ってる」

「あ、そうだったのかね」


 アーバイルも、少し驚いたような顔を見せた。


「まあ、安心したまえ。ここにいるメアリーたちは、街エルフで、しかも女性騎士だ。Bがそういう演技をするというのなら、協力もしてくれるだろう」


 その街エルフが何をやったのか、俺は知ってるんだよ。このあと、どうなるのかなと思ってたら、メアリーが鋭い目を俺にむけてきた。案の定である。


「貴様、私たちの言葉がわかるのか」


 冷えた声で静かに訊いてくる。


「まあ、一応」


 もう否定しても仕方がない。俺はうなずいた。残りのダークエルフたちが顔を見合わせる。ヤバいぞ、という表情だった。


「その、わかる言葉というのは、アーバイルたちが話しているサーバナイト語だけか? それ以外の言葉も理解できるのか?」

「さあ。そこまで詳しくは俺も説明を聞いてないから」


 これは事実だが、メアリーの疑惑の瞳は変わらなかった。


「ところで昨日はすまなかったな」


 疑惑の視線のまま、メアリーが話題を変えた。というか、これが本題である。

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