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「人の姿でこの町に入りこんで、何を企んでいる!?」
ほかの女騎士たちが口々に言いながら俺をにらみつけてきた。ヤバいな。ここでもこういう差別はあったのか。
「あ、待ってください。Bは、何も悪いことなんてしません。ここにきたのは、私がつれてきたからです。Bが望んだことではありませんから」
下手すっとここで殺されるのかも、と思いながら紅茶を飲む俺をかばうようにジャスミンが立ちあがった。
「Bは、ローズがナイトゴーレムに襲われかけていたのを助けてくれました。それに、この四日間、一緒に旅をしていても、私に何か乱暴なことをするような気配も見せませんでした。少なくとも、Bが私たちエルフ族に対して悪意を持っていないことは、これで十分に証明できると思います」
こうやって擁護してもらえるとありがたい。森の貴族の言葉に、レイリアたちも、しぶしぶって感じで殺気を抑えていった。
「ただ、ジャスミンのようなエルフ族には親切であっても、私たち人間に対しても友好的とは限らんのでは」
「では、なぜ昨夜、Bはレイリア殿の喧嘩に加勢されたのでしょう?」
この質問で、レイリアもおとなしくなった。
「あなた方人間が、こちらの世界の獣人類と、どのような交易を結んでいるか、あるいは紛争を交えているかは私にもわかりません」
ジャスミンが静かに言った。
「ただ、Bは、むこうからきた獣人類です。こちらの獣人類とは、基本的な考え方が違うと判断していただけますか?」
「Bは私の友達だし」
つづいて言ったのはローズだった。
「みんながBと喧嘩するなら、私はBと家に帰る」
この言葉に、ミーリアとレイリアが困ったような感じで顔をむきあわせた。
「こんな小さな子供を泣かすわけにもいかんしな」
「あのとき助けてもらった恩は、確かにありますし」
「では、仕方がないか。――えーと、確かローズだったな。すまなかった。それからBも」
ミーリアがローズと俺に声をかけた。
「こっちの世界の獣人類とは、過去にいろいろあったものでな。それで、つい、Bも何かするのではと、反射的に身構えてしまったんだ」
「にらみつけたのは勘違いだったから許してほしいって」
ジャスミンが俺に通訳してきた。またシンプルだけどわかりやすい説明だな。




