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「○○○○」
『オレハBダ。日本人。ドラえもん』
片言のサーバナイト語で言ったら衛兵も納得した。やっぱりドラえもんは効くなあ。
「行くわよ」
あらためてジャスミンが馬車を走らせ、駐車場――と言ったらいいのか、とにかく馬車をとめる場所まで移動した。
「じゃ、B、お願いね」
「おう」
俺は馬車の後部から降りた。ナイトゴーレムの剣をひっぱりだす。
「よっこらせ、と」
その剣を背負うと同時にローズも馬車から降りてきた。
「ジャスミン、○○○○」
「こっちだから」
ローズの言葉にジャスミンがうなずきながら手をとり、残りの手で魔法庁の入口――じゃないほうを指さす。
「あれ? あっちじゃないのか?」
「あっちは、手続きをするところだから。ナイトゴーレムをつくっているラボはべつのところ」
「なるほどね」
事務所と工場の違いってことらしい。俺はジャスミンとローズのあとをついて、魔法庁の敷地のなかをしばらく歩いた。進行方向に、小さい一軒家みたいなのが見えてくる。
「あそこ」
「――あんな小さい家でナイトゴーレムをつくってるのか?」
「地下でつくってるのよ」
「あ、なるほど」
俺とジャスミン、ローズは小屋のなかへ入った。階段がない。なんにもない、ただの部屋である。
「あのな」
「○○○○」
俺が質問するより早く、ジャスミンが何やら声にだした。いままで聞いてきたサーバナイト語ともイントネーションが違う気がする。なんだ? と思っていたら、急に、ゴウン! という音がして、一瞬だけ身体が軽くなった。
「――エレベーターか」
俺は感心した。
「この世界でこんなもん、どうやってつくったんだ?」




