表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/145

48

 俺はただ、自分でひっくり返したテーブルを元に戻そうと思っただけである。身体を屈め、テーブルに手をかける。ひょいと向きを変え、俺はそのテーブルを元の場所まで持って行った。静かに置いて顔をあげると、周囲の男たちがひそひそと話をしている。べつに聞こえるようにしゃべったって、俺にはわからないんだが。


「ちびまる子ちゃん」

「おう」


 俺は笑って手を振って見せた。それを見た男たちが、なんだかいろいろ言いだす。


「どうして日本人なのに、俺たちを殴ったんだって言ってるわ」


 ジャスミンが通訳してきた。


「日本人は殴られても文句を言わないはずだって」


 なんだか聞き流せない話だった。


「待て。なんだそれ。あいつら、俺以外の日本人を殴ったことがあるのか?」

「聞いてみるから。○○○○!」

「○○○○」

「本当に殴ったことはないみたい。ただ、そういうふうに聞いてるから、驚いたんだって」

「そうか。じゃ、説明してやってくれ。俺は、おまえたちが女性を殴ったから、頭にきて、助けようと思って、それで、ああいうことをやってしまったんだ」

「○○○○」


 ジャスミンが通訳し、それを聞いていた男たちが納得の顔をするより早く、そばに立っていたレイリアがこっちを見た。

 歓喜の表情だった。


「○○○○!」


 何やら言いながら俺の手をとる。なんだと思ったら握手だった。西洋のあいさつの流儀だな。こっちの世界でも基本はそうらしい。


「おまえは素晴らしいって言ってるわ」


 ジャスミンが通訳してきた。なんだか照れる。――というか、ここは肌の色だけじゃなくて、男尊女卑の思想まで残ってるみたいだな。照れ笑いの下で、俺はこの世界の価値観にどう抗おうかと考えていた。それとはべつに、お構いなしな調子でレイリアが話しかけてくる。


「○○○○!」

「できるなら、我が隊の皆にも、おまえを会わせてやりたい、だって」

「そうか。べつに断る理由も――いや」


 俺は、どうして都にきたのか、その理由を思いだした。ジャスミンのほうをむく。


「一応の確認をするけど、その申し出は本気なのかどうか訊いてくれ」

「○○○○」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ