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「なるほど、それで馬が二頭なわけか」
「一頭でもなんとかなるのですが、やはり、早くつぶれますので。単純に考えて、四人で行動できるサイズの馬車を用意しました」
「ふうん」
俺とジャスミン、それから、お子様だけど、ローズ、そしてこの大剣か。確かに、重量的には四人分と考えていい。それから、さらに馬車のなかをのぞくと、少し大きめの、木製の箱が置いてあった。弁当と着替えが入ってるんだろう。旅立つ準備は万全ってことらしい。
「じゃ、ママ、ちょっと行ってくるからね」
ジャスミンがマーガレットに言い、ローズを抱きあげて馬車に乗せた。自分自身は馬車の――御者台と言うんだろうか。鞭をひっぱたいて馬を走らせる運転席的な位置に座る。
それで、こっちをむいた。
「ほら、Bも早く」
「あ。うん。――俺はどこに乗ればいいんんだ?」
「馬に乗ったことがないんでしょう? 後ろよ、後ろ」
「おう、そうか」
言われて俺は馬車に乗りこんだ。先に乗ったローズがニコニコ笑いながら俺を見ている。俺も軽く笑い返して、馬車から顔をだした。
「それじゃ」
「行ってらっしゃいませ。ご武運を」
「じゃあね。すぐ戻ってくるから」
ジャスミンの声が聞こえると同時に、ピシンという音が響いた。馬車が走りだす。
「さて、長いハイキングと行くかな」
「B! ○○○○!」
馬車のなかに座って、なんとなくつぶやいたら、笑顔のローズが話しかけてきた。相変わらず、意味はわからない。まあ、黙ってるのもおかしいし、少しはこっちの言葉も覚えないといけないだろう。馬車のなかにいる間の時間つぶしにもなる。――俺の考えが読めるのか、ローズが笑顔のまま口を開いた。
「○○○○!」
それからの三日間は、特に問題のない旅だった。道路が舗装されてなくてデコボコで揺れまくりだから、乗り物酔いをして俺がゲロを吐いたとか、夜中に野宿したら狼に襲われかけて、俺も獣化して追い払ったとか、俺も馬の扱い方を覚えようと思って御者台に座ったら馬が暴走しまくって湖に突っこみかけたとか、その程度である。
そして三日後、俺たちは都へ着いた。
「こうやって旅をしてみると、三日ってのは長いもんなんだな」




