表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/145

20

 俺の横でジャスミンが言ってきた。目をむけると、なんだか嬉しそうにしている。


「ほら、私も、久しぶりに都に行ってみたいし。フラグも立ったし、何か素敵なことでも起きそうな予感がするし」

「フラグってなんだ?」

「Bのことよ。異世界からきた、とっても強い、私たちの味方になってくれる人間。そういう人間が現れてくれることを、フラグが立つって言うんでしょう?」


 また通なことを言ってくるなーこのエルフ娘。あきれたらいいんだか感心したらいいんだか。というか、俺のほうがフラグかよ。


「ジャスミン! B! ○○○○!」


 これは、俺の左隣にいる子供エルフの声だった。ジャスミンが、ちょっと意外そうな顔をする。


「ローズ、あなたも行きたいの?」

「○○○○!」

「そう」


 返事をして、ジャスミンが顔の角度を変えた。たぶん、子供エルフ――ローズってのが名前らしい――の、親がいるほうだったんだと思う。


「ローズはこう言ってますけど、いいですか?」

「ふむ」


 案の定、ジャスミンの視線の先にいる、若い男のエルフが考えるような仕草をした。少しして顔をあげる。


「まあ、いいでしょう。不安がないわけでもありませんが、獣人類のBがいてくれれば、ローズに危険もありますまい」

「信頼してくれてありがとさん」


 俺は笑顔でうなずいて見せた。――ということは、俺はジャスミンとローズというエルフをつれて、どことも知れぬ都まで旅にでるわけか。面倒くさいなーと思わないこともなかったが、どうせ、一度は死のうと思った身だ。最後に大冒険するくらい、神様も許してくれるだろう。俺が先にくたばったら、あとからきた親父とお袋に自慢話として聞かせてやればいい。


「話はわかった。それは承諾したとして、こちらから質問」


 俺がマーガレットに言ったら、マーガレットが困ったように微笑んだ。


「こちらから質問も何も、さっきからBが質問をしつづけていますが?」

「あ、そうだったな。――じゃ、あらためて、追加の質問だ。都で、ナイトゴーレムが、この村を襲っているということを魔道士に言って、証拠も見せて。それでどうなる?」

「ナイトゴーレムを、一度に集めてもらって、内部のプログラムを変えてもらいます」

「あ、なるほど。不良品を回収するってのは、筋が通ってるな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ