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「前に都に行ってみたことがあるんだけど、都の人間って、異教徒とか言って、獣人類は世界から追放するなんて言ってたから。魔法使いは普通に働いてるのに。おかしいわよね。魔力の使い方が違うだけで、どっちも普通の人間なのに。都の人間って、そのことに気づいてないみたい」

「ふうん」


 まあ、そのへんはわからないでもないな。俺の世界にも、魔女裁判というのが存在した。それから、俺以外にも獣人類がいるのか。やっぱり、俺だけがチートっていうわけじゃないらしい。――というか、常識で考えて、俺はマーガレットたちと一緒にいるより、そっちに行ったほうが打ち解けるんじゃないだろうか。


「お忘れかもしれませんが、ほかの村に行ったら、基本的に言葉が通じませんので」


 俺の考えを察したらしく、マーガレットが言ってきた。あ、そうか。それがあったな。


「すると、俺はエルフの皆さんと友好的に話のできる、非常に希少な獣人類で、その代わりに、ほかの人間の言葉がわからない。で、これからはこの村で、用心棒みたいなことをやっていけばいい。――そういうことか?」

「最終的には、そういうことになります」

「最終的って、どういうことだ?」

「できれば、まずは都に行ってほしいのです。わたくしたちの使いとして」


 また意外なことを言ってきた。


「それはどうしてだ?」

「ナイトゴーレムが、わたくしたちの村に侵入してきたことを、都の魔導士たちに報告するためです。過去、念話で、ナイトゴーレムがわたくしたちの村にやってきたと、何度言っても、都の魔導士たちは信じてくれませんでした」

「なんで?」

「証拠がないからです。ただ、今回は違います。破壊されたナイトゴーレムの鎧の一部なり、剣なりを持って行けば、ナイトゴーレムがわたくしたちの村にきたことが事実だと、魔導士たちも受け入れるでしょう」

「ふむ」


 俺はセロリみたいな野菜をくわえて、少し考えた。


「いまの話ぶりだと、マーガレットさんと、都の魔導士たちは、ある程度の交流があるみたいだな」

「ええ。何回か、都に行ったこともありますので。申し上げたはずですが」

「なるほどな。それはいいけど、俺は道もわからないし、言葉も通じないはずだぞ」

「道案内をつけますので」

「私が一緒に行くから」

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