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野菜サラダだらけのビュッフェみたいな歓迎パーティのなか、テーブルをはさんでむかいに座ったマーガレットが俺に言ってきた。――一応、何かの肉と、茹で卵もあるが、量はかなり少なかった。エルフってのは基本的に菜食主義か、そうじゃなかったら、人間とは食い物の好みが違うらしい。ちなみに、俺の隣にはジャスミンが腰かけている。
「まずは、昼間の質問を、あらためてさせてもらおうと思う」
なんだか、隣にいるジャスミンが、熱烈な目で俺を見つめているような気もしたが、あんまり考えないようにしながら、俺はマーガレットの目を見据えた。それとはべつに、右手を伸ばしてテーブルの上のフライドポテトっぽい何かを手にして口に運ぶ。塩分薄めだが、うまい。とりあえず、ここの食生活にはなじめそうだった。
「まず、最初の質問。俺が昼間に対決した、あの三メートルの、ロボットみたいなのはなんだったんだ?」
「あれはナイトゴーレムです」
「あ、あれってゴーレムだったのか」
ちょっと予想外の返事がきた。
「俺、ゴーレムって、石でできていて、素手で殴り合いするもんだって思ってた」
「それは普通のゴーレムです。あれはナイトゴーレムですので」
「はあ」
我ながら間の抜けた返事だったと思う。――たぶん、ナイトゴーレムのナイトってのは、騎士のナイトだろう。夜のナイトだったら昼間から行動するはずがない。
「で、そのナイトゴーレムってのは、普通のゴーレムとどう違うんだ?」
「えーとですね」
マーガレットが、少しだけ、考えるように小首を傾げた。
「いろいろと違うのですが。まず、外見的に。ナイトゴーレムは色が派手です」
「それは俺も見た。ずいぶんカラフルだったな」
昔、「三銃士」という映画を見たが、あんな感じだった。なるほど、ナイトなら、いろいろと色を塗っていてもおかしくはない。
「さらに、ナイトゴーレムは、熱で溶けない鎧を着ています」
「あ、やっぱり、あれは鎧だったのか」
返事をしてから、俺は妙に思った。
「熱で溶けないって、金属製じゃないのか?」
「確か、セラミクスって言ってたかな」
これは俺の横に座っていたジャスミンの説明だった。あースペースシャトルの素材か。だったら熱で溶けなくても不思議じゃない。
「それから、魔道士の命令を聞かなくても、自立行動をします」




