表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

118/145

118

 これが魔力か。そういえば、まるで太陽を直視しているようだとマーガレットが言ってたっけ。いまならよくわかる。


「下等な人間どもに、本来の支配者の力のほどを見せつけてくれるわ――」


 ドラゴンの声は怨嗟のようだった。これは話しても通じないタイプだな。ナイトゴーレムに自分の行動を監視されて、縄張りを侵されて、相当頭にきているらしい。こりゃ、腹をくくってやるしかないわけか。

 でもどうやって? ぶっちゃけ、あれは化物だぞ。


「行くぞ!」


 メアリーが叫ぶと同時に、ドラゴンの周囲を飛んでいた、ほかのワイバーンたちから光が飛びだした。輝いたのではなく、光線がでたのである。それも、ワイバーンからほかのワイバーンへ。おそらく、ワイバーンに乗っているダークエルフや、ミーリア、レイリアが、何かしらの魔法を使ったのだろう。光で描かれた正三角形がふたつ、ドラゴンを囲むようにつくられていく。


「――六芒星か――」


 俺は感心した。魔法陣やらなんやら、どこかで見たことがあるが、あれである。メアリーの部下たち4人のダークエルフと、ミーリア、レイリアのふたり、合計6人がドラゴンの周囲を飛びながら六芒星を完成させていった。

 おそらく、それでドラゴンの動きを封じたのだろう。


「ドラゴンは、確かの巨大な魔力の塊だが、それを本能的に使っているだけだからな。我々のような技がない」


 ひとり、六芒星をつくるチームには加わらず、ドラゴンの上空を飛びつづけるメアリーがつぶやいた。


「それに、チームプレイという概念もな。個々では我々がドラゴンにかなうはずもないが、訓練し、ひとつの部隊として行動すれば、あるいは我々にも勝機がある」


 メアリーが右手を手綱から離し、上空へむけた。見る見るうちに、その手に青い光が宿っていく。光の剣だ。いや、光の槍と言った方が正確だっただろうか。メアリーがそれをかまえ、ドラゴンを見下ろす。


「あとは、必殺の急所を狙う。ドラゴンも生物である以上、心臓を貫かれれば息絶えるはずだ」


 言っている間にも、メアリーの手に宿る光の槍はどんどん巨大化していった。それと同時にメアリーの身体が震えだす。どうも、限界を超えて自分の魔力を引きだし、最大級の攻撃を喰らわせようとしているらしい。それほどの相手ということなんだろう。


「覚悟!!」


 メアリーが叫ぶと同時に光の槍をドラゴンへめがけて投げつけた。――同時に、ドラゴンが口を開いた。いままで口を動かさずにしゃべっていたのに、だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ