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俺がメアリーから話を聞こうとしたら、突然、がやがやと声がして、大広間に人影が入ってきた。俺よりかなり背は低いが、がっちりとした身体つきの連中である。ちなみにみんな、基本的に豊かな髭。これはドワーフだな。たぶん、ナイトゴーレムを製造している作業用ゴーレムの整備をやっているんだろう。この部屋は整備士たちの休憩場所だったのか。
で、当然ながら、メアリーたちと目が合った。
「「「「「あ!」」」」」
「「「「「わ!」」」」」
あちゃー。俺は頭を抱えた。なんかもう、面倒くさいことになる匂いがプンプンしている。メアリーたちダークエルフと、整備士らしいドワーフたちが殺気立った表情でにらみあいはじめた。
「肉団子のような姿をした、腕力だけの者どもが!」
「魔力に長じただけで偉そうにして、人間どもに取り入った寄生虫どもが!」
瞬間にはじまった罵り合いである。想像どおりもいいところだった。一発目の悪口で、お互いの目つきが本気になる。
「力だけのものだと!? 我らの技術を知らんのか!?」
「私たちのどこが寄生虫だ!?」
「寄生虫だろうが! 我らの技術なくして、おまえたちに機械の何が動かせる!?」
「そんなもの私たちには要らん!」
「ならば街からでていけ!!」
「でていくのは貴様たちだろうが! 貴様らなどいなくとも、いまはオートメーションで、小型のゴーレムがすべてこなしてくれるのだ!」
「そのゴーレムを整備しているのは我々だぞ! 感謝の言葉もないのか蛮族どもが!!」
「そのゴーレムを動かしているのは私たちの魔力だぞ! 感謝の言葉も口にできないのは貴様たちだろうが!!」
「はいはいストップ! いまはそれどころじゃないだろう!!」
俺はあわてて止めに入った。この世界にくる前からエルフとドワーフの不仲は聞いていたが、これほどとは。――なんか、目くそ鼻くそってことわざを急に思いだした。それにしても、いままでよく目立った衝突がなかったもんだなサーバナイト。
俺の仲裁に、ドワーフたちが妙な顔をした。
「この黄色いの、我らの言葉がわかるのか?」
「これは珍しい。赤ん坊のころにこっちへきて、それから長いのか?」
「頭のあれは――デザインが違うな。普通に我らの言葉を理解できているんだろう」
「面倒だな。ああいう奴は、言葉がわからないふりをして、こっそり我らの会話を盗み聞きするものだ」




