表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/145

102

「女は私たちだけだ。男は、何人かいる」

「なるほど。つまり、もしナイトゴーレムのプログラムを違法に書き換えてる連中がほかにもいるとしたら、そいつらか」

「男連中は町の外で、ずっと危険な仕事についているはずだから、そんなことやってる暇はないと思うが」

「ふむ」


 俺は考えた。つまり、ナイトゴーレムのプログラムを書き換えた奴は、ここにいる5人だけという判断でOKか。


「あのな」


 俺はメアリーのほうをむいた。


「二度とナイトゴーレムのプログラムをいじらないって約束できるか?」


 俺の質問に、メアリーがうなずいた。


「あのことを、誰にも言わないとBが約束するなら、私たちも約束しよう」

「かまわないぞ。約束する」

「では、私たちもだ」

「じゃ、これで話は終了だな」


 俺は下をむきながらため息をついた。同時にメアリーもため息をつく。妙に思って顔をあげると、メアリーも顔をあげていた。


「何を疲れたような顔をしている?」

「ほっとしたんだよ。人の見てないところで口封じに殺されるのかと思ってたからな」

「だから話し合おうと最初に言っただろうが」

「そりゃ、言ってたけど、とてもそうは思えなかったんだよ」

「私たちはこれでも騎士だ。罪のない者にむける剣は持っていない」

「じゃ、なんでジャスミン――あの白いエルフのことだけど、彼女たちに危害を加えようとしたんだ?」

「むこうが喧嘩を売ってきたからだ。それに、殺す気はなかった。この国から追いだそうと思っていただけだと言ったはずだが?」

「あ、そうだったな」


 俺は頭をかいた。喧嘩を売ってきたっていうのは勝手な思い込みだと思うが、仲直りさせるのは無理だと思ったほうがいいらしい。まあ、人間関係――じゃなくてエルフ関係も、一度こじれたら修復は至難の技ってことか。


「ま、いいか。じゃ、俺たちはジャスミンと森に帰るから。メアリーたちがジャスミンのことを気に入らないのはわかったけど、だったら口を利かなければいいだけだから、あんまりちょっかいはかけないでやってくれ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ