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Zero  作者: 山名シン
最終章
53/60

若鳥の後悔、親鳥になっても止まず

~修正中~

君を失ってからもう、何年経っただろうか?

俺は君にとってどんな兄だった?

あぁ…(マリア)よ、君は今どこで何をしているんだい?


《どうして、俺のもとに帰ってこないんだ?》


クールタウン最大の謎とも言われる町、『ベツルベムタウン』で、三人の守護者に囲まれて、一人の神父に鞭で打たれていた。

その後に協会で十字架に磔にされ、三日三晩、裸で、辱しめを喰らっていた。

俺は難なく君を救ったけど、君はすぐに目を閉じたんだ。

「お兄様…」と、小さく微笑んだ君を俺は力強く抱き締めた。

《ゴメンな…俺が無理矢理にでも、お前とアイツの幸せを願っていたら……こんな事にはならなかったのに…》


(つるぎ)(ぜろ)!泣くな!お母さんが悲しむだろう?だから泣くな…いいか?』

母親は剣を産んですぐに他界してしまった。

それを思いだし、時折部屋の隅で泣いている事を俺は知っていた。

声を出さずに泣く息子達を見て、俺はーー。


親となっても俺は何も変わらないな、なぁ?(マリア)…。

親友(マシラ)よ…お前は優しい男だったからあの時俺を殴れなかったんだ。

あの時俺は怖かったんだ。

俺たちの関係が崩れる事を分かっていながら、何も出来ない、《俺自身》に怖くて震えていたんだ。

俺はいつもいつも、お前達の前では強がっていた。

「自分は強い、だから大丈夫」と。

それは嘘だ。俺は強くなんかない。

妹が笑ってくれている、親友が励ましてくれる、《二人が笑顔でいる》

そんな関係を崩したくなかったから俺は、ずっと強い自分に憧れて、無理をしていたんだ。


『零、剣、お前達は二人仲良くいるんだぞ?ずっとな。ずっとだ……』


俺はお前が憎い………。

俺はお前を恨む………。

俺はお前を許さない。

残酷なお前を許しておけない。


『神に祈ったところで、マシラもマリアも救えなかったじゃないか!』

何千年何万年前の聖書や神話の内容を解読し、現在の聖書や神話に照らし合わせながら、神について調べた。

だが、調べれば調べるほど、残酷な記述しかみなかった。

何故なら神は我々人間を《見捨てた》のだから……。


剣山カシラ40歳死去。

死因は龍牙大和の急襲による。

しかし彼はまだこの世に存在している。

ナートゥーラ・シルウァ《自然の森》の奥、自然神の(やしろ)にて、[神の裁き]を受けている。

期間は下界の1兆1111億1111万1000年間、天界の375日の間、『無限地獄』に処せられた。

これを生き抜いた後に、カシラは生き返る事を約束されている。

カシラは今も闇の中で想い続けている。


「神よ、お前が憎い!必ず殺してやる!」


その空しい声は誰にも届く事はなく、無意味な八つ当たりに過ぎない。

神を信じ、神から力を授かり、神に恩情を承っていた人間にとって、【神を疑う】事など言語道断、死に値する罪である。


この世界では、どんな無慈悲な事があろうと、神の一言でそれは正当化されるものだ。


「神は絶対なのだから……」

下のはあんま気にしないで下さい。


ゾルタスクゼイアン


ベツルベムタウン=ベツレヘム


協会にいた神父と守護者達はマシラの父親メイソンの使い。全てはメイソンの陰謀。


マリアはこの後死んだ事になっているが、実は死んでいない。兄のカシラにも内緒で密かに生き続けていた。この間何をしていたかは不明。どうやって生きていたのかも不明。

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