若鳥の後悔、親鳥になっても止まず
~修正中~
君を失ってからもう、何年経っただろうか?
俺は君にとってどんな兄だった?
あぁ…妹よ、君は今どこで何をしているんだい?
《どうして、俺のもとに帰ってこないんだ?》
クールタウン最大の謎とも言われる町、『ベツルベムタウン』で、三人の守護者に囲まれて、一人の神父に鞭で打たれていた。
その後に協会で十字架に磔にされ、三日三晩、裸で、辱しめを喰らっていた。
俺は難なく君を救ったけど、君はすぐに目を閉じたんだ。
「お兄様…」と、小さく微笑んだ君を俺は力強く抱き締めた。
《ゴメンな…俺が無理矢理にでも、お前とアイツの幸せを願っていたら……こんな事にはならなかったのに…》
『剣!零!泣くな!お母さんが悲しむだろう?だから泣くな…いいか?』
母親は剣を産んですぐに他界してしまった。
それを思いだし、時折部屋の隅で泣いている事を俺は知っていた。
声を出さずに泣く息子達を見て、俺はーー。
親となっても俺は何も変わらないな、なぁ?妹…。
親友よ…お前は優しい男だったからあの時俺を殴れなかったんだ。
あの時俺は怖かったんだ。
俺たちの関係が崩れる事を分かっていながら、何も出来ない、《俺自身》に怖くて震えていたんだ。
俺はいつもいつも、お前達の前では強がっていた。
「自分は強い、だから大丈夫」と。
それは嘘だ。俺は強くなんかない。
妹が笑ってくれている、親友が励ましてくれる、《二人が笑顔でいる》
そんな関係を崩したくなかったから俺は、ずっと強い自分に憧れて、無理をしていたんだ。
『零、剣、お前達は二人仲良くいるんだぞ?ずっとな。ずっとだ……』
俺はお前が憎い………。
俺はお前を恨む………。
俺はお前を許さない。
残酷なお前を許しておけない。
『神に祈ったところで、マシラもマリアも救えなかったじゃないか!』
何千年何万年前の聖書や神話の内容を解読し、現在の聖書や神話に照らし合わせながら、神について調べた。
だが、調べれば調べるほど、残酷な記述しかみなかった。
何故なら神は我々人間を《見捨てた》のだから……。
剣山カシラ40歳死去。
死因は龍牙大和の急襲による。
しかし彼はまだこの世に存在している。
ナートゥーラ・シルウァ《自然の森》の奥、自然神の社にて、[神の裁き]を受けている。
期間は下界の1兆1111億1111万1000年間、天界の375日の間、『無限地獄』に処せられた。
これを生き抜いた後に、カシラは生き返る事を約束されている。
カシラは今も闇の中で想い続けている。
「神よ、お前が憎い!必ず殺してやる!」
その空しい声は誰にも届く事はなく、無意味な八つ当たりに過ぎない。
神を信じ、神から力を授かり、神に恩情を承っていた人間にとって、【神を疑う】事など言語道断、死に値する罪である。
この世界では、どんな無慈悲な事があろうと、神の一言でそれは正当化されるものだ。
「神は絶対なのだから……」
下のはあんま気にしないで下さい。
ゾルタスクゼイアン
ベツルベムタウン=ベツレヘム
協会にいた神父と守護者達はマシラの父親メイソンの使い。全てはメイソンの陰謀。
マリアはこの後死んだ事になっているが、実は死んでいない。兄のカシラにも内緒で密かに生き続けていた。この間何をしていたかは不明。どうやって生きていたのかも不明。




