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Zero  作者: 山名シン
第4章
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窮地

「着いたな」、と小さく溢すは水、雷、風の力を持つルドラ神を彷彿とさせる神の継承者が三人。

シーラ、雷鬼、ワストの三人はウォールタウンに蠢く悪魔たちを見るがそれには目もくれず見つめる先にある少年二人を視界から離さなかった。


龍神により右側上半身を失い、今はメドゥーサの蛇を体に纏い命を握られている「過去」を操る神シヴァを信仰し力を操る、今回の敵方の大将「マーラ」

その双子の兄である、「未来」を操る神ヴィシュヌを信仰し力を操り、現在陸の紋章を所持する「カーラ」


大将の二人組に立ち塞がるルドラ神を模した、三つの神の継承者の戦いが始まる。


《フフフ。随分弱ってるじゃないか?君が戦線離脱とは、珍しいというのか、実はあんまり興味がないのか、どちらでもやはり、君が隠居は似合わないよ。プロセウスさん》

ふん、余計なお世話だ!とそっぽを向いて煙草をふかしている男は、命の恩人である少女を覚醒鬼から守る為に、イナズマタウンに、彼女の家に、居候を続けていた。


《ところで、龍鬼君、本当にウォールへ行くのかい?》

不適な笑みを浮かべながら大和は歩幅を合わせて龍鬼に問うた。

《行くさ。弟が心配なんでな。それに、お前には借りがある。お前が行くのだから俺も行く。少しは戦力にもなるだろう》

《………フフフ。そうかい。なら御供してくれるかな?最強の小鬼さん》


「自然の最大音響(サウンドオン)

ゴーレムの体が地を這いつくばるように、唸っている。

風の音。岩の音。瞬きする音。体が軋む音。血が流れる音。心臓が鳴る音。

誰かの喋る声。自分の放つ声。

音という音の全てが、ゴーレムを襲い鼓膜を突き破っていく。

不適な笑みを浮かべながら、超巨大岩石魔神ゴーレムをひれ伏しているその立ち姿はもはや、どちらが悪魔か分かったものではない。

「フフフ」

「グガガガガガ…………」

その時一閃の矢が大和の頬を切った。

その矢は生きていた。

蛇の歯を剥き出しにし、刃と変えて、毒付き矢を掠めてしまった。

「離しなさいよ、そんななりでも一応私の可愛い弟なのよ?」

舌をYの字にペロッと突きだし自身の唇を湿らした。


「お前達はマーラをやれ、俺はカーラだあのからくりを解かないと気がすまないからな」

シーラ対カーラ、雷鬼&ワスト対マーラ。


シーラは目を瞑り水を創造する。

カーラも目を瞑りシーラの未来を創造している。

そしてーーー。

シーラの右手に水の刃が光り、切り落とす!

ブイン-----ッ‼

ブーンと音を立てて、カーラの服をすり抜け体だけを切った。

だが、カーラは全くの無傷だった。

「どうした?威勢がいいのはここまでか?」

(やはり。攻撃を当てても未来を変えられたら意味がない。それにあいつはどこにいても攻撃を出す事が出来る。俺の流動する体に唯一触れる事の出来る敵…)

カーラがニヤリと笑い、拳をドアをノックするように振った。

そして、ドスンッと重たい感触がシーラのみぞおちを喰らい、膝をつく。

「海の紋章を使いたいが、光るだけで役に立ちぁしねぇ。伝説は嘘だったって事だな。」

舌打ちをして、自分の体を液体にして四方に飛び散った!


[アミダ(らい)]

足を踏み込み光の道がマーラを包む。

雷鬼が拳を振りかざすと落雷が轟き、音が後から追ってくる。

マーラの真後ろについた雷鬼を見た瞬間、体を内部から蒸発させる風の力によりマーラは泡を吹いた!

ドサッと倒れたマーラを見たが、雷鬼とワストの背後に殺気を感じた。


パパパパパパパン!!!!!


爆発によって、二人の胸と胸がぶつかるように弾けた。

『グワッ!!』

二人同時に倒れ込み前に立つマーラを見上げた。

「もう今の技は効かないぞ?さて、次はどうする?」

紅の入れ替わりの能力により、雷と風の力を受ける瞬間に既にもぬけの殻だったのだ。

マーラの両腕に渦をかくように紅が巻き付いていき、真紅に輝いた。

「磨閃二閃突き!」

両拳を倒れる雷鬼とワストに差し向けた!


「お前は、あの時一緒にいた剣士だな?名は確か……」

(つるぎ)だ。お前は龍鬼だったな………その角。鬼か。」

10mの巨体を持つヘカトンケイルの前でお互いに自己紹介を済ます。

「お前ら、敵、俺、戦う、潰す!」

片言のヘカトンが巨大な腕を50本ずつ片方に分裂させて、剣と龍鬼を襲う。

五重腕鬼(ごじゅうわんき)

龍鬼の腕が通常の五倍に膨れ上がり、その腕を、灼熱を帯びた腕を、振り回し50本のヘカトンの片腕を弾き返した!

(つるぎ)は太陽剣を天高く突き上げ、業火の炎を(けん)に纏わせもう片方の50本の腕を弾き返した!


後ろに腕が飛びそうになり、ヘカトンは一歩二歩後ろへ後ずさる。

しかし、その瞬間ヘカトンケイルが、地面を蹴りあげ大地を揺らし、地盤を割った。

ビシビシと地面が割れていき、二人は思わず中空へジャンプし飛んだ!

だが、それを待っていたように二人を、100本の腕が空中で無防備な二人を襲った!

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