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Zero  作者: 山名シン
第4章
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最終決戦編

陸の紋章は大地母神ガイアの創り出した大地の力の一つ。

同じく海、空の力も紋章によって引き出される神に等しい力だ。

神々の考えでは、まず頂点に神がいて、次に天使がいる。

天使は人間世界へ誘うための使者である。

繋ぎの役目を持っており、人間は天使を通して神の力を借りる事が出来るのだ。

その力を一番最初に持った人間が所謂「(バシレウス)」と呼ばれる。

神が創った紋章を天使を介して人間に伝わった者を「王者(アトレータ)」となってこの(タウン)を統べる支配者となる。

王者は陸海空の三つの世界の内一つを支配する力を得られる。

それぞれは、(ユピテル)(ネプチューン)(サタン)の名を引き継ぐように出来ている継承制だ。

但しそれらの王者の名を受け継ぐには、[神の審判]と呼ばれる宣言を天使から聴かなければならない。

神の審判を無視し王者の統一を行った者には神から直々に罰を与えられ、その内容は極秘で誰にも分かっていない。

とは言っても王者の統一は禁忌として絶対の秩序(ルール)を守らなければならない。

現在紋章を持つ者は、カーラ(陸の紋章)、メドゥーサ(空の紋章)だ。

だが彼らは一向に紋章の力、すなわち(バシレウス)の力を使う事は出来ない。

それには理由がある。


王と言うのは代々引き継がれていくもの、それかとって変わられるものだ。

つまり紋章も同じで、先代が使った力を後継者に預ける事によって初めて、王者(アトレータ)になれる。

もう一つは現王者を何者かが殺して奪う事。

この二つの方法以外に、紋章の力=(バシレウス)の力を引き継ぐ事は不可能だ。

探し出す事は意外に簡単だ。

しかし使いこなす事はもはや不可能なのだ。

何故なら、先代の王者がとうの昔に誰かに引き継がせる前に死んでしまったのだから。

その紋章は石の輝きを残したまま、死んだのだ。


「さて、そろそろ時間になるだろう。準備は良いか?」

白い百獣の王者は吼えた。

それに答えるように白い獣達は羽根をはやし、宙へと飛んだ。

零、ゲリラ、メディス、ナデシコはビーストの背に乗り敵地へと攻め込む。

大和の姿は数日前から無かった。

(どこいったのかしらね……大和の奴……)

密かに心配している元サケルドーサー。

「ナデシコちゃん。あなたはここに残っても良いのよ?正直にいって足手まといになるわ。あなたもツラいでしょうし…」

「……分かってる。でも………」

ナデシコは怖かったのだ。

このまま何も残せないまま生きていく事が。

自分の人生とは何か?

自分とは誰なのか?

存在していく理由はあるのか?

元から生まれるべく生まれた訳ではない。

強姦されて仕方なく生まれた、「無意味」な子供。

父は殺され、母は自分を産み直ぐに死んだ。

だが、その事実を5つになるまで、隠されていた。

ずっとゲリラに騙されていた。


「戦わなきゃ、生きた証が証明出来ないから………」


涙は流さないが、鳴き声で囁くナデシコを見てメディスは心が痛んだ。

遥か上空で、彼女の声を聞いた者はメディスだけだ。


(フフフ……これが鬼か……)

切り刻まれた鬼の残骸を大和は不適な笑みを溢す。

「彼らの切り札は終わったね。まぁ、まだ竜と悪魔がいるんだけど。」


別行動をしていた大和は、イナズマタウンに来ていた。

その足でゆっくりとウォールタウンへと赴く。


蛇のように舌をペロリとし、口を濡らし今か今かと戦闘待機で待っているメドゥーサ達悪魔はウォールタウン全土に徐々に広がっていく。

既に合流していたゴーレムとヘカトンケイルはメドゥーサの指示を待っていた。


「カーラ、確認したい事がある。」

「どうした?マーラ」

「……俺たちは何故戦うのかな?」

「戦うんじゃない。守るんだ。母が愛したここを。それを守りたかった父の想いを。守るんだ。」

「………………」

確かに迷う所である。

実際の所、カーラ達と、零達が直接的に戦う理由はない。

カーラ達は、父が持っていた物を集めていただけ。

その結果が戦いを引き起こすきっかけとなった。

幻獣の復活が一番の原因でここまで大きくなったのは、誤算だったに違いないが、戦うしかない事には変わりない。


元々ゲーラ一族の復興を夢見て父が死んでから1000年の間色々な事を仕出かしてきた。

表に出ていないだけでカーラ達は歴史的には大犯罪者とも呼ばれる事もしてきた。

しかしどれも事象が古すぎて人々の記憶から消えているに過ぎない。


[最終決戦編]

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