優雨と愛雨
『ゆ、優雨…校門であなたを…待っている人…がいるわよ』走りながら言っているため、言葉が所々とぎれている。
『あ。本当?有り難う』急いで教えてくれた彼女にお礼を言い、走った。
『やっと来たわ。ブスが可愛い私を待たすんじゃないわよ。まぁ、いいわ。私、暴走族《龍の牙》の姫になったの。』
『ふ~ん』龍の牙だと!?私がつくった暴走族じゃないか。妹が姫になるなんて落ちたな。
──そう。龍の牙は私がつくったのだ。ストレス解消の為ケンカをしていた私はとても強くなった。そんな私に憧れた者達は私の下につきたいと言った。だからその中から強い奴と私の気まぐれで選び、グループをつくった。その名が《龍の牙》である。
『ふ~んって。他に言う事無いの?』
『じゃあ…ブスブスって言うけれど…本当にブスに見える?』化粧を落としてスッピン姿を見せる。
『な…。本当に優雨!?』今回も目が顔からこぼれそうなほど見開いている。2つ目の見返し…か。ふふっ。
『くすくす。一つ一つ消されてゆくね。愛雨の私より有利な点が』
『ちっ。ボコボコにしてやる。』そう言い睨んだ。
『出来るものなら…ね』
くすっ。と優雨は艶やかに笑った。




