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私の下剋上  作者: 黒ユリ
6/8

愛雨は姫に。

 優雨は五流高校へ行き、私は一生優雨を見下せると思っていたのに、まさか凛貴高校へ行くなんて思わなかった。しかも主席…。ずっとバカだったのに…。そうではなかったということか。でも、愛雨にバカにされるのは気にくわない。復讐してやろう。ふふふ…


 愛雨は屋上を目指して階段を上る。なぜ、屋上かというと暴走族、主に幹部の溜まり場だからである。タッタッタッ軽やかに階段を上る音が響く。ガチャッ。屋上の戸を開けるが誰も居ない。それもそうであろう。なにせ、今は6:30なのだから。屋上の隅のほうに座り、壁に寄りかかる。そして瞼を閉じた。

 〈暴走族が来たら、私を追い出そうとすると思うから…どんな感じの態度にしようかな。ちょっと怯えている小動物系にしようかな。〉


 『おい、起きろ。てか、誰だテメー』うるっさいなー。って、私寝ちゃった!

 『っん~……』寝ぼけているような声を出しめ目元をこする。

 『あ…ご、ごめんなさい…』袖を口元にもっていく。そして袖に付けた唐辛子の粉をペロッと舐める。辛っ。なぜ舐めるのかというと、涙を出すだめだ。

 『出て行った…方が…良い…ですか…?』涙目+上目使いどうよ完璧でしょ。可愛い私ならではの技。つまりブスの優雨には使えない技よ

 『い、いや…』目をそらせながら言った。くすっ。もう少しで総長は私に落ちる。ふふふ…思っていたより簡単ね。

 『ご、ごめんなさい』タッタッタッと走り、屋上から出る。 


 ─翌日

 買ったクッキーを袋に詰め、ラッピングする。まるで自分で作ったみたいでしょ。そのクッキーをどうするかって?もちろん暴走族にあげる為よ

 今日は、昨日のように早くはいかない。だって暴走族が来る前に来る必要なんて無いからね。

 ラッピングしたクッキーが割れてしまわないように大切に学校へ持っていった。

 ガチャッ屋上の戸を開けた。そして顔を少しだけ出して言う。

 『この間はごめんなさい。あの…お詫びにクッキー焼いてきました。』

 『おぉ。有り難うな』照れたように言った。

 『誰スか。総長?』 

 『そうですよ。誰ですか?』

 『あ…名前聞いてねぇ。名前なんだ?』

 『え…あ…愛雨です』びくびくしているフリをした。

 『気に入った。姫になってくれないか?』よしっ。来た。

 『え…私で良いの…ですか?』ってか、私じゃなきゃダメでしょ。他に誰が居るのかしら。ふん。

 『あぁ。』ニコッと微笑んだ。

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