見返し1
『バカな五流高校へ入学おめでとう。あんたって頭も悪くて、ブスで、とろくて…本当になんの取り柄も無いのね。本当、私と真逆な存在よね。あんたと血が繋がっているなんて…最悪』まるで汚い物を見るように私を見る。私を馬鹿にしきっているあなたを見るのって楽しい。だって、もう私を馬鹿にすることなんて出来ないんだもの。頭が悪い?愛雨よりレベルが高い高校に入った。ブス?化粧でそういう顔にしているから。化粧をとれば結構美人だ。とろい?ストレス解消のため、夜な夜なケンカしていたけれど、負けたことなんて無い。まったく無いじゃない。本当のことなんて。
『くすっ』おもわず笑ってしまった。
『なんで笑うのよ。』
『愛雨が馬鹿すぎて。私が着ている制服が何処のか分からないの?五流高校の制服に見える?』
『バカなあんたに言われたくないわ。何?もしかして五流高校、落ちたの?くすくす。ねぇ、お父さん、お母さん優雨五流高校落ちたんだって』愛雨の甲高い声に呼ばれた両親は私の姿を見て唖然とした。
『この制服は…凛貴高校のもの…よ…』
『しかも…その胸元ついているバッジは…主席だということ…か』二人とも目を見開きながら言った。
『凛貴高校って…あの…』悔しそうに歯をかみしめながら言い恨めしそうに私を見た。あれだけ私を馬鹿にしてきたのだから私が愛雨よりもレベルの高い凛貴高校に入ったのだから、かなりの屈辱であろう。
『うん。そうだよ。じゃ、行ってくる。』そして、ニヤッと愛雨を見て嘲笑う。パタンとドアを閉めて凛貴高校へ目指して歩き出す。




