お城のような凛貴高校へ
今日は受験日。青空が広がっていて、とても良い天気ー。ではなく大雪だ。
『受験日に大雪って…最悪だ…』おもわず、呟いてしまうほどの天気である。
『クスクス…まるで、優雨の不合格を伝えているようね。ねぇ、お母さん、お父さん。』
『そうね。うふふ…』
『そうだな。あはは。まぁ、受かっても、落ちても、学費は出さんがな』
『愛雨のは?』出すよね。と続きそうである。
『出すに決まっているじゃないか』大きな手で愛雨の頭を撫でた。そして、いつもこっちを見て笑うんだ。いいでしょというように。
小さな頃はいいなって思ってじ~っと見ていた。すると愛雨は突然泣き出して『優雨が睨んでる~。』そう言い、父に抱きつき、私をみて涙なんて流してない顔で嘲笑うんだ。そして父さんに殴られる。その繰り返しだった。あぁ、懐かしいな。
『じゃ、行ってきま~す。』
『行ってらっしゃい。頑張ってね。愛雨。』
『行ってきます。』
『…』やはり返事がない。まぁ、いつも無いから、逆にあったらびっくりだけどね。ドアを押すと、音の無い真っ白い景色が広がった。私の足音さえ、聞こえない。まるで、ここは地球ではないみたい。
とうとう、凛貴高校に着いた。学校というより、お城のようにみえる。さすが、トップ校だなぁ…
おもわず笑ってしまうほど立派である。




