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英雄気取りのエコーちゃん!!  作者: 増岡時麿
第1部 ライジング
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エピローグ

 闘い終わったエコーが、倒れ込んだオージンに近づこうとする。これで一段落。後はビゾオウルや統治局と話を付ければいい。

 ギリギリまで近づく。何故かこれ以上前に進めない。



「詰めが甘いのも珠に傷だな」



 オージンが立ち上がる。すでにエコーから受けたダメージは回復していた。

 見えない壁が黒光りする。オージンが作り出したバリアが宮殿全体を覆っていた。

 エコーは慌ててバリアに力を加えて破ろうとする。



「やーいやーい! バーカバーカ! こっこまでおーいでー! フハッハハハハハハ!」



 具現化した仮面を被らず、片手で顔に掲げただけのオージンがエコーをからかう。

 気が済んだのか、仮面を砕いてフンと鼻を鳴らし、バリアに四苦八苦するエコーに言った。



「少しだけ待ってやる」



 オーラの残量がないエコーは手を止め、オージンの言葉に集中した。



「お前が自分を認められるくらいに強くなるまでな。そして、今度こそ、お前がワタシを倒しに来い」



 それを捨て台詞に、オージンは宮殿の奥へ姿を消した。

 ワールドツリーに直接繋がるビフレスト回廊の階段を降りながら、エコーは表情を暗くしている。

 自分に一体何ができたのだろうか。色んな人が協力してくれたのに、ダークサイドを止められなかった。

 自分を殺すと豪語していたオージンでさえ、最後の最後で躊躇い、強くなるまで待っていてくれると言った。

 結局、みんなに助けられているだけだった。



「まだまだ遠いなぁ」



 この調子だと憧れのヒーローになるまでどれくらいかかるのだろうか。弱音を吐いている暇は無い。もっと強くなってスーパーダークネスと再戦しなければならないのだから。

 階段の先に、人だかりが見える。ユキヒコとフィリップ、ジフやベベルにウェンボスたち、そして知らない集団。

 よく見てハッとする。ジェノサイドの時に仲間と助け出した人質たちだった。階段を降りきると、一人の子供、エコーが助けたあの男の子が駆け寄り、花束を手に笑った。



「おねえちゃん、ありがとう」



 花束を渡し、そこにいる全員がエコーへ拍手を贈る。

 胸に溢れる感情を抑えきれない。自分の力で誰か一人でも助けることができたんだ、と確信し、もっと頑張ろう強くなろうと決意を固める。

 零れそうな涙をこらえて口を結び、感謝の言葉に、エコーも笑って頷いた。

 

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