1
小説を書くのに慣れていませんので、まぁこんなもんだろ。程度に読んで頂けると助かります。
よくある話だ。ありふれた学校にどのクラスにも一人は居るだろう、隅っこの方に一人ポツンと座る男子生徒。モブと言われる存在だ。
そして『彼』もその一人である。
名前は山田 奏。目立つ容姿をしてるわけでもなく、飛び抜けた才もない。
いつも一人でクラスの隅っこの席でただひたすらに読書をしている。しかしそんなモブと言われる彼には秘密があった。
現代日本にはポーターと言われる所謂ダンジョンがある。10年程前にパッと世界各地に現れたのだ。
なんの違和感もなく、元からそこにあったかのようにぐるぐるとした異次元空間のような物がそこにあった。
触れただけで、洞窟のような、はたまた遺跡の中のような所に転移させられる。
中には魔物と呼ばれる存在が居た。虫や犬の形をしたなにか、龍の形をした魔物なんかも居るらしい。
当初は興味本意で触れた人々が消えて帰って来ないと世界中が大混乱に陥った。
世界各地の政府関係者達は、大慌てでポーターに触れる事を禁止し、特殊な訓練を行った者達が調査に向かった事で色々な事が発覚した。
魔物を倒す事により、手の甲にレベルが表示され、レベルに応じて肉体なども強化される。
手の甲のレベルに関しては、誰でも見れる訳ではなく、本人が許可を出すまでは見えないようになっていた。
そして、ポーターが現れると同時に、世界中の空にランキングが表示され始めた。
当初、意味や目的が分からず困惑したが、後日、発覚したのが、個人の能力や実力によってランキングが決まる仕組みだと言う事がわかった。
目的、そしてこんな世界にした理由に関しては、十年経った今でも、まだ解明されていない。
♦︎♦︎♦︎
地からまっすぐに伸びる舗装路。それを進むと、真ん中には大きな噴水、周辺には街路樹が並ぶ。
そして、更に進めば壮麗かつ豪壮な建物がそびえ立つ。
校庭では部活生の声が響き渡り、教室には続々と生徒が登校してくる。
山田が通う学校は普通の学校ではあるが違う点が一つだけある。
それは、ここでの授業は全てがポーターに関する事である。
魔物の特性を学び技術を高め合う。それがここ探索者育成学校である。
「かーずくん!おはよ。昨日もポーター?」
「おー、夢花おはよう。そうだなぁ、最近はD級ポーターばっかり行ってるかな」
「さすが2年の中でトップクラスと言われるだけあるよなぁ」
「はは。そんな事ないよ!みんなに抜かれないように鍛錬に励むよ」
クラスのヒエラルキーのトップに君臨するイケメン
瀬戸 和哉。成績優秀。運動神経抜群。そして顔までイケメン。そりゃ文句なしの一軍である。
二年生でD級ポーターに入れる人は片手程しかいない。
充分に実力がある言っていいだろう。
1年生の頃の授業のメインは学科だ。たまにある実践もE級ポーターの上層付近での軽い戦闘をするぐらいだ。
下層に潜れる人間は才に恵まれた、又はスキルに恵まれたかの二択である。
そして山田の場合は後者である。しかし、それを知るものはこの学校にはいない。
「おっとわりぃ!」
「……大丈夫」
登校して来た生徒が山田の机にぶつかり一言だけ交わして去って行く。
少しズレてしまった机の向きを直し、また読書を始める。
それが山田──僕の日常である。
誰とも会話をしないで一日を終えるなんて事は普通であり、むしろ会話をする方がレアだ。
勘違いしないでほしいのだが、ハブられているとかそういう訳ではない。
友達がいない訳でもなく、「えっと…山田くん?おはよー」と挨拶をしてくれる友達だって居る。
要するに、これはセルフぼっちである。
自らぼっちを求める高校生二年生。それが山田であり僕の生き方だ。
それに……
スマホがチカッチカッと光り、文字が浮かび上がる。
『B級ポーター内部にて救助申請。至急向かって下さい』
こういう事が偶に……というか毎日のようにある。
であれば自然とぼっちになるのは仕方ないのだろう。と僕は思う。
「……はぁ。めんどくさっ」
そう言うと、読んでいた本を閉じ、彼はその場からスっと姿を消した──
ここまで読んで頂きありがとうございます!
誤字脱字など御座いましたらコメント下さい。
「面白そう」「続きが気になる」と感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです