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なろうラジオ大賞2 • 3 • 4 • 5 • 6参加作品

カレンダーに付けられた印


カレンダーを見た。


カレンダーの明日の日付のところに印が付けられている。


印が付けられてる明日は待ちに待った日。


明日、市内の各小学校の小学生が参加して交通安全鼓笛隊パレードが行われる。


そして俺が低周波騒音を撒き散らす奴等に復讐する日だ。


1年程前から俺は低周波騒音と振動に悩まされている。


近所の人にも警察官にもかかりつけの医者にも誰にも彼にも、そんな音や振動は聴こえないし感じないと返事された。


誰にも信じて貰えないので低周波騒音の事をネットで調べ、市の環境課の職員や騒音問題に詳しい探偵事務所に調べてもらう。


その結果、家から1キロ程離れた所にある工場のボイラーから低周波騒音が出ている事が分かる。


だから工場に行って、ボイラーを鉄板かコンクリートで覆って防音壁を造って欲しいと工場の社長にお願いした。


でも社長には、「うちで働いている社員は300人程いるが、誰もそんな騒音を訴えいる者はいない。


アンタの戯言と聞いて高い金を出し、そんな壁なんて造れるか!


騒音を聞きたく無いのなら引っ越せばよかろうが」と言われる。


社長の周りにいた社員たちも俺に嘲りの目を向けて来る奴や、頭を指差しクルクルパーの動作をする奴等しかいなかった。


確かに低周波騒音を訴えてるのは俺だけだけだし、調べてくれた市の職員や探偵事務所の人以外は低周波騒音? それって何? って言う奴等ばかり。


でも工場ができる前から此の街の此処に住んでいる俺が何で引っ越さなくてはならないんだ? 俺は被害者なんだぞ。


だから一石三鳥を狙って復讐する事を決意した。


1つは鼓笛隊パレードに工場の社長の孫や、俺と社長の話し合いのときその場にいた工場の社員の子供が参加するから、そいつらを亡き者にしてやろうって考えて。


2つ目は、明日起こる惨劇の原因が低周波騒音だと分かれば、マスコミや低周波騒音の事を知らない奴等の関心を惹けるだろうと思っての事。


3つ目は、それで逮捕されるなり警官に射殺されるなりすれば、此の騒音とオサラバできるだろうからだ。


俺はカレンダーの印を握り拳で数度叩いてから明日実行する復讐の為に用意した道具、可燃物を満載したトラックや散弾銃に日本刀を隠してある倉庫に最後の手入れを行いに向かった。








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