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第21話 ここが変だよ日本料理

 皆様、ごきげんよう。


 以前、英国料理、中国料理を紹介してきたわけだが、よく考えてみたらもっとヤバい料理があることを忘れていた。

 そう、もちろん日本料理である。


 ヘルシーで繊細な味付け、見た目も鮮やかなものの多い日本料理がヤバい訳ないじゃんと思うかもしれないが、それは我々が日本人だからである。

 外国人から見れば、狂った料理だってあるのだ。


 有名なところだと、納豆や生たまごが挙げられる。

 独特な匂いであったり、鮮度管理の考え方の違いだろうと思われる。 文化の違いとは面白いものだ。

 こんな感じで、日本人なら当たり前なのに外国人が見たら驚いてしまう料理を紹介しよう。



【海藻 ★☆☆☆☆】


 日本人の腸内には『バクテロイデス・プレビウス』という珍しい腸内細菌が存在している。

 この細菌は、海藻に含まれる食物繊維を分解して栄養素を取り出すことができるのだ。


 逆にいえば、外国人の多くは海藻を食べても消化ができない。

 海藻は栄養価も高く、ミネラルや食物繊維を豊富に含んでいるので残念な限りである。



【蛸 ★★☆☆☆】


 タコを食べる国は、日本の他では韓国、イタリア、スペインくらいと言われている。

 理由は、『エイリアンみたいでグロテスクだから』ということらしい。 まあ、確かに変な感じではある。 火星人みたいだしね。

 『デビルフィッシュ』と呼ぶ国もあるとのこと。


 食べてみたら案外おいしかったとか、知らずに食べた『たこやき』にハマったという外国人も多いらしいので、ただの食わず嫌いな可能性もある。



【松茸 ★★★☆☆】


 キノコなので、低カロリー栄養素(ビタミンDやナイアシン、カリウムなど)がたっぷり含まれている食材としても知られている。

 『香り松茸、味しめじ』なんて言われるように、あの香りを最大限に活用するのが王道だ。


 松茸の香気成分は、マツタケオールという成分と桂皮酸メチルという成分が合わさり、あの独特な香りを生み出している。

 日本人にとっては食欲を唆る香りなのだが、欧米人には『革靴のにおい』だとして嫌われている。


 余談だが、永谷園の『松茸の味お吸いもの』は、1964年10月の東京オリンピックに向けて発売されたという。 日本に来る外国人のことを全く考えていなかった可能性が高い。



【踊り食い・活造り ★★★★☆】


 日本料理の特徴といえば、食材の鮮度に対する異常なこだわりがある。

 生魚や生たまごを食べられることは、当たり前のように思われがちだが、実に幸運なことなのだ。


 現在の江戸前寿司は、江戸時代に『華屋与兵衛』という人が酢飯とわさびを使った握り寿司を考案したことに始まっている。 ペリー来航時にも刺し身を振る舞ったらしいが、『こんなもの食えるか』と相当ご立腹だった記録が残っている。

 江戸時代から、鮮度に対して異常な執着心を持っていることが分かるエピソードだが、現代の技術はそれをはるかに凌駕している。

 その集大成が『踊り食い』や『活造り』である。


 もはや、究極の鮮度であることを証明するためだけの料理と言っても過言ではないのだが、これこそが日本人の職人魂ということだろう。

 だが、その想いは外国人には伝わらない。

 『常軌を逸した残酷さであり、ホラーのレベル』だからだそう。


 お腹に入れば一緒なのにね。



【ふぐ ★★★★★】


 『ふぐ汁の 我活きて居る 寝覚めかな』は、江戸時代の俳人『与謝蕪村』の俳句であるが、こんな時代から日本では『ふぐ』を食べる習慣があった。

 ふぐは世界中の海に生息しているのだが、いずれも猛毒を持っているため、食べられずに捨てられている。


 ふぐの毒といえば『テトロドトキシン』であり、そのLD50(50%が死ぬ量)は10μg/kgと、少量であっても非常に危険である。

 神経伝達を遮断する神経毒であり、治療法や解毒剤が存在していない(人工呼吸などの対処は可能)怖ろしい毒として、世界中で知られている。

 なお、毒物マニアの間ではLD50を比較する際に『テトロドトキシン』を使うことがあるほどメジャーな存在である。


 そんな怖ろしいふぐを好んで食べる日本人は、さぞクレイジーに映ることであろう。

 日本でふぐを食べることになった外国人の多くは遺書を書くと言われており、文字通り『死ぬ覚悟』で食べるのだそう。


 日本人のふぐに対する情熱は異常で、『無毒ふぐ』を作り出したり、『卵巣の塩漬け』も発明している。

 『卵巣の塩漬け』は、限界濃度の塩水に5年つけた後、糠漬けにして1年寝かせることで、なぜか毒が抜けるのだそう。

 科学的にも何故なのかよく分からないらしいのだが、多くの屍の上に存在している料理なのだと思われる。

 石川県の郷土料理らしいので、興味がある方は取り寄せてみることをオススメする。

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