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第16話 【恐怖】知らずに食べている化学物質

 皆様、ごきげんよう。


 私は学生時代に化学が好きで、退屈な教科の授業中は脳内で様々な化学反応を行うという、なんともツッコミしにくい妄想をしていたほどだ。 社会人となった今でも、Youtube で化学関連の動画を見るのが日課となっているのだが、ずっと気になっていたことがある。


 ということで、今回は……我々が知らずに食べている化学物質の中で、危険性があるとされているものを2つほど紹介したい。



【DHMO】


 まず最初に、この物質の特徴を簡単に紹介しておく。

 ・酸性雨の主成分である。

 ・温室効果を引き起こし、地球温暖化の原因の1つである。

 ・重篤なやけどの原因となり得る。

 ・多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。

 ・末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。

 ・大量に吸引すると死亡することがある。

 ・その危険性に反して、DHMOは頻繁に用いられている。


 さらに、その用途は以下のようなものである。

 ・工業用の溶媒、冷媒として用いられることがある。

 ・原子力発電所で用いられる。

 ・発泡スチロールの製造に用いられる。

 ・防火剤として用いられることがある。

 ・各種の残酷な動物実験に用いられることがある。

 ・防虫剤の散布に用いられることがある。洗浄した後も産物はDHMOによる汚染状態のままである。


 いかがだろうか、なかなか幅広く使われていることが分かる。

 特に工業分野で頻繁に使われるのだが、実は各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されていることが判明している。


 もちろん、コーラにも使用されている。 私のようなジャンクフード好きにとっては、大いに気になるところだ。



【ソディウム・クロライド】


 2つ目はソディウム・クロライドだ。 この物質は主に食品への添加物として使用されることが多いが、工業用途としても使用されることがある。

 廃棄物として処理する場合には、『多量の水で希釈し、PHが中性であるか確認して廃棄するか、都道府県知事の認可を受けた業者に依頼して委託処分すること』が義務付けられている。


 過剰摂取により死亡することが判明しており、マウスの場合では体重1kg あたり、3g とされている。 だが、日本人は1ヶ月で倍の量と、昔と比べて摂取量が増加していることもあり、健康被害が懸念されているのだ。


 その他の健康被害としては、『目への刺激性』や多量摂取による『悪心』『嘔吐』『腹痛』『高ナトリウム血症』を引き起こすことがある。 さらに、継続して過剰摂取することによって、『高血圧』『胃がん』『肝・腎疾患』などの原因になる場合もある。

 ならば摂取しなければよいと思うのだが、ジャンクフードやラーメン、コンビニ弁当などに多く含まれていることがあり、摂取量のコントロールが非常に難しいのだ。


 DHMOに引き続き、私が好きなものは危険な化学物質が多く含まれているので、悩ましい限りだ。


 ソディウム・クロライドは天然でも存在しているのだが、近代では科学的に合成されたものが多く使われている。 料理に使うと、味が良くなるとされているため、使用量が増えているのだが、依存性があることでも知られている。


 このソディウム・クロライドを『白米だけのおにぎりに添加したもの』と、『添加していないもの』を食べ比べる実験をしたところ、ほとんどの人が『添加した方』を選んだのだ。 気付かないうちに、我々はソディウム・クロライド漬けにされているのである。



 ――


 いかがだろうか。

 実に怖ろしい。

 こんな化学物質が規制されずに放置されているのだ。





 ……のだが、実は【DHMO】の正体は【水】、【ソディウム・クロライド】の正体は【塩】である。


 本当に申し訳ない!


 この話は化学ジョークとして割と有名なので、ご存知だった方、途中で気付かれた方もいるかもしれない。 だが、危険だと感じた方もいるのではないだろうか。


 重要なポイントとしては、嘘はついていないということだ。

 例えば名前にしても、【DHMO】は一酸化二水素(dihydrogen monoxide)からとったもの、【ソディウム・クロライド】は塩化ナトリウム(sodium chloride)の英語表記である。 その他の特徴にしても一切嘘はないのだが、結果ありきで抽出された特徴であり、否定的な印象を与えるように工夫されている。


 例えば、DHMOの特徴にある『大量に吸引すると死亡することがある』については溺死を意味しているのだが、わざわざ分かりにくくしており、飲食によって死に至ると誤認させることができる。 また、ソディウム・クロライドの説明では、『科学的に合成された』と書くことで、天然=安全、科学的=危険と感じている人へ響くようになっている。


 このような話は、テレビのワイドショーや、週刊誌などで見かけることがある。 危険とされる部分のみを強調したり、『危険性を指摘している専門家がいる』といった表現で煽っている場合は、注意が必要である。


 子供の頃、『テレビばかり見ていたら馬鹿になるよ』と親に言われていたのだが、本当にそんな時代になるとは夢にも思わなかった。

 やたらと危険を煽る記事を見た場合は、そのまま信用せず、必ず自分で調べることが重要だと思う。


 ということで、昨今の偏向報道っぷりに嫌気が差していたので、こんな話を書いてみたのであった。

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