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第11話 Let me bite you to death.

 皆様、ごきげんよう。


 私はこの2年ほど、『7days to die』というゲームをやっている。

 私の作品を読まれている方なら、私が限りなく優しい人間だということは理解していると思うのだが、ゲーム上であっても人を撃つことは非常に抵抗がある。

 ましてや APEX やフォートナイトのように、プレイヤーが動かしていたりすると絶対に無理だ。

 そんな優しい私でも躊躇なく殺しまくれる相手、それがゾンビという存在だ。


 ゾンビは良い。

 どうせ死んでるからね。

 むしろ、成仏させてやろうとトリガーを引くのだ。

 慈愛に満ちているとはこういうことを言うのだ。


 だが、『7days to die』では、タイトル通り7日毎に大量のゾンビによる襲撃が行われる。

 こうなってしまうと、どこに隠れても壁を壊してこっちに襲ってくるのだ。

 ヘリコプターで逃げようとしても無駄だ。

 カプコン製のヘリコプターでなくても、ゾンビハゲワシに落とされてしまうだろう。

 ならばどうするのか。

 迎撃拠点を構築して、皆殺しにするしかない。

 ヒャッハー!

 ダダダダダ!(マシンガンを撃つ音)



 さて、このゾンビによる恐ろしさは万国共通のものだと思う。

 ゾンビ映画、ゾンビゲームは数え切れないほど存在しているし、キョンシーとかいう亜種だって存在する。

 ファンタジーの概念以上に、見事に成立した概念と言えるのではないか。


 だが、ファンタジーとは異なる点が1つだけ存在する。


 それは、『ゾンビがこの世に実在している』ということだ。



 『またおかしなことを言い始めた』と思った、そこのあなた。

 このエッセイ、いつもおかしいからね。


 では解説していこう。

 ゾンビの起源は、カリブ海にあるハイチを中心とする民間信仰『ブードゥー教』にある。

 西アフリカの土着宗教がキリスト教と融合することで生まれた宗教らしいのだが、恐ろしい風習があるのだ。


 それは『罪を犯した者は毒による死罪』となる事だ。

 死刑自体は日本にも存在するし、決して珍しいことではないのだが、恐ろしいのはその先だ。

 毒は『ゾンビパウダー』と言われるもので、この毒で死んだ者の一部は30時間程度で息を吹き返すのだ。

 毒の効き方次第ではあるが、ちょうど効いた場合は仮死状態となるのだろう。


 だが、一旦は心肺停止となり埋葬されたことで、酸素欠乏症によって脳に大きなダメージを負うこととなる。

 生き返ったとしても、生前のように考えることができない。

 もし脳が比較的正常だった場合は麻薬を使って、廃人化させる。

 司祭はこの作業を黒魔術を使ったかのように見せることで、認知能力が著しく欠けた奴隷を手に入れることができる。

 こうして生き返った者は『ゾンビ』と呼ばれ、農作業用の奴隷として売られ、本当に死ぬまで酷使されるのだ。


 遺族にとっても深刻な問題だ。

 家族をゾンビにしたくないということで、墓場を監視し、息を吹き返したらその場でトドメを刺すようになった。

 そうなった結果、新たにゾンビとなる者の数は減ったが、過去にゾンビとなったものが逃げ出し、町で発見されるといった事件は度々起きている。



 ちなみに、ゾンビパウダーの成分は明らかにされていない。

 恐らくはフグ(テトロドトキシン)のような神経毒ではないかと考えられているが、ギリギリ仮死状態にするので、かなり絶妙な量による配合だと言われている。

 土着信仰の宗教なのに、高度な化学知識を用いているという点が実に興味深いではないか。

 黒魔術的な宗教と高度な化学の融合、これがゾンビなのだ。


 皆様も、カリブ海を旅するときは注意してもらいたい。

 周りにフラフラと歩き回っている者はいないだろうか。

 もしかしたら、彼はゾンビかもしれないよ。



 さて、深刻な雰囲気で今回の話は終わってしまうのだが、もちろんこのまま終わる私ではない。

 今回も実に狂気に溢れた話ではあったが、ゾンビに関する本当の狂気を次回紹介する予定だ。


 ※ タイトルは GLAY 『彼女はゾンビ』の歌詞から引用しています。とても素晴らしい楽曲です。

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