2話.アクロとクレア
2話目です
士郎が走り出して、10分くらい経った時だろうか。
さっき自分を突き飛ばした、あの少女が
〝人〟を殺していた。
「ッ…!?―」
その光景を見た士郎は絶句した。
「なんだ?!そこにいるのは!まさかこいつの
仲間?!!―さっきの野郎じゃねーか。」
少女は士郎を見た。
「…」
士郎は黙った。『人殺し』と出会った、そして自分の命運も尽きるのではないかと―
「さっき私がこいつを殺したからか?
全く…低脳はこれだから。私は、アクロ。
神聖ジュニカル帝王国、所属の騎士だ。」
少女―アクロがそう言った。
「低脳。お前はどこの誰だ。見ない格好をしているな。
まさか魔界からの従者か?なら殺すのみ!」
そう剣を振るうアクロ。
「ダッアァ!」
そう叫び、回避する士郎。
「足の速い、虫ケラが!」
士郎を仕留めようとしたアクロ。
その手が止まる。なぜなら―
「アっクロちゃーん!」
アクロの後ろから健気な声が聞こえる。
「チッ。邪魔が入った。クレア!
この虫を仕留めるから、後ろにいて。」
アクロはクレアに命令する
「アクロちゃーん。その子多分、地球から来た子。
だよね?そこにいる男。答えて。」
クレアは士郎の方は振り向き、そう言う。
「そうだ。地球から来た日本人
黒薙士郎だ。」
士郎は軽く自己紹介をする。
「うわーかっこよくない変な名前!アクロもさぁ
人を疑いすぎない方がいーよー。
もう何十年も前の話だから、地球での服装も
忘れちゃった?」
クレアが舌を出して、アクロに聞く。
「チッ。口の減らないガキが。
仕留めるのは今度にしてやる。クレアに礼を言えよ。」
士郎に向かってアクロが敵意剥き出しにそう言う。
「変な名前とはまぁ失礼な女子だなぁ。でも…
あいつらに比べたらましか。仕留めるのは今度って
死にたくないだが?」
士郎はクレアとアクロに向かってそう言う。
「で、問題はこいつをどうするかだな。」
アクロがそう切り出す。
「放置したら?」
クレアがそう言う。
「えっ。助けてくれよ。」
士郎は涙目で言う。
「男なのに、よわっちぃな。しょうがねぇ
クレアは放置と言ったが、私は優しい。だから
ジュニカル帝王国で、身分を預かる。
騎士団団長、クレアいいかな?」
「アクロは、お人好しだなぁ。そんな豪勢な
部屋は用意できないし、下手したら、帝王に
殺されるぞ。副団長と団長が、味方したところで
帝王は莫大な、力がある。うちらも死ぬぞ」
そうクレアがアクロに言う。
「いや、今の帝王はもう―」
アクロがそう暗い顔でクレアを見つめる
「まさか…」
「クレア、そのまさかだよ」
「アクロは天才だ」
その2人の会話はそれで終わった
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