26.モブのドキドキ初デート♡
アイラとヨハネスが二人で出かける日が訪れた。
出かける支度が終わったアイラは自室でヨハネスが来るのを待っていた。
(とうとうこの日がやって来てしまったわ…。ヨハネス様に恋をしたことに気づいてからヨハネス様の事を考えただけで胸がドキドキするというのに本人を目の前にしたら私どうなるんだろうか…。)
アイラは一人そんな事を考えていた。
(ヨハネス様と二人で出かけれる事は喜ぶべき事だけど…本当に私と二人で出かけても大丈夫なのかな…。いくら私がヨハネス様の友達であるお兄様の妹だからといって二人で出かけてるところを学園の誰かに見られでもしたらヨハネス様は困ると思うんだけど…。)
アイラは少し不安に思いつつそんな事を考えていた。
(あぁ…それにしてもプリラブMの攻略対象者に恋をしてしまうなんてね…。初恋が難攻不落だなんてさすがモブキャラなだけあるよね…。いくらローズさんがお兄様と仲睦まじいとはいえ攻略対象者は皆ローズさんに恋をするって決まってるというのに…。)
アイラは苦笑いを浮かべて考えていた。
(でも…せっかくヨハネス様と出かけるんだからヨハネス様との時間を大切にしなきゃね。)
アイラは頷きながら笑みを浮かべて考えていた。
そこへ…
コンコンッ!
「はい!」
アイラが返事をした。
「ジャンでございます。ヨハネス様がご到着されました。」
執事のジャンがアイラへヨハネスが来たことを伝えに来たのだった。
「わかったわ!すぐに向かうわね。」
アイラがジャンに言った。
そして…
アイラはヨハネスの待つ玄関先へと向かった。
「アイラ…おはよう!」
アイラが階段をおりていると玄関先にいたヨハネスがアイラにに気づき笑みを浮かべてアイラへ言った。
「あ…ヨハネス様…おはようございます。」
アイラはヨハネスへ言うと急ぎ足で階段をおりた。
(いざ…ヨハネス様を見るとやっぱり胸のドキドキが凄いわ…。)
アイラは階段をおりながら自分の心臓のドキドキを感じつつ考えていた。
「ヨハネス様…お待たせして申し訳ありません…。」
アイラがヨハネスの元までやってきて慌てて言った。
「少しも待ってないからそんなに慌てなくて大丈夫だよ。」
ヨハネスが優しい笑みを浮かべてアイラの頭を優しくポンッとしながら言った。
「あわわっ……。ヨ…ヨハネス様…。」
アイラはヨハネスに頭を触られ顔を赤らめて慌てて言った。
(イケメンのさりげない行動心臓に悪すぎ…前世でも今世でも恋愛初心者の私には耐久性なんてないんだから。)
アイラは混乱気味に考えていた。
(慌ててる顔を赤くして照れてるアイラ可愛いなぁ…。)
ヨハネスはアイラを見て微笑ましくそんな事を考えていた。
「ほら…ヨハネス。アイラが困ってるじゃないか!」
そんな二人を横で見ていたカイルが少し不機嫌そうにヨハネスへ言った。
(まったく…ヨハネスの奴…私に自分の気持ちを話したのをいいことにどさくさに紛れてアイラに触れやがって…。)
カイルはヨハネスを少しムッとした表情で見てそんな事を考えていた。
「ハハ…そうか…。ごめんねアイラ?」
ヨハネスはカイルに言われると微笑みながらアイラへ言った。
「い…いえ…。」
アイラは顔をまだ少し赤くしたまま言った。
(ヨハネス様への気持ちに気付いたからか困るというより余計にドキドキが…。)
アイラはあわあわしつつそんな事を考えていた。
「では…そろそろ行こうか?」
ヨハネスがにこりと微笑みアイラへ言った。
「あ…はい。」
アイラは頷きながら言った。
「では…ヨハネス、アイラを頼んだよ?」
カイルがヨハネスへ言った。
「あぁ。」
ヨハネスは笑顔で言った。
『くれぐれも…アイラにおかしなことするなよ?』
カイルはヨハネスの耳元に近づき小さな声でヨハネスへ耳打ちした。
『あぁ…。もちろんさ…。』
ヨハネスはにこりと微笑みなが小さな声で言った。
そんな二人をアイラは??という顔で見ていた。
「では…お兄様行ってきますね。」
アイラが微笑みながらカイルへ言った。
「あぁ。気をつけて…楽しんでおいで。体調など優れなくなったらすぐにヨハネスへ言うんだよ?」
カイルは優しくアイラの頭を撫でながら言った。
「はい。」
アイラは微笑みながら言った。
そして…
アイラとヨハネスが馬車へ乗り込むと馬車は出発したのだった………
※
「アイラ…その後の体調はどうだい?」
馬車の中でヨハネスがアイラへ尋ねた。
「はい…。お陰様でもうすっかり良くなりました。怪我も治りました。傷跡が残ってしまうかもしれないと少し心配していましたが傷跡も残らず治ったので良かったです。」
アイラはホッとした表情で言った。
「そうか…。それは良かった…。傷跡も残らなくて本当に良かったよ…。でも治ったとはいえ無理は禁物だからね。」
ヨハネスは心配する様に言った。
(本当にアイラが元気になって良かった…。火に包まれた小屋の中にいるアイラを見たときに本当にこれまで感じたことない恐怖にかられたな…。傷跡が残らなかったからよかったものの万が一傷跡が残ってしまっていたらすぐにでもジェシカ嬢の元にアイラと行き同じ目にあわせていただろからな…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「はい。」
アイラは頷きながら言った。
(ヨハネス様は本当に優しい方だわ。やっぱり攻略対象者になると非の打ち所がないのね…。)
アイラはそんな事を考えていた。
「今日はどこへ出かけるのですか?」
アイラがヨハネスへ尋ねた。
「あぁ…。今日は我が公爵家の領地にある街へ行こうと思ってね。」
ヨハネスが笑顔で言った。
「グラマー公爵家の領地ですか?」
アイラは驚いた表情で言った。
「そうだよ。カイルは何度か来たことはあるけどアイラは来たことないだろ?王都の街並みには怠るけれど我がグラマー公爵家の領地の街並みもなかなかだよ。」
ヨハネスが微笑みながら言った。
「はい。初めて行く場所なので楽しみです。」
アイラは微笑みながら言った。
「きっとアイラも気に入ってくれると思うよ。」
ヨハネスは微笑みながら言った。
「はい。」
アイラは笑顔で頷きながら言った。
(プリラブMのゲーム内でグラマー公爵家の領地なんて出てこなかったからどんなところか分からないけど楽しみだな…。)
アイラはそんな事を考えていた。
(アイラには今のうちから将来のために我が領地の街に馴染んでもらいたいから今日出かける場所をグラマー公爵家の領地にしたなんてアイラは思ってもないだろうな…。)
ヨハネスはニヤりとしながら考えていた。
その後…アイラの心臓のドキドキも落ち着き馬車内でアイラとヨハネスはほのぼのと会話を楽しんでいたのだった。
※
そして…アイラとヨハネスはグラマー公爵家領地の街へと到着した。
「さぁ…到着したよ…。馬車からおりて歩いて回ろう。」
ヨハネスが優しくアイラへ言った。
「はい。」
アイラは頷きながら言った。
そして二人は馬車から降りた。
「わぁぁぁ〜〜!!」
馬車から降りたアイラは目の前の街を見て目を輝かせて言った。
(王都の街ともうちの領地とも違う雰囲気だけど…何というか…この感じ…前世で住んでた街に雰囲気がよく似てる気がして凄く親近感が湧くというか…懐かしく感じるわ!)
アイラは街並みを見て前世を懐かしく思いつつ考えていた。
「ここが我がグラマー公爵家の領地の街だよ。どうかな?」
ヨハネスはにこりと微笑みながらアイラへ言った。
「とても素敵な街並みです。まだ…こうして街並みを見たばかりでが…とても安心すると言うか…落ち着く街並みだなと感じました。」
アイラは優しく微笑みながら言った。
「そう?そう言ってもらえると嬉しいよ。」
ヨハネスは嬉しそうに微笑みながら言った。
(アイラの表情を見る限り私に気を使っているなどではなく本当にこの街並みを見てそう思ってくれたのだろうな。好きな相手が我が家の領地の事を良く言ってくれるのがこんなに嬉しいとは思っても見なかったな…。)
ヨハネスはアイラの言葉を聞きそんな事を考えていた。
「早速…街を歩いてみるかい?」
ヨハネスがアイラへ言った。
「はい!」
アイラは笑顔で言った。
そして…二人は街を歩き始めた。
「王都の街並みには怠るかもしれないけれどグラマー公爵家の領地の街並みも悪くはないだろう?」
歩きながらヨハネスが言った。
「はい!とても素敵な街です。街を歩いてみると尚更素敵だと思いました。何だか…懐かしく思うような…初めて訪れたとは思えない程で…歩いているだけで楽しいです。」
アイラは何かを懐かしむ様な優しい笑顔で言った。
(本当に…不思議ね。この街を歩いてるだけで前世で住んでいた街に戻ってきた様な気持ちになるんだもんね…。)
アイラはそんな事を考えていた。
「そんな風に思ってくれるのであれば…今後もここへ来たいときは言ってくれたら私がいつでも連れてきてあげるさ。」
ヨハネスはアイラを愛おしそうに見つめながら言った。
(私と結婚すれば…好きなときに好きなだけ街へ連れて来てあげるのに…。一日でも早くアイラを私のものにしたくなることばかり言うから困ったものだな…。)
ヨハネスはフッと笑みを浮かべながら考えていた。
「本当ですか?ありがとうございます。あ…でも…。」
アイラは笑顔で言うも急に何かを思い出したかの様に不安気な表情になり言った。
「でも…どうしたの?」
ヨハネスは?という表情で言った。
「連れてきて頂けるのはとても嬉しいのですが…ヨハネス様の世間体を考えるとあまり私と出かける姿を見せてしまうのはよくない気がします…。」
アイラはよそよそしげに言った。
(私は…ドキドキはするけど…ヨハネス様と過ごす時間は嬉しいけどヨハネス様は将来公爵家の当主となるんだし…それに…ローズさんに恋をするのが決まってるんだから私が気軽にグラマー公爵家の領地に訪れるのは良くないよね…。)
アイラは切ない表情でそんな事を考えていた。
「そんな事をアイラが気にする必要なんてないさ…。私は世間体など気にしないさ。それに…アイラはカイルの妹なんだから心配しなくても大丈夫だよ。この街の人々はカイルの事を知っている者ばかりだからね。その妹のアイラなら誰も変な噂などたてたりしないからね。」
ヨハネスは優しく言った。
(アイラは相変わらず人の心配をして…。一先ずカイルの妹だからと言っておいたらアイラも安心するだろうし気にせずここへ足を運べるだろう…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
ズキッ……
(妹…か…。そうよね…。ヨハネス様は私がお兄様の妹だから良くしてくれてるよね…。そんな事わかってたじゃないの…。でも…改めて言葉にされると少し切ないな…。あぁ〜…ダメダメ!こんな事で落ち込む暇があるなら今のこの時間を楽しまないと!せっかくヨハネス様が連れてきてくれたんだから。)
アイラは胸がチクリと痛むのを感じながら考えるもすぐに気持ちを切り替え自分に言い聞かせる様に考えていた。
「……はい!そう言って頂けるなら安心しました…。」
アイラはどうにか笑みを作り言った。
「さぁ…余計な事は考えず入りたい店などがあれば入ってみるといいさ。」
ヨハネスは優しく言った。
「はい…。」
アイラは頷きながら言った。
そして…歩いてる途中にアイラがふと足を止めた。
「ここは…。」
アイラが足を止めて目の前の店を見て呟いた。
「あぁ…。ここは沢山の生地を取り扱っている店なんだ。」
ヨハネスがにこと微笑みながら言った。
「やはり…。一目見て分かりました!」
アイラは目を輝かせて言った。
「入ってみようか?」
ヨハネスが言った。
「はい!」
アイラは嬉しそうに言った。
そして二人は店の中へと入った。
「いらっしゃいませ!」
アイラとヨハネスが店へ入ると店主が言った。
「あら…ヨハネス様ではありませんか!」
店主が驚いた表情で言った。
「あぁ…。お邪魔するよ。今日は私の連れの者も一緒なんだ。ガルバドール侯爵家のご令嬢なんだ。」
ヨハネスが店主へ言った。
「そうなのですね。」
店主が言った。
「アイラ、彼女はここの店主のジュンナだ。」
ヨハネスがジュンナを手差して言った。
「初めまして…。ガルバドール侯爵家のアイラ・ガルバドールと申します。」
アイラがジュンナへ挨拶をした。
「ご丁寧に…。私はここの店主をしていますジュンナと申します。」
ジュンナもアイラへ挨拶をした。
「あの…もしかして…ご令嬢は今王都で話題になっている委託販売をされているあの…ガルバドール侯爵家のご令嬢ですか?」
ジュンナが目を輝かせてアイラへ言った。
「え?は…はい。王都にあるお店で委託販売をさせて頂いてます。ですが…どうして…ジュンナ様がご存知なのですか?」
アイラは??という表情でジュンナへ言った。
「それは…この辺りの方達も王都まで出てご令嬢の作られた商品を買いに行ってるからですよ。ご令嬢が作る商品は人気でなかなか手に入らないと嘆いてる方も多くいる程ですから。」
ジュンナは少し興奮気味に言った。
「え?そうなのですか?まさか…こちらの町の方々まで商品買ってくださってとは知りませんでした…。王都まで出てきて手に取ってもらえてるなんて…。沢山の方に気に入って貰えてるなんてこんなに嬉しい事はありません。」
アイラは驚きながらも嬉しそうに微笑みながら言った。
(こんなに沢山の人に自分の作った物が手にとってもらえるなんて嬉しすぎるなぁ。この世界でハンドメイドが出来て本当に良かったって改めて思えるわ。)
アイラはそんな事を考えていた。
「私達の方こそあんなに素敵な商品を作ってもらって販売して貰えて嬉しい限りです。これからもご令嬢の作る商品を楽しみにしています。」
ジュンナは笑顔で言った。
「はい!ありがとうございます!」
アイラは笑顔で言った。
(本当に…アイラはどこへ行っても周りから愛されるんだな…。)
ヨハネスはアイラとジュンナのやり取りを見てそんな事を考えていた。
その後アイラはジュンナの店で一通り生地を見て気に入った物を購入した。
「今日はお買い上げありがとうございました。またいつでもいらして下さいね。」
ジュンナが笑顔でアイラへ言った。
「はい!また伺わせて頂きますね。」
アイラは微笑みながらジュンナへ言った。
「それでは…失礼するよ。」
「では…また。」
ヨハネスとアイラがジュンナへ言った。
「はい。」
ジュンナが言った。
そして…アイラとヨハネスはジュンナの店をあとにした。
(とても物腰柔らかい優しいご令嬢だったわね。とても素敵なご令嬢だったわ。あんな方がヨハネス様に嫁いできてくれたらいいわね…。でも…ヨハネス様が女性と二人で出かけるなんてニーナ様以外では初めて見たから案外あのご令嬢が将来の公爵夫人になるってこともありえるかもしれないわね!)
ジュンナはアイラとヨハネスが店を出て行ったあと一人そんな事を考えていたのだった…
ジュンナの店を後にしたアイラとヨハネスはとあるカフェへ訪れた。
二人はカフェの奥にあるテラス席へと案内された。
「とても素敵なお店ですね。ここはカフェですよね?」
アイラはテラス席に座ると周りを見渡しながら言った。
「あぁ。この街で一番女性に人気のカフェなんだよ。今日はこのテラス席を貸し切ったからゆっくりできるよ。」
ヨハネスはにこりと微笑みながら言った。
「え?!か…貸し切りですか?!」
アイラはヨハネスの言葉に驚き言った。
「あぁ…そうだよ。どうせならゆっくりと美味しいものを食べてほしいからね。」
ヨハネスは微笑みながら言った。
「ですが…貸し切ってしまうと他の方がここでお茶をしたくても出来ないと残念がるのではありませんか?」
アイラは心配そうな表情で言った。
「ハハ…アイラは本当に人の事ばかり心配するんだね。だけど…大丈夫だよ。貸し切ったが…正確に言えば今日はここは店休日だから元々他の客は来ないんだよ。店休日なのに店を開けてもらったという意味の貸し切りだからね。」
ヨハネスは笑みを溢しながらアイラへ説明した。
(正確には…今日を臨時の店休日にしてもらったんだがな…。店休日という名目なら人の心配をするアイラも納得するだろうと思ったし…ここは我が家の領地だから私とアイラが共に過ごしても学園の様に変な噂が流れる事もないが…他の者がいてはせっかくの私とアイラの時間が台無しになるからな…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「あ…そういう意味の貸し切りですか…。ですが…店休日なのにわざわざ店員の方が…。」
アイラはホッとした表情で言った。
「ここの店主は店休日でも店に来て新しい商品の試作などを作っているんだよ。だから…心配しなくても店主は普段から店にはきているんだよ。」
ヨハネスがアイラを安心させる様に言った。
(普段から熱心に商品の試作をする店主で良かった…。)
ヨハネスは考えていた。
「そうなのですね…。とても熱心な店主さんなのですね。」
アイラは感心した表情で言った。
そこへ…
「本日は…御来店頂きありがとうございます。」
店主がやってきてアイラとヨハネスへ挨拶をした。
「こちら…当店自慢のパンケーキセットでございます…。」
店主がそう言うと机の上にパンケーキと紅茶を並べた。
「うわぁ〜〜!!」
アイラは目の前に置かれたパンケーキを見て目を輝かせて言った。
(なんて…美味しそうなパンケーキなの…。私は前世ではハンドメイドの合間を見つけては色々なパンケーキ屋をはしごする程…大のパンケーキ好きなのに…。今世ではあまりパンケーキを食べる機会がなかったからな…。プリラブMの世界にはパンケーキ屋は少ないから残念に思ってたところに…。)
アイラはパンケーキを見つめながら考えていた。
「アイラはパンケーキが好きなの?」
ヨハネスはアイラを見てにこにこと微笑みながら言った。
「はい!実は…私パンケーキが一番好きな食べ物なのです!」
アイラは嬉しそうに微笑みながら言った。
(知ってるさ…。ニーナがアイラはパンケーキが一番好きだと教えてくれたからこの店へ連れてきたのだからな…。あんなに…目を輝かせて喜んで…何て可愛いんだ…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「そうなんだね。では…ここへ連れてきて正解だったね。ここのパンケーキは街でもとても美味しいと有名だからね。」
ヨハネスは微笑みながら言った。
「そうなのですね。」
アイラは嬉しそうに言った。
「さぁ…温かいうちに食べるといいよ。」
ヨハネスが言った。
「はい。いただきます…。」
アイラはそう言うとパンケーキを一口食べた。
(うわぁぁ〜何…このふわふわ感…。ふわふわなのに口の中で溶けて…生クリームの甘さが口の中に残って…最高に美味しい…。)
アイラはパンケーキを一口食べて目を輝かせて考えていた。
「どうだい?」
ヨハネスはそんなアイラを愛おしそうに見つめて言った。
(アイラ…可愛い…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「はい!とても…美味しいです…。美味しさに感動してます…。」
アイラは目を輝かせて本当に美味しそうな表情で言った。
「それは…良かった。」
ヨハネスは微笑みながら言った。
「喜んでいただけて良かったです。」
店主が微笑みながら言った。
「これは人気があるのも納得ですね!こんなに美味しい物を作るのに沢山試行錯誤されたのでしょうね…。こんなに美味しい物が完成するまでに努力されたと思うと余計に美味しさが増します。こんなに美味しい物を食べることができて幸せです。」
アイラは優しく微笑みながら店主へ言った。
(何に対してもだけど努力を惜しまず行動ということは簡単ではいなからな…。私もハンドメイドを何年もしてきたからわかるけどいい物を作るには何度も苦悩して壁にぶち当たる事が沢山あるから…。だからこそこんな風に努力が実った結果は素敵なんだよね…。)
アイラはそんな事を考えていた。
「い…いえ…。そんな…。ありがとうございます。その様に嬉しいお言葉をかけて頂けるなんて…。」
店主はアイラの言葉に顔を赤らめ照れながら言った。
「これからも美味しいものを作り続けて下さいね!」
アイラが笑顔で言った。
「はい。ありがとうございます。では…ごゆっくりお過ごし下さい…。」
店主は嬉しそうに微笑みながら言った。
「はい!ありがとうございます。」
アイラはペコリと頭を下げて言った。
そして店主は中へと入っていった。
アイラは再びパンケーキを食べ始めた。
(……アイラは素直に思った事を店主に言ったのだろうが…他の男にあんなに目を輝かせて嬉しそうに話すのを見るといい気はしないな…。)
ヨハネスは少し不機嫌そうにそんな事を考えていた。
「ヨハネス様…?どうかされましたか?」
ヨハネスが考えているとアイラがヨハネスの表情を見て心配気な表情で尋ねた。
「ん?」
ヨハネスは??という表情を浮かべて言った。
「あ…いえ…何だか険しい表情をされていたので大丈夫なのかなと思いまして…。」
アイラは戸惑いつつ言った。
「…大丈夫…何でもないよ。」
ヨハネスはにこりと微笑み言った。
(嫌な気持ちが顔に出ていたか…。私としたことが…。いつも気持ちを表情には出さない様にしているのにアイラを前にするとどうも表情を顔に出してしまいがちになるな…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「そうですか?それならばいいのですが…。それよりヨハネス様もパンケーキを食べてみて下さい!本当に美味しいですよ。」
アイラはホッとした表情で言うとすぐに笑みを浮かべて言った。
「あぁ。」
ヨハネスは頷きながら言った。
そして二人がパンケーキを食べているとヨハネスがアイラの購入したものを見て口の開いた。
「そういえば…先程の店でえらく多めに生地を購入したようだったがまた新たに何か作るつもりなのかい?」
ヨハネスが言った。
「あ……実は…ローズさんがお兄様と婚約した際に婚約パーティー時に着るドレスを作って差し上げたいと思ってまして…。お二人の婚約は正式に決まった訳ではないのですが…ジュンナさんのお店に置いてある生地が私がローズさんに作りたいと思ってるドレスにぴったりなものばかりだったのでつい…買い込んでしまったのです…。私が作ってもいいかすらも本人には聞いていないというのに…。」
アイラは苦笑いを浮かべてヨハネス説明した。
(前世でプリラブMをプレイしている時からヒロイン・ローズを見てヒロインに似合うドレスを作りたい衝動にかられてたとは言えないもんね…。)
アイラはそんな事を考えていた。
「カイルとの婚約パーティーで着るローズ嬢にドレスか…。」
ヨハネスが呟いた。
(あ…そうだ…。ヨハネス様はローズさんに恋をする攻略対象者の一人だからこんな話されたら気分が悪くなるよね…。)
アイラはハッとなりそんな事を考えていた。
「その…私の勝手な願望ですのでこの話は流してください…。」
アイラは慌てて言った。
「ローズ嬢もきっとアイラが作ってくれると言ったら喜ぶのではないかな?アイラが作るものはどれも素晴らしいからね。」
ヨハネスはにこりと微笑みながら言った。
「ですが…ヨハネス様はローズさんとお兄様が…その本当に婚約されてもいいのですか?」
アイラが戸惑いつつ言った。
「どうしてそんな事を私に聞くんだ?」
ヨハネスは?という表情で言った。
「え…?どうしてって…ヨハネス様はローズさんの事を…。」
アイラはゴニョゴニョと言った。
(もしかして…アイラは私がローズ嬢に気があると思っているのか?そういえば前にもこの様な事を言ってた様な気がするな…。だからこんな話を持ち出すのか?一体どうしたらそういう発想になるのやら…。)
ヨハネスがそんな事を考えていた。
「私は…心から友達であるカイルとカイルの想い人のローズ嬢が幸せになれるといいと思っているよ?だから…アイラがローズ嬢にドレスを作ってあげたいという意見には賛成だよ。」
ヨハネスは笑顔でアイラへ言った。
「そう…なのですか?」
アイラは少し驚きつつ言った。
(これからヨハネス様はローズさんに恋するということかな?ヨハネス様の表情を見る限り本当に今はローズさんの事を何とも思ってないようだけど…。って私は何ホッとしてるのよ。)
アイラはヨハネスの言葉を聞きどこかホッとしつつ考えていた。
(たとえ…ヨハネス様がローズさんに恋してないとはいえ…どのみちヨハネス様は私をお兄様の妹としてみていることに変わりはないんだから…。)
アイラは胸にチクリと痛みを感じつつ考えていた。
「あぁ。だからおかしな発想をしなくていいよ。」
ヨハネスは微笑みながら言った。
(これは…アイラにはもっと私の気持ちを分からせないといけないな。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「はい…。」
アイラは頷きながら言った。
「あぁ…そうだ。今度はぜひ我が邸に遊びに来るといいよ。」
ヨハネスが笑顔で言った。
「え?!グラマー公爵邸にですか?!」
アイラは思わず驚き言った。
「あぁ。ニーナも喜ぶしね。」
ヨハネスはにこりと微笑み言った。
(ついでに両親にも紹介するつもりだけどね。すでに両親にはアイラの存在は伝えてあるし両親もきっとアイラを気に入るからね…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「え…あ…では…伺わせて頂きます…。」
アイラは少し戸惑いつつ照れながら言った。
(グラマー公爵邸にお邪魔するなんて…。どうしよう…今から緊張するわ…。)
アイラは動揺しつつ考えていた。
「うん!是非!」
ヨハネスは嬉しそうに言った。
それからも二人は何気ない話をして会話を楽しんでいた。
そうして時間はあっという間に過ぎていった。
「え…?もうこんな時間…。」
アイラがふと時計を見て驚き言った。
「本当だね…。時間が過ぎるのはあっという間だね。」
ヨハネスは残念そうに言った。
「はい…。楽しい時間はあっという間にすぎてしまいますね…。」
アイラは残念そうに言った。
(ヨハネス様との時間があっという間に過ぎてあっという間にお別れの時間ね…。残念だな…。)
アイラはそんな事を考えていた。
「ここを出たらもう一軒寄りたい店があるから今日の締めくくりにもう少し付き合ってもらってもいいかい?」
ヨハネスがしょぼんとするアイラを見て言った。
「え?あ…はい。それは構いません。」
アイラは頷きながら言った。
「よかった…。では…あまり遅くなるとカイルや侯爵たちも心配するからここを出て次の店へ向かおうか。」
ヨハネスが言った。
「はい。分かりました。」
アイラは頷きながら言った。
(もう少し…ヨハネス様と一緒に過ごせるのね…。)
アイラは嬉しそうに考えていた。
そして…二人は店主へお礼を言いカフェを後にした。
アイラはヨハネスに連れらて次の店へ向かうと店内へと入った。
そこは宝石店だった。
「いらっしゃいませ…。あ…これはこれは…ヨハネス様。お待ちしておりました。」
店内に入ると店主が言った。
「あぁ。伝えておいた物は用意してくれたか?」
ヨハネスが店主へ言った。
「はい。ご伝言通り用意させて頂いております。」
店主が言った。
「そうか…。では…見せてくれ。」
ヨハネスが言った。
「はい。」
店主はそう言うと店の奥へと入っていった。
「あの…ヨハネス様ここは…?」
アイラがキョロキョロしながらヨハネスへ尋ねた。
「ここは…我が公爵家が贔屓にしている店でね。今日はアイラへ送るプレゼントを注文していたんだよ。」
ヨハネスはにこりと微笑みながら言った。
「え?!わ…私にプレゼントですか?!」
アイラは驚き言った。
「ハハ…そんなに驚かなくても。」
ヨハネスは笑いながら言った。
(想像通りの反応だな。)
ヨハネスはくすくす笑いながら言った。
「そんな…今日はヨハネス様に助けて頂いたお礼で出かけているのに私がプレゼントをもらってどうするのですか?!」
アイラは慌てて言った。
「今日プレゼントするのは日頃からニーナもお世話になってる事も含めての私からの感謝の気持ちだよ。」
ヨハネスは微笑みながら言った。
「そんな…。」
アイラは戸惑いながら言った。
「ヨハネス様…お待たせ致しました。ご注文頂いたお品になります。」
そこへ店主が戻ってきてヨハネスへ言うと商品を差し出した。
「あぁ。」
ヨハネスは言うと商品を手に取った。
「うん…。注文通りに完成してるな。」
ヨハネスは商品を見て満足そうに頷きながら言った。
「ありがとうございます。」
店主がヨハネスへ言った。
「アイラ…こちらへ…。」
ヨハネスがアイラを呼んだ。
アイラはヨハネスに言われて急いでヨハネスの元へと駆け寄った。
「アイラ…後ろを向いてごらん。」
ヨハネスが優しくアイラへ言った。
「はい…。」
アイラは??という表情を浮かべて言うと言われた通りに後ろを向いた。
「少し…失礼するよ…。」
ヨハネスはそう言うとアイラへ近づき手をアイラの前首へと近づけた。
「え…?ヨ…ヨハネス様?!」
アイラは急に後ろから手を回され驚き戸惑い言った。
「はい…。もうこちらを向いてもいいよ。」
ヨハネスがアイラへ言った。
「ヨハネス様…一体……。え…?」
アイラは何が何だか分からず戸惑い前を向き言うと何かに気づき声を漏らした。
「これは…。」
そしてアイラは自分の首元を触り言った。
「私からのプレゼントだよ。」
ヨハネスはにこりと微笑みながら言った。
「これは…ネックレスですか…?」
アイラは首元にかけられたネックレスを見て言った。
「そうだよ。アイラはいつも首元に何もつけていないだろう?貴族の令嬢ならば大体皆ネックレスは着けているのに…。」
ヨハネスがアイラへ言った。
「あ…そうですね…。」
アイラが言った。
(前世ではハンドメイドをしていたのにピアスやブレスレットは着けてもネックレスはあまり着けてなかったからかこの今世に転生しても令嬢だからといって必ずしも着ける事はないよね…って思ってたから特に気にもしていなったのに…。ヨハネス様は気にしてくれてたんだ…。なんだか…凄く嬉しく思ってしまう…。)
アイラは胸が温かくなるのを感じつつ考えていた。
「アイラをイメージして作ってもらっただけあってとても似合っているよ…。」
ヨハネスは愛おしそうな表情でアイラへ言った。
「そうですか…?でも…この様に高価な物を軽々頂くのは…。」
アイラは戸惑いつつ言った。
「私からのプレゼントだと嬉しくないかい?」
ヨハネスは悲しそうな表情で言った。
「い…いえ…そんな…。と…とても嬉しいです…。本当にとても…。」
アイラは慌てて言うとネックレスを手で触りとても愛おしそうな嬉しそうな表情で言った。
「そうか…。ならば素直に受け取り肌見放さず着けてくれるかい?」
ヨハネスはにこりと微笑みながら言った。
「え…?あ……はい……。分かりました。」
アイラは戸惑いながらも少し頬を赤らめて嬉しそうに微笑み小さく頷きながら言った。
「よし!」
ヨハネスはにこにこと微笑みながら言った。
「ヨハネス様…こんなに素敵な物を…ありがとうございます。とても綺麗です…。」
アイラは照れながらも優しく微笑みながら言った。
(たまたまだろうけど…このネックレスについてる宝石の色がヨハネス様の瞳の色…薄いパープルと同じで何だか嬉しいな…。)
アイラは微笑みながらそんな事を考えていた。
「気に入ってくれて何よりだよ…。」
ヨハネスはにこりと微笑み言った。
(アイラはきっと…他の令嬢達が話している恋愛やジンクスの話などに疎いから気づいてないと思うが…貴族の男性が…自分の瞳の色の宝石がついた装飾品を送るの一生を共にすると決めた相手だけなんだよ…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「はい。大切にします。」
アイラは優しく微笑みながら言った。
「あぁ。さぁ…そろそろ馬車に戻り侯爵邸へ向かおう。」
ヨハネスが満足そうに微笑み言った。
「はい。」
アイラが頷きながら言った。
そして…二人は馬車へ向かい馬車へ乗り込むとガルバドール侯爵邸へと向かった。
「ヨハネス様…本当に今日は素敵な時間をありがとうございました。私がお礼をしなければならないのに逆に私が楽しませてもらってしまって…。」
アイラは微笑みながらも申し訳なさそうにヨハネスへ言った。
「何言ってるんだい?私もとても楽しい時間を過ごすことができたよ。アイラと一緒にいると落ち着くし安心して有意義な時間が過ごせるからね。」
ヨハネスは優しく微笑みながら言った。
(…本当にヨハネス様はサラッとドキドキする様な事を言うんだから…。)
アイラはドキドキしながらそんな事を考えていた。
「そう言ってもらえると…良かったです…。」
アイラはドキドキを隠す様に言った。
「良かったら…また…こんな風にアイラと出かけたいと思ってるんだけどどうかな?」
ヨハネスはそっとアイラの横に座りアイラの手を優しく触りながら言った。
ドキッ…
ドキッ…
「ヨ…ヨハネス様…その…手…手が…。」
アイラは自分の状況に混乱しながら言った。
(いや…本当に私恋愛の免疫まったくないから…こんな事されたら心臓が飛びでる…ヨハネス様はニーナの手を握る感覚なんだろうけど…私は…好きな相手の手に触れてるんだから…訳が違うのよ…。)
アイラは混乱気味に考えていた。
「あ…ごめんごめん…。ついね…。それで…今後も私と出かけてるくれるかい?」
ヨハネスは笑いながら言うと手をそっと離して言った。
「えっと…それは…その…。」
アイラは混乱を隠せずしどろもどろになり言った。
「だめかい?」
ヨハネスは更にアイラの近くにより言った。
(近い…近づきる…これ以上は本当に心臓壊れるから無理…。)
アイラは近寄るヨハネスに混乱して考えていた。
「わ…分かりました。分かりましたから…その近すぎます…。心臓が飛び出そうなので少し離れてもらってもいいでしょうか…。」
アイラはこれ以上無理という表情でヨハネスへ言った。
「ハハハ…ありがとう。約束だよ?」
ヨハネスは笑いながら言った。
(少し強引なやり方だったけど…こうでもしないとアイラは色々考えて気を使って二人では出かけてくれないだろうからね…。それにしても…こんなに真っ赤になって心臓が飛び出るって…。本当に可愛すぎて今すぐにでも抱きしめてあの唇にキスをしたいところだ…。)
ヨハネスはそんな事を考えていた。
「わ…分かりました。」
アイラは顔に熱を感じつつ言った。
(何だか…前よりもヨハネス様との距離が近い様に感じるな…。いくらお兄様の妹だからって近すぎたらどんな顔して会えばいいか分からなくなる…。私の初恋って本当にどうなるんだろう…。)
アイラは心臓をバクバクさせながら考えていた。
そうこうしているうちに馬車がガルバドール侯爵邸へ到着した。
馬車が到着するとそこにはスミスとマリとカイルがアイラの帰りを待っていた。
アイラとヨハネスが馬車からおりた。
「お父様…たち…どうされたのですか?」
馬車からおりたアイラは家族揃って帰りを待っていたことに驚き言った。
「そろそろアイラが帰ってくる頃だろうと思ってな。ちょうど私とマリも先程帰ってきたところでアイラをここで待ってようとなってな。」
スミスが優しく言った。
「そうだったのですね。ただいま帰りました。」
アイラは微笑みながら言った。
「おかえり。」
「アイラ…おかえりなさい。」
スミスとマリが微笑みながら言った。
「アイラ…お帰り。何事もなかったか?」
カイルが心配そうにアイラへ言った。
「??はい。お兄様…。ヨハネス様のお陰で楽しい時間を過ごすことができました。」
アイラは一瞬?という表情を浮かべるも微笑みながら言った。
「そうか…。それは良かったね。」
カイルは優しくアイラへ言うとちらりとヨハネスを見た。
そんなカイルの視線に気付いたヨハネスはにこりと微笑んだ。
「ヨハネス様…娘をお送り頂きありがとうございました。」
スミスがヨハネスへ言った。
「いえ…とんでもありませんよ。」
ヨハネスが微笑みながら言った。
「ヨハネス様…今日は本当にありがとうございました。お気をつけてお帰り下さい。」
アイラは微笑みながら礼をしながらヨハネスへ言った。
その時…アイラが礼をした拍子にの首元のネックレスがキラっとなった。
ネックレスを目にしたスミス、マリ、カイルは驚きの表情を浮かべていた。
そして…三人はヨハネスの方を見た。
ヨハネスは三人を見てにこりと微笑んだ。
まるで…自分の気持ちをスミス達に伝える様に微笑んだ。
「アイラ…私の方こそ楽しい時間をありがとう。」
ヨハネスは優しくアイラへ言った。
「では…また…。」
ヨハネスが言った。
「はい。」
アイラが頷きながら言った。
そして…ヨハネスは馬車へ乗り込み自分の邸へと帰っていった。
(あの三人の驚いた顔…。これで侯爵達や夫人も私のアイラに対する思いを感じてくれたことだろう。次に侯爵達と会うときはアイラとの結婚を承諾してもらわないとな…。)
ヨハネスは馬車の中で一人にやりとしながら考えていた。
ヨハネスが乗る馬車を見届けたアイラ達は邸の中へと入った。
「アイラ…そのネックレスは…。」
カイルが眉を細めてアイラへ言った。
「あ…これはヨハネス様がプレゼントして下さったのです。」
アイラは少し照れながら言った。
「なぜ…ヨハネスが?ヨハネスは何か言っていたかい?」
カイルは真剣な表情で言った。
「えっ…と…私が普段ネックレスを着けないのでそれが気になりプレゼントしたと言われましたが…。」
アイラは??と表情でカイルへ説明した。
「他には何か言ってなかったかい?」
カイルが言った。
「いえ…。何か気になることでもあるのですか?もしかして…あまり似合ってないでしょうか…?」
アイラはしょぼんとしつつ言った。
「い…いや…。そんな事ないよ。とてもよく似合っているよ。ヨハネスはセンスがいいな!ねぇ?父上…母上。」
カイルは慌てて笑顔で言うとスミスとマリにも話を振った。
「え?あぁ。そうだね。とてもよく似合っているよ。」
「えぇ。アイラにとてもよく似合っているわ。」
スミスとマリも慌てて笑顔で言った。
「そうですか…。それならば良かったです。」
アイラはホッとした表情で言った。
(せっかくヨハネス様がプレゼントしてくれたんだから似合ってかったらショックだもんね…。)
アイラはネックレスを触りながらそんな事を考えていた。
そして…そんなアイラをよそにスミス、マリ、カイルは三人で気まずい表情で目を合わせたのだった。
そんな三人の様子に気づいていないアイラは自室に戻った。
「カイル…あのネックレスはつまり…そういう事なのだな?」
スミスは真剣な表情でカイルへ言った。
「…えぇ。そういう事でしょうね…。」
カイルは呆れ気味に言った。
「まさか…ヨハネスがこんなあからさまな行動を取ってくるとは思いませんでした…。」
カイルは頭を抱えながら言った。
(いくら友達だからといって…この様な行動を取られたら私も黙ってはいないぞ…。いくら何でも急すぎるぞ…。何も知らない純粋なアイラへどさくさに紛れて自分の瞳と同じ色の宝石を送るとは…。)
カイルはため息混じりに考えていた。
「カイル…あなたはヨハネス様のお気持ちを知っていたの?」
マリがカイルへ尋ねた。
「はい…。少し前に本人に尋ねたらあっさりアイラへの気持ちを白状しました…。」
カイルは呆れた表情で言った。
「これで…これまでのヨハネス様のアイラに対する行動が納得いくな…。」
スミスが言った。
「そうですね…。」
マリが言った。
「近々…父上と母上にも話をしにくることでしょう。」
カイルが二人へ言った。
「そうだろうな…。しかし…宝石を贈られた当の本人のアイラがまさかヨハネス様が宝石を贈った意味を知らないとはな…。」
スミスは少し困り顔で言った。
「はぁ…。アイラは恐らくヨハネスの気持ちに気づいていない様ですからこれからどうなることやら…。ジェシカ嬢の件もまだ解決していないというのに…。」
カイルがため息をつきつつ言った。
「とにかく…何であろうと我々はアイラが幸せになる事を願っている事に変わりはないからヨハネス様が話をしに来られてもその件についてはしっかりと話を聞こうではないか。」
スミスが言った。
「そうね…。」
マリが頷きながら言った。
「そうですね。一先ずは宝石の意味についてはアイラ本人が知るまでは言わないでおきましょう。」
カイルが言った。
スミスとマリが頷いたのだった。
三人がそんな話をしているとも知らないアイラは自室のベットに座りネックレスを外し眺めていた。
「今日はどうなる事かと思ったけど…ヨハネス様と楽しい時間を過ごせて良かったわ。ヨハネス様に恋をしていると気づいたせいかいつもヨハネス様と接するよりもより楽しかった気がするな…。」
アイラはネックレスを見つめながら呟いた。
「それに…こんな綺麗なプレゼントまでもらって…。凄く大切にされていると勘違いしそうになる程だったな…。」
アイラは呟いた。
「この先…私がヨハネス様に気持ちを伝える事は出来ないだろうけど…プリラブMの内容通りヨハネス様がローズさんに恋するまでは少しでもヨハネス様と接する機会があるといいな…。」
アイラは呟いた。
「恋をするってこんな気持ちになるんだな…。先がないことは分かっているけど…恋をする気持ちは悪いものではないな…。」
アイラはネックレスを嬉しそうに見つめながら呟いた。
そして…アイラはもう一度ネックレスをつけ直してこの日の幸せで楽しい時間を思い出しながら幸せな気持ちを噛み締めていたのだった……
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