表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/33

25.攻略対象者達の本気

レオン、ヨハネス、カイルの三人は王宮の地下へと到着した。


地下へと到着した三人は地下道を更に進んだ。


そして…地下道の奥にある特別な牢へ到着すると三人は牢の中へと入った。


「どうだ?様子は…。」


レオンが監視を担当している騎士へと尋ねた。


「はい。変わらず黙秘を続けています。」


騎士が困った表情でレオンへ報告した。


「そうか…。」


レオンは応えると牢の中に捕らえられていた男をとても冷たく鋭い目で見た。


男はレオンの目つきに思わず狼狽えた。


「この期に及んで…黙秘とは……。」


レオンは更に冷たい目で男を見ながら言った。


捕らえられた男にはレオンの指示であえて拷問を行っていなかった。

拷問を行わない事で男の余裕と油断を誘ったのだった。


男はレオンの思惑通りに拷問されていなかったので余裕を見せて黙秘を続けていたのだった。


「しかし…これ以上は黙秘を続ける事は無理だろうな……。」


レオンは男に更に冷たく言い放った。


男はレオンの話を聞き??という表情を浮かべていた。


レオンがその場にいた騎士を見て頷くと騎士も頷いた。

そして騎士は男の元へと向かい男の口を舌を噛まない様に布で固定した。

そして、男の後ろで縛られていた手を左右の椅子の肘置きの部分へ縛り直し両足も左右の椅子の脚へと縛り直した。


男は急な騎士の行動に状況が変わったと察して急に体を動かし抵抗したのだった。

しかし…男が座っている椅子はがっちりと地面に埋め込んで固定してある為びくともしなかった。


男が抵抗していると男の目の前へヨハネスが近づいてきて足を止めた。


「お前は…死に値する行動をとったのだ…それならば死をもって償うほかない…。」


ヨハネスは冷たい視線で男を見て低く冷たい声で言った。


「ゔんんんっ…!」


男はヨハネスのあまりにも冷たい視線に恐怖を感じて言った。


「お前に弁解の余地などない…。ただ…死ぬ前にお前には洗いざらい吐いてもらう必要がある…。あぁ…しかし…ただ…吐けばいい…とは考えるなよ?」


ヨハネスは冷たい目をしながらニヤリと不気味な笑みを浮かべて男へ言った。


そして…


ヨハネスは近くにあった拷問用の器具を手に取った。


そしてその器具を持ち再度男の前へと立った。


ヨハネスは事前に男への拷問は自分にやらせて欲しいとレオンへ願い出ていたのだった。

レオンはヨハネスがアイラを救出してくれた事もあり断る事はできなかった。


「この度の…教会の納屋への放火はお前が単独でしたことなのか?」


ヨハネスは男へ尋ねた。


すると…男は軽く頷いた。


「…………。」


ヨハネスは男が頷くのを見ると無言で男を見た。


そして…


ヨハネスは手に持っていた先の尖い硬い鞭で男の両頬を思い切り数回鞭打った。


頬を鞭で打たれ男は一瞬何が起こったのかわからないという様な驚きの表情を浮かべた。


「もう一度…聞く…。この度の放火はお前一人の判断でしたことなのか?」


ヨハネスは淡々と冷たく男へ尋ねた。


「ゔんんんー!」


男は段々と頬に痛みを感じてきて声を出しながら頷いた。


「………はぁ…。余程の報酬額を提示でもされた様だな…。そんなにまでしてお金を手に入れたいのだな……。人を殺そうとしてまで……。」


ヨハネスは低い声だったが物凄い怒りが籠もった様に男へ言った。


そして…

ヨハネスは男の右手の指の爪と皮膚の間に細い針をゆっくりと刺した。


「ゔゔゔぎんーーー!!」


男はあまりの痛みに思わず鈍い声をあげた。


「お前は誰かに教会の納屋を放火しろと…頼まれたのか…?」


ヨハネスは男の爪に更に深く針を刺しながら淡々と男へ尋ねた。


すると…男は痛みに悶えながら必死に頷いた。


「……誰に…頼まれたのだ…?」


ヨハネスは今度は次の指の爪と皮膚の間に針をゆっくり刺しながら男へ尋ねた。


「ゔぎぎんんんーー!」


男は更に悶えながら言った。


そしてヨハネスは男の口から布を取った。


「さぁ…応えろ。誰に頼まれたのだ?」


ヨハネスは冷たい表情で男へ再度尋ねた。


「ハァ…ハァ……誰だかは…知らねぇさ…初めて会った奴だったから……。」


男は痛みに悶え恐怖で体を震わせながら言った。


「誰だか知らない相手なのに…そんなにあっさり依頼を引き受けたのか…?本当は顔見知りだったのではないのか…?」


ヨハネスは更にもう一本針を次の指へ刺そうと構えながら言った。


「ヒィッ…。ほ…本当に初めて会ったんだ…う…嘘じゃねぇ…。ただ…教会の納屋を外から開かない様にして…放火するだけで大金をくれると言われたから…引き受けたんだ……。」


男は怯えながら言った。


「……その相手はどんな者だったのだ…?」


ヨハネスは針を指のギリギリまで持っていき尋ねた。


「そ…それは…。」


男は躊躇いながら言った。


そんな男を見てヨハネスは躊躇なく男の次の指へ思い切り針を刺した。


「ぎぁぁぁぁぁーー!!」


男は痛みで思い切り叫んだ。


「ゔぅぅ…そ…その相手は……女だった……。」


男は涙に鼻水に汗とたれ流しながら言った。


男の口から"女"という言葉が出た瞬間にレオン、ヨハネス、カイルは互いに目を合わせた。


「どのような…女だったのだ…?」


ヨハネスは目を細めながら尋ねた。


「…金持ちの…どこぞやの令嬢の様な女…だった……。ベールな様な物で顔を隠していたが…身なりで令嬢だと…いうことは…すぐにわかった…。」


男は体の震えが止まらないまま言った。


「……他にその女の特徴は…?」


ヨハネスは更に尋ねた。


「……特徴と…言われても…。」


男は狼狽えたながら言った。


そんな男に今度はヨハネスが躊躇なく男の左手の中指の骨を一瞬で折ったのだった。


「ゔげげぇぇぇーーぐわぁぁっ…!」


男は痛みに悶えながら叫んだ。


そして…そんな男にヨハネスは表情を変える事なく冷たい表情のまま男の口に布を突っ込んだ。


「いいか…?お前に考える余裕も権利もないのだ…。お前がなぜ…この場所に連れてこられたのかをよく考えろ…。あぁ…自害しようと思うなよ…。そんな簡単に死なせはしないからな…。まぁ…お前の様な者は自ら命をたつ勇気すらもないだろうがな…。」


ヨハネスは男の頭を鷲掴みにして冷たい表情で男の耳元で言った。


男は痛みに悶えながらもヨハネスの冷たい声に更に恐怖を覚えて震えていた。


男は震えながらどうにか他の二人に助けを求めようとレオンとカイルの方を見た。


しかし…男は二人を見て更に背筋が凍ったのだった。


男が見たレオンとカイルの表情はとても冷たく今にも自分を殺してしまいそうな程の目をして男をじっと見ていたのだった。


(アイラを…一歩間違えたら…死んでしまっていたかもしれない程の危険な目に遭わせておいてここから生きて帰れると思うなよ…。)


レオンはそんな事を考えながら男を冷たい目で見ていた。


(俺の妹を…あの様な危険な目に遭わせておいて…お前の様な者がここから簡単に…いや…生きて出れると思うなよ…。)


カイルはそんな事を考えながら冷たい目で男を見ていた。


二人共に隠すことなく殺意のこもった目で男を見ていたのだった。


男はそんなレオンとカイル…目の前で自分を表情を変える事なく拷問しているヨハネスを見てもう…絶対に逃げられないと確信したのであった。


「それで…その女の特徴などは他になかったのか…?」


ヨハネスは男の口から布を取り出し尋ねた。


「そ…それは………あ…。あ…その女から…微かに…薔薇の香りがしました…。」


男はもう恐怖の絶頂にいる様な表情でどうにか思い出しながら応えた。


「薔薇の香り……。」


ヨハネスが目を細めて呟いた。


「あ…今まで…嗅いだことのない様な…薔薇の香りでした…。」


男は更に言った。


「……。そうか…。」


ヨハネスが少し考えるように言った。


そして…ヨハネスは騎士の元へと向かい騎士から何かを受け取り男の元へと戻った。


「…これは…お前の持ち物の中にあった物だが…これはどうした?この様な高価な物はお前の物ではないだろう…?」


ヨハネスは男の前に騎士から受け取った物を差し出して言った。


ヨハネスが男の前に差し出したのは見るからに高価そうなブローチだった。


「そ…それは……。」


男はヨハネスに差し出されたブローチを見て表情を強張らせながらしどろもどろして言った。


「もう一度…聞くぞ…?これはどうしたんだ…?」


ヨハネスは冷たく低い声で男へ言いながら更に針を男の手へ近づけた。


「ひぃっ…。い…言います…。そ…それは…その依頼してきた女性から…スった物です…。」


男は怯えた声を上げながらヨハネスへ言った。


(やはりな…。この男の持ち物を見る限りスリを常習的にしていた様だからな…。)


ヨハネスは男の言葉を聞くとそんな事を考えていた。


「も…もう…これ以上…隠していることは…ありません…。」


男は体を震わせながらヨハネスへ言った。


「そうか……。」


ヨハネスは冷めた声で言った。


「お…俺は…これから…どうなるのでしょうか……。俺はただ…頼まれて…火をつけただけです…。」


男は必死にヨハネスへ言い出した。


「だから…なんだ…?」


ヨハネスは恐ろしく冷たい視線で男を見ながら言った。


「っ……!!だ…だから…俺は…俺は……。」


男はヨハネスの表情を見てゾッとなりながら言った。


「俺は…なんだ?依頼されてやった事だから…許してもらえると…?」


ヨハネスは更に冷たく男に言った。


ヨハネスの後ろではレオンとカイルが更なる怒りを剥き出しにしながら男を見ていた。


「そ…それは…。」


男は混乱気味に言った。


「お前が金欲しさにやった今回の放火で被害に遭ったのは…この国の侯爵令嬢と教会にいる孤児…つまり王妃様が奉仕している孤児だ…。」


ヨハネスは低く冷たい声で男へ言った。


「え…?そ…そんな…。」


男はヨハネスの言葉に驚きを隠せない表情で言った。


男はまさか納屋の中にいたのが身分の高い人物だとは思いもしていなかったようだった。


「お前がそれを知らなかったなどはどうでもいいのだ……。お前が火を放った事に変わりはないからな…。」


ヨハネスは冷たく言い放った。


(よりにもよって…私の大切な女性がいる場所にな…。)


ヨハネスは拳を握りしめながらそんな事を考えていた。


「あ…あ…お…俺は……。」


男は混乱を隠せないまま言った。


「今更…後悔しても何も変わりはしない…お前は犯してはならない罪を犯したのだからな…。」


ヨハネスはとても冷たい目で男を見ながら言った。


そしてヨハネスは騎士の方を見ると騎士は軽く頷いた。

そして…騎士は男の元へとやってきて口元をきつく布で固定して頭から袋を被せて視界を奪った。


「ゔんんん…ゔゔん…。」


男は必死で抵抗して声を漏らした。


「簡単に…死ねるなど思うなよ…。」


ヨハネスは男の耳元まで近づき言った。


「んんんゔゔーーー!」


男はヨハネスの言葉に恐怖がピークに達した様に声を漏らしたのだった。


「後は…頼んだ…。」


ヨハネスが騎士へと言った。


「承知しました。」


騎士が言った。


そして…ヨハネス達三人はその場を後にしたのだった。


地下から戻ってきたレオン、ヨハネス、カイルはレオンの執務室へとやって来て話を始めた。


「やはり…あの男に納屋を放火するようにと依頼したのはジェシカ嬢で間違いなさそうだな…。」


レオンは険しい表情で言った。


「はい。恐らくジェシカ嬢の仕業で間違いないでしょう…。」


ヨハネスも険しい表情で言った。


「ジェシカ嬢…ここまで姑息な真似をするとは…。」


カイルは表情を歪ませながら言った。


「これまではジェシカ嬢は自分は表に出ず取り巻きの者などを使っていたのにここにきて自分が動いたというのが気になるところですね…。」


ヨハネスが考える様に言った。


「確かに…。そもそも…何故ジェシカ嬢はアイラがあの日教会にいるのを知っていたのだろうか…。少し前にローズの家でジェシカ嬢がアイラに接触した際もアイラはジェシカ嬢に王妃様と共に教会へご奉仕に行く事を言ったわけでもないというのに…。」


カイルも考える様に言った。


「……っ!もしや…。」


レオンがハッとなり言った。


「殿下…何か心当たりでもあるのですか?」


ヨハネスがレオンの反応を見て言った。


「……確信ではないが…アイラが母上とお茶会をしている時に突然ジェシカ嬢が母上を訪ねてきた事があった際に…母上はアイラと時間を過ごしていたので母上と会うことは難しいと伝えてジェシカ嬢には帰ってもらったのだが…もしも…帰り際に母上とアイラが一緒にいるところを見たとしたら…?」


レオンは表情を険しくしながら言った。


「ですが…たとえアイラと王妃様が一緒にいるところをジェシカ嬢が見たとしてもそれだけであの日にアイラが教会にいるとは分からないのではないですか?」


カイルがレオンへ言った。


「あぁ…。だが…ジェシカ嬢は母上へご奉仕の同行を母上へ願い出ていたのだ…。だが…母上はジェシカ嬢の願い出を断ったのだ…。」


レオンは険しい表情で言った。


「…という事は…ジェシカ嬢は王妃様に断られた事に対していい気持ちではなかったでしょう…。そこでローズ嬢の家でアイラに接触した際に何らかの形でアイラが王妃様のご奉仕に同行する事を嗅ぎつけたのでしょう…。」


ヨハネスは表情を歪めて言った。


「ジェシカ嬢なら…どんな手を使っても情報を得ることをしそうだからな…。」


カイルが表情を歪めて呟いた。


「今回の件を依頼したのはジェシカ嬢という事をジェシカ嬢に追求することもできるだろう…。あの男が持っていたブローチは間違いなくジェシカ嬢の物であるからな…。」


レオンが真剣な表情で言った。


「えぇ。あのブローチはかなり高価な物で恐らくバーレン公爵に頼み手に入れた物でしょう。それに…あのブローチは以前学園でジェシカ嬢が他の令嬢達に自慢していたブローチですから…。」


ヨハネスが目を細めながら言った。


「ただ…このブローチを盾にジェシカ嬢を問い詰めたとしてもあの女は間違いなくしらを切ってくるでしょうね…。」


カイルは表情を歪ませ言った。


「あぁ。だから…確実にジェシカ嬢があのブローチの持ち主であの男に放火依頼をしたという証拠を叩きつけなければならない…。」


レオンが目を細めながら言った。


「えぇ…。ですので絶対にジェシカ嬢が言い逃れできない様に周りを固めてから罪を問わなければなりません。」


ヨハネスが言った。


「ヨハネスの言うとおりです。」


カイルが頷きながら言った。


「あぁ。それに関しては私が動くから問題ない。もう…これ以上ジェシカ嬢を野放しにはしない…。もう…これ以上アイラに手出しは絶対にさせられないからな…。」


レオンは拳を握りしめながら言った。


「あの男はジェシカ嬢の罪を問うまでは生かしておくとするが二人ともそれでよいか?」


レオンがヨハネスとカイルへ尋ねた。


「はい。」


ヨハネスは頷きながら言った。


「はい。」


カイルも頷きながら言った。


「明日からジェシカ嬢には尾行をつけておくが我々も学園内ではこれまで以上にジェシカ嬢の行動を見ておく様にしよう。ジェシカ嬢へ罪を問う場は父上と母上にも相談して設けてもらうことにする。」


レオンが言った。


「「承知しました。」」


ヨハネスとカイルが言った。


「ガルバドール侯爵夫婦にはまたこちらから便りを出すように侯爵へ伝えておいてくれ。」


レオンがカイルへ言った。


「承知しました。」


カイルが言った。


「ところで…アイラの様子はその後どうだ?」


レオンがカイルへ尋ねた。


「はい。怪我の方もほぼ完治したしたし傷痕も残らないとのことです。アイラ本人も怖い思いをしただろうに明るいいつものアイラです。」


カイルは少し心配げな表情で言った。


「そうか…。経過が順調そうで良かった…。母上もアイラの事を気にしていたので伝えておくよ。」


カイルはホッした表情で言った。


「はい。」


カイルが頷きながら言った。


(アイラ…本当に良かった…。)


レオンは心からそんな事を考えていた。


(アイラ…早く君に会いたいよ…。)


ヨハネスはそんな事を考えていた。


こうして…アイラの知らないところで攻略対象者達は確実にジェシカの悪事を公に暴こうと話を進めていたのだった……


ご覧頂きありがとうございます★


他にも連載中の小説がありますのでよろしければご一緒にご覧下さい★


↓↓↓↓


公爵令嬢シャーロットは、3度目の人生を生き抜くと決意しました!!(※不定期更新)


私が悪役令嬢?!…ならばシナリオ無視して全力で推しを守り愛し共に幸せになる所存です!!

〜じゃじゃ馬令嬢は異世界でも推し活に励む〜(※不定期更新)



ブックマーク&評価の方ありがとうございます★

とても励みになってます★

最後までお付き頂けると幸いです★


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ