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2.大好きなハンドメイド

アイラは自分が転生した事を知った翌日……


学校が終わった後に一旦帰宅して着替えてから侍女を連れることなく一人で気軽に街へと出かけていた。


(お母様に聞いた話だと確かこの辺りだったと思うけど…。)


アイラはそんな事を考えながら歩き母であるマリから聞いたお店を探していたのだった。


(あっ!あった!きっとあのお店ね。あ〜外観を見ただけで素敵なお店だって分かるわ!)


歩いていたアイラは目に入った店を見てマリが教えてくれた店だとすぐに分かり店の外観を見てワクワクしながら思っていた。


そして、アイラは店へと入った。


カランカランッ…


「いらっしゃいませ。ゆっくり見ていってちょうだいね。」


アイラが店に入ると入口のレジに座っていた店員であろう年増の女性がアイラへと言った。


「はい。ありがとうございます。」


アイラは笑顔でお礼を言った。


(わぁ〜なんて素敵なの…。沢山の生地に糸…ボタンにリボン…レースや小物まで揃ってるなんて。前世でもよしみとよく色んなクラフト店へ行ったけれどここも負けてないくらい素敵なお店ね。今まで来なかったのが惜しまれるくらい。)


アイラは店内を歩いて見回りながら店のあまりの良さに興奮気味にそんな事を思っていた。


その後…

アイラは時間を忘れたかの様に軽く一時間は店内を見回り次から次に欲しい物をかごに入れていった。

気づいたらかごの中はいっぱいになっていたのだった。


アイラは満足いくまで店内を見回った後に商品の会計を済ませたのだった。


「お嬢ちゃん…こんなに沢山購入ありがとうね。」


「いえいえ…沢山の素敵な品がありすぎて選ぶのに困るくらいでした。とっても気に入ったのでこれからもお店に来ますね。」


「ふふ…ありがとうね。」


会計を済ませたアイラに女性がにこりと微笑みながらお礼を言った。

アイラは嬉しそうに満足した表情で女性に言うと女性も嬉しそうにアイラへと言ったのだった。


アイラは店を後にすると両手いっぱいに購入した物を持って待たせていた馬車のところへと向かった。



「うわ〜ん…え〜ん…グスッ…」


アイラが馬車へ向かっている途中に小さな少女が一人泣いているのに気づいた。


「あら…そんなに泣いてどうしたの?」


アイラは思わず少女を見て足を止めて優しく声をかけた。


「グスッ…グスッ…お…おにい…さまとはぐれてしまったの…。」


「そうなの?迷子になっちゃったのね…。」


「グスッ…それに…それに…途中どこかでおにい…さまに貰ったリボンが壊れてしまったの…。」


「リボン?」


「うん…グスッ…これ…。」


アイラに声をかけられた少女は泣きながら言うとアイラは少女が迷子になったんだと知った。

更に少女は泣きながら自分の着けていたリボンがどこかで壊れてしまった事にショックを受けていた。

アイラは少女にリボンの事を尋ねると少女は壊れたリボンをアイラへと見せたのだった。


「あらら…これは大変ね。どこかに当たって壊れてしまったみたいね…。」


アイラは少女のリボンを見ながら言った。


「せっかくお気に入り…だったのに…グスッ…どうしよう…。」


少女が悲しそうに泣きながら言った。


(本当に大切なリボンなのね。お兄さんがプレゼントしてくれたんだもんね…。よし!)


アイラは少女の悲しそうな姿を見て、いい事を思いついたのだった。


「このリボン…お姉ちゃんが直してあげるわ。」


「え…?本当に?直せるの?」


「ええ。任せて。」


「うん!」


アイラは笑顔で少女に言うと少女は驚いた表情を浮かべながら言った。

そんな少女にアイラは自信満々に笑みを溢しながら言うと少女は先程までの泣き顔が嘘のように嬉しそうに頷いた。



そして、アイラは近くにベンチがあるのを見つけて少女と共に座った。


そしてアイラは先程購入したばかりの針と糸とリボンにレース…ビーズを取り出して少女のリボンの修復を始めたのだった。


チクチク…

チクチク…


アイラは手際よくリボンの修復を進めていったのだった。


「お姉さん…凄いね。本当にリボンが直ってる。それにリボンが壊れる前よりも可愛くなってる〜。」


「そうなの。リボンを直すのもただ直すよりこんな風に少しリボンやレースにビーズを足すことでより可愛さが増すのよ」


「うんうん!本当だね!」


「よし!出来た。ほら!修復完了よ。」


「わぁ〜ありがとう!」


アイラがチクチクと修復を進めるのを見て少女は感心した様にアイラに言うとアイラはチクチクしながら少女に見せながら笑顔で言った。

そんな修復しているリボンを見て少女は笑顔で言った。

リボンの修復が終わったアイラは少女に修復したリボンを見せて手渡した。

手渡された少女はリボンを見て目を輝かせながら嬉しそうに笑顔でアイラにお礼を言ったのだった。


(自分が手を加えたものでこんなに喜んで貰えるなんて。やっぱりこうして相手が喜んでくれるのが何より嬉しいのよね。)


アイラは嬉しそうにする少女を見てそんな事を思っていた。


「お嬢ちゃんは何ていうお名前なの?」


「私?私は…ニーナっていうの。今七歳なの!」


「ニーナか…。素敵な名前ね。それに…七歳なのにとてもしっかりして偉いわね。」


「ありがとう。お姉さんのお名前は?」


「私?私は…」


「あっ!おにいさまだ!」


アイラは嬉しそうにしている少女へ名前を尋ねた。

少女は笑顔で自分の名前と歳をを答えた。

アイラはそんな少女に優しく笑顔で言うとニーナもアイラに名前を尋ねた。

アイラが自分の名前を答えようとした時…

ニーナが少し離れたところからアイラ達の方へと向かってくる兄を見つけた。


「あらっ!お兄さんいた?良かった〜。これで安心だね。」


「うん!お姉さん一緒に居てくれてありがとう。それにリボンも直して可愛くしてくれてありがとう。」


「えぇ。どう致しまして。リボン気に入ってくれて良かったわ。お兄さんが来たみたいだし私は先に失礼するね。この沢山の荷物を早く持って帰らないといけないから。」


「うん。本当にありがとう。気をつけて帰ってね。」


「えぇ。ありがとう。ニーナももうお兄さんとはぐれない様にね。」


「うん!」


ニーナの兄がニーナに気づいたと知ったアイラはホッとした表情で言った。

するとニーナは笑顔でアイラへお礼を言った。

アイラは安心してニーナへ自分は先に帰ることを伝えた。

そんなアイラにニーナはお礼を言うとアイラは笑顔で応えたのだった。


そして、アイラはニーナの兄が来る前にニーナに笑顔で手を振ってその場を後にし、馬車の方へと歩いて向かったのだった。


(お兄さんが見つけてくれて良かったわ。それにしてもニーナ…とても可愛い子だったわね。)


アイラはそんな事を歩きながら考え

ていたのだった。



アイラが馬車へ向かうのと同時にニーナの元にニーナの兄が焦った表情を浮かべながらやって来た。


「ニーナ!」


「おにいさま!」


「ニーナ…良かった。見つかって。急にはぐれたから心配したんだぞ?」


「うん…ごめんなさい…。」


ニーナの兄がニーナの名前を呼ぶとニーナも兄を呼んだ。

ニーナの兄は無事なニーナを見てホッとした表情を浮かべながらニーナを抱きしめるとニーナは目に涙を浮かべながら兄へと謝った。


「変な奴に声などかけられなかったか?誰かに何か変な事などされなかったか?!大丈夫だったか?!」


「うん。大丈夫だよ。私が泣いてたら優しいお姉さんが助けてくれたの。」


「お姉さん?」


「うん。とっても優しくて綺麗なお姉さんだったよ。」


「そのお姉さんはどこだ?」


「おにいさまが私に気づいてくれた事を確認すると帰って行ってしまったの。沢山荷物を持ってたからお家に早く持って帰りたいみたいだったよ。」


「そうなのか…。」


ニーナの兄はニーナの体を見ながら心配そうな表情を浮かべて尋ねた。

ニーナはアイラが自分を助けてくれた事を兄へと説明すると兄は戸惑ったような表情で尋ねた。

ニーナはアイラの事を兄へと説明したのだった。


「あとね…おにいさまがくれたリボンが途中どこかで壊れてしまったのだけどそのお姉さんがリボンも直してくれたの。」


「リボンを?」


「うん!ほら…見て。凄く可愛くなってるでしょ?」


「あぁ…。本当だな。元々のリボンよりもニーナ好みになっているな。」


「そうなの。壊れて悲しかったけどお姉さんのお陰で今は嬉しい気持ちでいっぱいなの。」


「そうか。それは良かったな。」


ニーナがハッとなり自分のリボンを兄へと見せながら嬉しそうに言った。

すると兄は驚きながらもリボンを見るとニーナ好みになっているのを見て更に驚いた表情を浮かべながら言った。

ニーナは嬉しそうに満面の笑みを浮かべて兄に言うとそんなニーナを見て兄も笑みを浮かべながら言った。


「ニーナを助けてくれたお礼を言いたかったが…。行ってしまったのなら言い様がないな。そのお姉さんの名前などは聞いていないのか?」


「うん。聞きそびれちゃった。」


「そうか…。」


「あ〜またあのお姉さんに会えないかな〜。」


「ニーナが母上以外の女性にそんな事を言うのは珍しいな。」


「うん…。でも、あのお姉さんには会いたいって思ったの。」


「そうか。また…いつかどこかで会えるといいな。」


「うん!」


ニーナの兄がニーナにアイラの名前を尋ねたがニーナは首を振りながら名前を聞きそびれた事を伝えた。

兄は困った表情を浮かべるとニーナがアイラが去っていった方を見ながら言った。

兄はニーナがそんな事を言う事に少し驚いたがすぐに優しく微笑みながらニーナの再会を願うと、ニーナは嬉しそうに頷きながら応えた。


「よし!そろそろ家に帰ろう。」


「うん。」


ニーナの兄がニーナに言うとニーナは笑顔で応えた。



ニーナが兄とやり取りをしている時アイラは馬車へ乗り込み家へと戻っていた。


(あ〜早く帰って今日買ったもので色々な物を作りたいな〜。楽しみだな〜。色んな事を考えながらハンドメイドするのって至福の時間だもんね。)


アイラは馬車に揺られながら購入した物を見てそんな事を考えていた。


(今日のニーナの様に沢山の人を笑顔に出来る物を作れたらいいな。)


アイラは笑みを浮かべながら考えていた。


(プリラブMの世界にはハンドメイドイベントなんてものはないだろうけどいつか私の作った作品が色んな人の手に取ってもらえる機会があるといいな〜。)


アイラは楽しそうに妄想しながら考えていた。




この時のアイラは…

またニーナに会う事になることも…

ニーナの兄と会う事になるなど想像もしていなかったのだった…

ご覧頂きありがとうございます★


2022.2.22

(朝更新)異世界転生/転移

日間恋愛 ベスト300

199位にランクイン


2022.2.22

(夕方更新)

異世界転生/転移

日間恋愛 BEST300

178位ランクイン


読んで頂いている皆様のお陰です!!

ありがとうございます☆



他にも連載中の小説がありますのでよろしければご一緒にご覧下さい★


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公爵令嬢シャーロットは、3度目の人生を生き抜くと決意しました!!


ブックマーク&評価の方ありがとうございます★

とても励みになってます★

最後までお付き頂けると幸いです★



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