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日常で世界を変える(土屋編)  作者: mei


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3月18日 フルール株式会社6

 青空の広がる3月の午後。街角に佇むデザイン会社のビルは、まるで透明なキャンバスのように輝いていた。『ビューティラボニクル株式会社』と描かれている看板がある。ガラス張りの壁面に映り込む光の揺らぎが、妙に私たちを柔らかく包み込んでいるかのようだった。「そろそろ来るだろうか?」。私は、ビルの入り口付近で、佐倉さんが来るのを待っていた。佐倉さんは、午前中に一件別の商談があるため、現地集合というながれだった。私は、小さなカバンをそっと膝の前に置き、手元の時計を確認する。予定の約束時間である12時50分を過ぎてしまっていた。大丈夫かな?商談は13時からのため、そろそろ来ないと間に合わない。少しずつ期待と緊張が入り混じった胸の鼓動が高まっていく。しかし、私の方には誰一人来ない。周囲を行き交う人々の流れは絶え間ないのに、なぜだろう?賑やかな街の喧騒が私の心をかき乱してきた。私の視線とは異なる方から、軽やかな足音が近づくのを感じた。もしかして?私は、ゆっくりと振り返り視線を上げた。すると、そこにはスーツ姿の女性が立っていた。ちょうど太陽が後ろから見えることもあって、とてもまぶしく輝いていた。佐倉さんじゃない。私は、その女性が別の誰かであることがわかった。ネイビーのワンピースが風に揺れ、彼女の明るい髪が優しく顔周りを包んでいる。「はじめまして!フルールの方ですか?」彼女の声には軽い照れと温かさが混じっていた。


 私 「はい、そうです」

 

 私は、自然と背筋を伸ばしてその姿を迎えた。彼女の名前は三吉という名前らしい。


 三吉「上行きましょうか?」

 私 「すいません、まだもう一人来てなくて」

 三吉「でも、寒いので中に入って待ったらどうですか?」


 どう答えるのがいいのだろうか?こういう時の社会人の振る舞い方が全くわからなかった。


 私 「本当に失礼じゃないですか?」

 三吉「大丈夫ですよ」

 私 「じゃあ、ちょっと連絡だけ入れておくので先行ってもらっててもいいですか?」

 三吉「わかりました。入口のところで待ってますね」

 私 「ありがとうございます」


 会釈をすると、三吉はゆっくり戻っていく。すぐさまスマホを取り出し、佐倉さんから連絡が来てないか確認をする。さっきと同じようにスマホに通知はきてない。仕方がない。「先に入っておきます!」。私はスマホで連絡を入れて、三吉の方に歩き出した。

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