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12月20日 BIG3

 今日がバイト6度目だった。今日もいつものように、17時45分頃についた。


 私 「お疲れ様です」

 店長「おう、お疲れ」

 私 「今日は、多いですか?」

 店長「そやなぁ。結構多くなりそうやな」


 すると、渡邉が後ろからやってきた。


 渡邉「お疲れ様です」

 店長「お疲れ」


 渡邉は、高校生には見えない大人らしい格好をしてやってきた。私たちは、服を着替えて厨房にある洗い場に行った。

 

 渡邉「今日は、何されてました?」

 私 「今日?」

 渡邉「はい」

 私 「今日も家に引きこもってたよ」

 渡邉「そうなんですねぇー」

 私 「今日は、学校?」

 渡邉「そうです」


 私たちは、手を洗いながら話をしていた。


 私 「渡邉さんって、クラスでどんな感じなの?」

 渡邉「そんなに目立ってないですよ」

 私 「そうなの?」

 渡邉「渚ちゃんに比べると全然ですよ」

 私 「そんなに、渚ちゃんは、目立ってるんだね」

 渡邉「そうですね。女の子だったら、結構上位の方で目立ってますよ」

 私 「そっかぁ。凄いんだね」


 彼女の愛嬌のある笑顔は、とても素敵だった。


 渡邉「でも、それ以上にすごい人たちがいて」

 私 「それ以上?」

 渡邉「女の子は、BIG3っていうのがいるんですよ」

 私 「何?BIG3って?」

 渡邉「BIG3って、聖徳高校3年生の中で、一番スゴイ3人のことなんですよ」

 私 「そんなのいるんだ」

 渡邉「それに比べたら、全然大したことないですよ」

 私 「その人は、そんなにスゴイの?」

 渡邉「可愛くて、頭よくて、性格よくてみたいな」

 私 「そんなスゴイ人おる?」

 渡邉「そうなんですよ。今は、矢田さん、篠木さん、高田さんがBIG3になっております」


 一人聞いたことのある名前が入っていた。


 私 「BIG3かぁ」

 渡邉「知ってます?」

 私 「高田さんは、知ってる。妹の友だちなんよね」

 渡邉「そうなんですね」 

 私 「なんか、妹の中学時代の友だちらしいんだけどね」

 渡邉「八代東ですか?」


 渡邉は、食い入るように聞いてきた。


 私 「うん」

 渡邉「もしかして、いつも5人でいたグループですか?」

 私 「そうそう」

 渡邉「やっぱりそうなんですね。実は、そのグループのこと、中学校時代から知ってたんですよ」


 渡邉さんは、言わないだけで、陽菜乃のことも何かしら知っているんじゃないか?そんなことを考えてしまった。


 私 「そうなんだ。なんで?」

 渡邉「私は、八代北中なんですけど、当時、スポーツ大会で出会ったんですよ」

 私 「スポーツ大会?」

 渡邉「はい。八代市の中学生集めて、スポーツ大会やってて、私たちと土屋さんの妹さんのグループの人たちとモメたことあって」


 確かに言われてみたら、私たちが中学生の時、そうした大会があったような気もしてきた。


 私 「そうなの?」

 渡邉「当時は、高田さんとかも全然知らなかったんだけどね。高校入ってからわかったんですよ」

 私 「なんでモメたの?」


 私は、フレてはいけないところにふれてみた。


 渡邉「妹さんのグループの一人がBIG3の篠木さんを怪我させてしまったんですよ」


 さっきの渡邉さんの説明によると、BIG3というのは、矢田、篠木、高田。つまり、渡邉がいた篠木のグループと陽菜乃がいた高田のグループは仲が悪かったということかぁ。


 私 「そんなことがあったんだ」

 渡邉「私も近くで見てたわけじゃないんだけど」

 私 「いろいろあったんだね」

 渡邉「そうなんですよね」

 私 「じゃあ、BIG3の篠木って人と高田は仲悪いの?」

 渡邉「私もそうなのかなと思ってたんですけど、それがむしろ仲良くて」

 私 「へぇー」

 渡邉「意外ですよね。よく言われるのは高校2年生の時のことが大きかったらしいんですけどね」


 陽菜乃は、中学校時代のことを多く語らない。何か言いたくないことがあるのか、興味がないかのどちらかだろう。私にとってはどちらでもよかったが、陽菜乃に聞いていなかったが、もしかしたら何かを隠している可能性もあるのかなと思った私だった。

 そんなことをしていると、店内には多くのお客さんが来店してきた。

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