2月28日 最後
ここから見える景色も随分当たり前にになってきたな。今は、当たり前にいるこの家に対して不思議な感覚を抱いていた。2月も今日で最後。早いなぁ。本当にあっという間だったな。就職先を紹介してくれたりしてて、毎日がすぐに過ぎ去っていく。こんなのでよかったのかはわからないけど。今日は、買い物に行くためにお母さんに車で送ってもらうことにしていた。
お母さん「じゃあ、後で迎えに行くわ」
私 「ありがとう」
迎えに来てもらうのは、2時間後の16時にしようと思っていた。お母さんは、いても仕方がないということから1度家に戻ると言っていた。
お母さん「陽菜乃も外出てるみたいなの」
私 「どこ行ってるの?」
たしかに、私が朝起きてから全然見てないな。どこかに行ったということかぁ。
お母さん「なんか、慌てて出ていったみたいだからわからない」
私 「そうなんだ」
慌てて、どこ行ったんだろうか?
お母さん「もし、わかったら教えて」
私 「うん。たしかに、昨日どこか行くとは行ってたけど」
お母さん「そうなの」
記憶の片隅に、「明日は、、、、、、、があるから」と言っていた。けど、それがどこなのかはわからない。
私 「友だちのところでも行ったんじゃないの?」
お母さん「そうかもしれないね」
私と違い、陽菜乃は昔からお母さんに心配されることが多かった。
私 「そういえば、陽菜乃の一人暮らし心配じゃないの?
お母さん「しょうがないんじゃない。いずれ、するだろうし」
そこは、割り切ってるんだ。意外だな。
私 「まぁ、私の時よりは、ちゃんとしてくれるでしょ」
お母さん「ハハハハ。それは、アンタが特別すぎるのよ」
私 「そうかな?」
たしかに、陽菜乃は私と違って大きく踏み外したりしない。そこは安心できそうだ。
お母さん「そうだよ」
私 「でも、大学にはいろんな人がいるからね」
お母さん「変な人とは関わらないでほしいよ」
そこには、お母さんの真っ直ぐな願いが込められていた。
私 「陽菜乃には、私から連絡入れとくわ」
お母さん「ありがとう」
私 「また、何かわかれば連絡入れるね」
私も、出かけるために服を変えなきゃ。私は、2階に上がり、今日来ていく服を探すことにしたのだった。




