2月23日 ずっと
陽菜乃「じゃあ、その会社行くんだ?」
私 「うん」
フルール株式会社に入社することに決めた。大学を卒業したわけでもない私に手を差し伸べてくれたことが決め手だった。
陽菜乃「いつから?」
私 「一応4月から。でも慣れるために3月もいこうかなと思ってる」
陽菜乃「へぇー。そうなんだ」
3月の中旬くらいからバイトとして、5回程度行くことに決めた。
私 「しんどそうだけどね」
陽菜乃「でも、これで立派な社会人じゃない」
そんなことはない。
私 「バイトは社会人じゃないよ」
陽菜乃「そう?」
私 「そうだよ」
強く言い切った。
陽菜乃「バイトもいいと思うけどな」
私 「それは、陽菜乃がまだ高校生だからだよ」
以前にも似たようなセリフを言った気がした。
陽菜乃「そういえば、お姉ちゃんの周りは今何してるの?」
私 「インターンでもしてるんじゃない?」
前のめりのような感じがした。
陽菜乃「へぇー。そうなんだ」
私 「うん」
まだ何か聞きたそうだ。
陽菜乃「来年、就活みたいな感じ?」
私 「そうじゃないかな」
陽菜乃「みんな大人になるんだね」
私 「そうね」
今どれくらい若くてもいつか大人になる。学生の頃は、そうした当たり前のことに気がつかない。
私 「働くのやだなー」
陽菜乃「そうなの?」
ゆっくり首を縦に振る。
私 「うん。バイトはいいけど、ずっと働くのは私には向いてなさそう」
ずっと何かをするというのは、とても難しいことだ。
陽菜乃「ハハハハハ。どうだろうね。」
私 「みんなは、どうするの?」
陽菜乃「みんな?」
私 「仲のよかった子たちだよ」
陽菜乃の周りは、少し特別な子が多かった。
陽菜乃「ああ、実咲とか真波とかってこと?」
私 「そうそう」
それが聞きたかったのかと陽菜乃は、理解した。
陽菜乃「実咲と優衣は大学で、明日花は来年大学行けたらって言ってた気がする」
私 「じゃあ、真波って子は?」
陽菜乃は、真波と一番連絡をとっていないように感じた。
陽菜乃「なんか大学行かないらしいよ」
私 「えっ、そうなの?」
陽菜乃「うん。私も聞いた時は驚いたよ」
そりゃあ、陽菜乃が驚くことも無理はない。だって、"BIG3"なんだから。




