表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/80

2月22日 フルール株式会社3

 フルール株式会社。こっちでよかったのか?私はいまだにわたかっていなかった。どっちに行っても同じなら、自分が行く道を信じるしかない。私は、緑黄色会社に断りの連絡を入れ、フルール株式会社の1本に決めた。もし、ここでバイトが断られたら、また就活をするしかない。私は、神城と話をしてそう決めた。神城は、私の人生だからと何も言ってくるようなことはなかった。何も言われないことに対してもどかしさがある。12月の途中から、自分なりに行動してみた。バイトを探して、こうして就職まで来た。やってみて思ったけど、人間はすぐに変わらないんだと。日々の積み重ねでしか変わらないことを理解した。私の前には、代表取締役の大多がやってきた。来ていきなり、話をし始めた。


 大多「バイト?」

 私 「はい。正直、いきなり働ける気がしなくて」


 誤魔化さずに素直に自分の気持ちを伝えることにした。これが正しいのかはわからない。でも、ここで嘘をついても仕方がない。


 大多「そっかぁ。土屋さんがバイトがいいんだったら、それでいいよ」

 私 「ホントですか?」


 意外とあっさり承諾をもらえてしまった。想定外だ。


 大多「もちろんだよ」


 緑黄色会社の代表取締役の古谷と違ってこの会社の大多は、どこか渋さがあるような人だった。決して、古谷のキラキラ感のようなものはない。ただ、この人なりの良さというものはなんとなく伝わってくる。


 私 「ありがとうございます」

 大多「なんで働ける気がしないの?」


 働ける気がしないというのは、なんでだ?そう問われていた。


 私 「なんか自信がなくて」

 大多「そりゃあ、そうだよね。今まで働いたことないもんね」

 私 「はい」


 またしても、素直に聞いてくれた。これは、大多の本音なのか?それとも別の意見なのか?


 大多「だったら、教育係呼んでくるよ」

 私 「教育係ですか?」

 大多「うん。いきなり、あれこれやるのも難しいし」


 大多は、どんな人を呼んでくるのだろうか?ゆっくり歩いていく大多を見守った。ドア越しに誰かと話をしているのがわかった。私は、その様子を遠目から感じていた。すると、ドアが開き、大多と一緒にやって来る。こちらにやってきたのは、女性。綺麗なコーデをした女性は、明るい表情で大多と話をしているみたいだ。再び、気持ちを整えた大多たちが来るのを待つのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ