12月19日 土屋陽菜乃
今日は、いつもより眠たかった。昨日、バイトから帰ってきたのが23時ということも影響していた。いつものように、朝起きて、ストーブに当たっていた。
ストーブに当たりながら、机の上に置いていた、雑誌をとって、他のバイト先を探していた。特に、何かしたいわけではないが、一人暮らしをしたい気分になっていたので、なんとしてでもお金が必要になった。
バイト先のチラシを見ながら、一人暮らしをして、何をしようかと考えていた。何がしたいんだろ?きっと何者かになりたいんだろうけど、よくわからない。
そんなことを考えながら、一人暮らしに必要なお金がどれくらい必要か計算しようと思った。スマホを使おうと思ったが、近くにない。部屋から見つけることができなかったので、1階に降りようとした。すると、陽菜乃が見えた。
私 「陽菜乃ー」
妹 「ん?」
私は、歩いていた陽菜乃を呼び止めた。
私 「海美高校に、桐生藍って子いるの?」
妹 「いるよ。知ってるの?」
私 「いや、バイト先の子から聞いたんだけど」
妹 「そうなんだね」
陽菜乃は、少し嫌そうな表情をしていた。
私 「うん」
妹 「なんていう子?」
私 「えっーと。渡邉祐奈」
妹 「もしかして、藍の親友の子かな?」
私 「なんか、そんな感じだったよ」
妹 「藍は、知ってるけどその子は知らないなぁ」
私 「陽菜乃は、学校でどんな感じなの?」
妹 「どんな感じ?うーん。静かだよ」
私 「そうなの?」
妹 「うん。昔から静かだよ。特定の子としかいないし、話すことも少ないしね」
陽菜乃は、上を見ながら話した。
私 「他の子とは、話さないの?」
妹 「話すと緊張するんだよね。そんな緊張するくらいな一人の方がいいんだよね」
私 「なんか、私と話してる時と違いすぎて意外だよ」
妹 「そうなんだよね。仲のいい友だちでもお姉ちゃんみたいに話すのは難しいよ」
私 「まぁねぇ。彼氏は?」
妹 「いるわけないじゃん」
私は、誰かと久しぶりに恋愛の話をしていた。
私 「好きな人は?」
妹 「いないよ。今まで、男の人と話すこともほとんどなかったしね」
私 「話したくないの?」
妹 「男の子とあんまり話したいとかないかな」
陽菜乃は、少し恥ずかしそうにしていた。
私 「思い切って、誰かを好きになってみたらいいのに」
妹 「じゃあ、お姉ちゃんは?」
私 「ん?」
妹 「お姉ちゃんは、誰と付き合ってるの?」
私 「付き合ってないよ」
妹 「堂上さんとは、どうなったん?」
私 「もう別れて、何もないよ」
妹 「そうなの?」
私 「うん」
妹 「そっかぁ。私、堂上さんカッコいいと思ってたから残念だったよ」
妹の残念そうな表情が見えた。この日は、また、夜にバイトが入っていた。いつものように、夜に備えて、自分の部屋に戻っていった。