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2月17日 一人暮らし

 階段を行き来しながら、1階と2階の部屋を見てまわっていた。私が気がついた頃には、お母さんはすでに見当たらなかった。今日は、休みなのにどこにいるのか?


 私  「お母さんは?」

 陽菜乃「買い物行ったよ」

 私  「えっ、そうなの?」


 まさか、買い物に行ってるとは思わなかった。


 陽菜乃「うん。知らなかった?」

 私  「知らないな。車で行ったの?」

 陽菜乃「たぶん」


 陽菜乃もお母さんが出ていったところを見ていないのか?


 私  「音しなかったけど」

 陽菜乃「まぁ、もうすぐ帰ってくるんじゃない?」

 私  「わかった。それより、陽菜乃さ、、、」


 ゆっくり私の方を向くのを待った。


 私  「今度、一緒に買い物行かない?」

 陽菜乃「買い物?何買うの?」

 私  「服欲しいな。陽菜乃も合格祝いになんか買ってあげるよ」


 陽菜乃の試験が全て終わったら、ずっと祝いをしたいと思っていた。これからもずっと、陽菜乃の近くにいれるわけではない。


 陽菜乃「えー。それは、嬉しいな」

 私  「何欲しいの?」


 顎に手をのせ考え始めた。


 陽菜乃「なんだろうな?やっぱりカバンかな」

 私  「カバンかぁ。一人暮らしとかだったら置けるしね」

 陽菜乃「一人暮らしっていい?」

 私  「うーん?どうだろう?」


 大学に通ってた頃は、一人で優雅に暮らしていた。それが、今では遠い昔の記憶だった。


 陽菜乃「一人暮らしどうしてもしたいっていうのもないんだよね」

 私  「でも、距離的に毎日通うのは難しいでしょ?」

 陽菜乃「そうなのよね」


 この家から、大学に通うとなるとほぼ通学で一日が終わってしまう。


 私  「でも、私は一人暮らしした方がいいと思うよ」

 陽菜乃「なんで?」


 私を食い入るように見つめた。


 私  「今、出ないと出るタイミングなくすよ」

 陽菜乃「就職とかは?」


 就職。それは、社会人のつらさを痛感するだけ。そのタイミングに合わせてなんて絶対にやめた方がいい、、、、、、、、。って、店長が言っていた。これは、自分の体験じゃない。


 私  「就職していきなり一人暮らしは大変だよ」

 陽菜乃「あー、そっかぁ」


 思いの外、陽菜乃に響いているみたいだった。


 私  「まぁ、私働いてないから知らないんだけどね」


 自分をたなにあげて、何話してるんだろうと思ってしまった。

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