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2月13日 引っ越し

 昨日、神城といろいろ話して考えた。私は、合格したのだから胸をはろうと。たしかに、いくかいかないかは、迷うけど受かったという事実は変わらない。あの古谷たちに認められたんだ。どういう経緯かはわからないけど、入ればあの人たちと一緒に働ける。それは、私にとって恵まれていることだ。


 陽菜乃「どうするか決めた?」

 私  「ううん、まだ迷ってる」


 陽菜乃から見ても、私が迷っているように見えているのだろうか?それなら、余計な心配をかけてしまっている。


 陽菜乃「そっかぁ」

 私  「陽菜乃は、バイトどうするの?」


 すぐさま、話題を変えた。


 陽菜乃「引っ越してからにしようかなと思ってるよ」

 私  「そっかぁ」


 この言葉に意味はなかった。なんとなく何も話していない空間が嫌だっただけだ。


 陽菜乃「引っ越したくないなー」

 私  「いいじゃない。一人暮らし」

 

 陽菜乃が通う大学は、ここからでは通える距離になかった。


 陽菜乃「えー、寂しいじゃない」

 私  「そうかな?」


 一度否定してみた。たしかに、一人暮らしは孤独でもある。けど、したいことを自由にできるというメリットも私は感じていた。


 陽菜乃「私は、実家からがよかったなー」

 私  「何がいいの?」  

 陽菜乃「やっぱり、お姉ちゃんもお母さんもいるし」


 今の理由では、そんなにメリットに感じないけどな。それだけ、陽菜乃にとっては、大きいと言うことなのだろうか?


 私  「フフフ。お父さんも入れてあげなよ」

 陽菜乃「あっ、そうだね」


 私たちは、笑い合った。


 私  「いつから、引っ越すの?」

 陽菜乃「一応3月前半に考えてるよ」

  

 3月前半かぁ。1番、引越しする人が多いタイミングだな。ちゃんと、引越し業者手伝ってくれるかな?妹のことになると、つい心配してしまう。


 私  「じゃあ、陽菜乃と話せるのもそれまでだね」

 陽菜乃「えー。なんか寂しい」


 わざと、陽菜乃を煽るように言ってみせた。


 私  「いつでも帰ってきたらいいじゃない」

 陽菜乃「うん。すぐ帰ってくる」


 なんとも妹らしい発言だった。陽菜乃にいつまでも尊敬してもらえるような人物にならないとな。私も。


 私  「それは、ダメよ」

 陽菜乃「ハハハハ」


 そこには、クシャッとした陽菜乃の笑顔が見えたのだった。

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