2月5日 緑黄色会社
平日ということもあってか、静かなカフェは一際魅力的に輝いているように感じた。照明は、柔らかな光を放っているようで私は少し目が痛い。私が座った席は、一番奥にある窓側の席だった。私がいたカフェは、ここらへんの地域ではあまり有名じゃなかった。だからこそ、このカフェを選んだのだ。みんながよく行くカフェは駅前のカフェだ。ここのカフェには、老若男女問わずいるのだ。最近までは、高校生がよく勉強していた。
私が座る木製のテーブルには、横の席からコーヒーの香りが漂っていた。私の横の子は、女性だ。とてもオシャレだが、まだあどけなさが残っているみたいだった。高校生と言ってもおかしくない。とても可愛くカフェラテを飲みながら、パソコン作業に集中しているみたいだった。店内は、私を入れて、5名ほどのお客さんがいたのだった。個々の席で、それぞれの人々が静かに過ごしているのがわかった。
一杯飲み終えた私は、次に何を飲もうか迷っていた。一杯目は、カフェモカを飲んだ。メニュー表を見ていた私には、横のカフェラテが目に入ってきた。カフェラテは、エスプレッソにミルクを加えたものだ。高校生の頃は、あまり知らなかった。語源は、イタリア語をもとにする造語だ。カフェはコーヒー、ラッテがミルクを指している。エスプレッソは深煎りのコーヒー豆を使うため苦みが多い味わいだそうだ。エスプレッソとミルクの比率は1:3とされていることが多い。私は、カフェラテにしようと思った。
メニュー表を見終えた私は、スマホと睨めっこをしていた。今日は、バイトがなかったということもあり、カフェに来て考え事をしていた。昨日言われた神城の言葉によって、自分の心が少し楽になっていた。今までは、何をしようか迷っている期間が多かったけど、今は、とりあえず一歩踏み出してもいいんじゃないかと思った。私は、明日神城に会う。そこで、紹介してもらったバイトをする。神城からは、5つほど書いてくれていた。
5つある中で、一番興味を持ったのが、パソコンを使ったバイトだ。これだったら、どこか職場に行かなくていいし、誰かとたくさん話さなくていいというメリットがあると思っていた。給料は、自給制ではなく、報酬制だ。仕事内容は、パソコンでホームページのアレンジや競合他社の調べだそうだ。会社の名前は、『緑黄色会社』。ここにも書いてあるように創業してまだ1年になるかならいかくらいだった。




