12月17日 友だち
今日は、バイトが休みだったので、ずっと家にいた。二日間バイトに行っていたので、母親から何か言われることはなかった。昨日は、11時頃に帰ってきたこともあり、珍しく家族が私のことを心配していた様だった。
朝6時くらいに目が覚めたが、何もすることがなかったので再び二度寝をしようとしていた。今日は、水曜なので、母や父は、仕事。妹は、高校に行くのだろう。1階は、バタバタしていたが、私はいつもと変わらずベットの中にいた。
二度寝をして起きたのは、10時過ぎだった。家には、誰もいなかった。いつものように1階におりて、リビングのストーブをつけた。朝ご飯を食べていないので、お腹が減っていた。キッチンに置いてあるインスタントのスープを手に取った。今日のスープは、たらこクリームスープだ。
お湯を沸かし、インスタントのスープを作った。スプーンでスープをかき混ぜながら、バナナをとった。作ったスープとバナナを持ってストーブの前に座り込んだ。
家族としては、いち早く自立してほしいのだろうと考えていた。母は、大学を辞めてからずっと言い続けていた。父は、母と異なり、私のことについて何も言わなかった。母と父のちょうど真ん中が妹の陽菜乃だった。陽菜乃は、高校3年生で、私の2学年下になる。
友だちは、大学や専門学校、働いているのに、私だけ前に進めていない。前に進めていないことよりかは、前に進むための原動力が欲しいと感じていた。
聖徳高校で仲の良かった子は、5人くらい。
〈友だち〉
・喜早柚月 城星大学
・三谷沙蘭 長丘大学
・園田柚子 鳥山大学
・谷山美玲 清和大学
・堂上匡 不明
一番仲のよかった柚月は、城星大学に入った。高校からスポーツ推薦で入ったので、おそらくバスケットボールをしているのだろう。6月頃まで、遊んだりご飯に行ったりしていたが、そこからは連絡をとるくらいである。私が大学を辞めたこともおそらく知らない。
高校三年間、同じクラスで仲良くなった沙蘭は、偏差値が高い長丘大学に進学している。バイト先にいた神城と同じ大学である。沙蘭は、一人暮らしをしているため、5月のGW以降は会っていない。柚月と同様に、私が大学を辞めたことは知らない。
柚子は、小中高と同じ学校で、時々クラスが同じになって意気投合した。現在は、鳥山大学の経済学部に進学し、サークルは、テニスサークルに入っている。柚子は、高校の卒業式以来会っていない。しかし、私が大学を辞めていることは知っていた。地元が同じということもあり、誰かに聞いたのだと思われる。
柚月の友だちで仲良くなった美玲は、清和大学に進学した。高校3年生の時は、柚月と美玲と私の3人でいつも遊んでいた。清和大学は、東京にあるので、美玲も高校卒業以来会っていない。また、連絡もとっていない。
こうした同級生の顔を思い浮かべながら、ストーブに当たっていた。少しずつ私の体は、温かくなってきていた。ストーブの中に見える小さな火を見つめていると、「一人暮らし」をしたい気持ちが芽生えた。
なぜ、この気持ちが芽生えたのかはよくわからない。でも、こうした気持ちのまま動かなければ動かなくなるのが過去の傾向だ。私は、すぐにスマホをとって「一人暮らし お金」と検索し、スクロールをしていたのだった。