1月29日 凄い人
私 「陽菜乃、このマンガで合ってる?」
陽菜乃「合ってるよ。ありがとう」
陽菜乃から頼まれていたマンガを渡した。
私 「ううん、大丈夫だよ」
陽菜乃「このマンガ、なかなか買えないんだよね」
渡したマンガは、女性向けのものみたいだった。陽菜乃は、アニメやマンガをよく見て推し活みたいなことをしているのだった。
私 「そうなんだ。売ってないの?」
陽菜乃「うーん。マイナーな漫画だからね」
私 「ああ、そういうことね」
さっきのマンガは、マイナーなんだ。
陽菜乃「うん。でも、この漫画面白いんだけどな。なかなか、わかってくれないから」
私 「わかってくれないんだ。ハハハ」
悲しそうに話す陽菜乃がなんだか面白かった。
陽菜乃「笑い事じゃないよ」
私 「そうね」
陽菜乃「わかってくれるのは、実咲くらいかな」
私 「あー、五十嵐さんね」
五十嵐さんは、中学校の頃から、陽菜乃と絡んでいたメンバーだ。
陽菜乃「そうなのよ。実咲は優しいから」
私 「そういえば、最近会ってないんじゃない?」
陽菜乃「そうだね。お互い受験だし。終わらないと会わないと思うよ」
たしかにそうだ。
私 「五十嵐さんは、どこ行くの?」
陽菜乃「関西の私立に行くらしいよ」
そこそこ頭がいいみたいだ。
私 「もう、終わったんじゃないの?」
陽菜乃「どうだろうね。今は、連絡とってないからわからないけど」
私 「陽菜乃の友だちといえば、高田さんとかじゃないの?」
陽菜乃「真波とは、もう2年くらい連絡とってないかな」
私 「そうなの?」
そんなに連絡とってないんだ。
陽菜乃「うん。なかなかね、私からは声かけつらいからね」
私 「なんでよ?」
陽菜乃「向こうの方が、凄い人だからね」
凄い人。どういうことだろうか。
私 「そんなに?」
陽菜乃「そんなにだよ。BIG3は、私たちが簡単に近づいたらいけないのよ」
私 「そんなに?フフフ」
なんか面白かった。
陽菜乃「いつか、わかるよ。あの子たちの凄さが」
私 「そうなのかな」
陽菜乃「うん」
マンガを見ながら答えた。
私 「私は、瀬戸さんとかの方が凄いと思うけどな」
陽菜乃「明日花ね」
私 「うん」
陽菜乃「明日花は、今どうしてるんだろ?」
久しぶりにあの子たちの話をしたせいか、陽菜乃は、とても嬉しそうだった。




