1月28日 送別会
今日から、再びバイトが始まっていた。
店長「おい!」
私 「はい?」
私は、アルコール消毒をしていたナイフとフォークを置いた。
店長「今度、送別会やるけど来るか?」
私 「送別会ですか?」
店長「ああ。2月で湊谷と渡邉がここ辞めるからな」
辞める?
私 「辞めるんですか?」
店長「大学行くからな」
私 「ああ、そっかぁ」
たしかに、二人とも進学するって聞いてた。
店長「忙しいか?」
私 「忙しくないですよ」
店長「ハハハハ。働いてないもんな」
じわりと傷つく言葉だ。
私 「そんなの言わないでくださいよー」
店長「面白いな、お前は」
私 「いじらないでください!!」
店長は、笑いながら私の方を向いた。
店長「お前も空いてるんだったらこいよ」
私 「わかりました。日程決まってるんですか?」
店長「2月20日だな」
2月20日かぁ。何かあるかな?その日。
私 「その日、バイトあるんですか?」
店長「あるよ」
私 「えー、あるんですか?」
私は、洗い場のカレンダーを見に行った。
店長「俺の店も苦しいからな」
私 「そうなんですね。ハハハハ」
店長「何か食いたいものあるんか?」
私 「えー、なんかあるかな」
ちょうどその日は、オープンしていた。というか、すでに予約も入っていた。
店長「パスタか?」
私 「あー、パスタいいですね」
店長「お前、お酒飲むか?」
私 「あんまり飲まないですね」
お酒はあまり好きじゃなかった。
店長「じゃあ、バーじゃない方がいいか」
私 「でも、バーとか行ったことないから行ってみたいです」
店長「バー行ったことないの?」
私 「ないですね」
店長「じゃあ、二軒目バー行こか」
バーとか普段行かない。友だちともカラオケとかが二軒目になる。
私 「嬉しいですね」
店長「湊谷とかにも言っとくわ」
私 「ありがとうございます」
軽く頭を下げた。
店長「お前は、どうするんだこれから」
私 「いや、迷ってますね」
店長「仕事か?」
私 「いや、もう一回大学も行くことも考えてます」
店長「そうなんや」
少し驚いているみたいだった。
私 「はい!」
店長「まぁ、頑張れよ」
私 「ありがとうございます」
いつもより、店長は優しかった。




