1月27日 忘れ物
お母さん「陽菜乃もう行った?」
私 「あー。さっき出て行ったと思うよ」
何やら、困っているみたいだった。どうしたんだろうか?
お母さん「もう!」
私 「どうしたの?」
何か言いたそうだったけど、すぐには言わなかった。
お母さん「忘れ物してるから」
私 「何忘れてたの?」
お母さん「水筒」
水筒かぁ。
私 「今だったら、間に合うかな?」
お母さん「うーん。どうだろ」
私 「連絡入れてみようか?」
すぐさまスマホをとった。
お母さん「うん、お願い」
私 「してみる。お母さん、車出せるの?」
お母さん「うん。言ってくれたら出すよ」
わずか、15秒ほどでうちこめた。
私 「わかった」
お母さん「でも、飲み物なんて買えばいいのに」
私 「あー、それもそうね」
お母さんのいう通りだ。もう、高校生だし、わざわざ戻ってこなくてもいいのにとは思った。
お母さん「200円くらいあったら買えるでしょ」
私 「うん、買えるよ」
お母さん「だったら、わざわざ来なくても」
その通りだ。
私 「そうだね。そうしよっか」
お母さん「それがいいね」
陽菜乃から、返信は来てなかったけどそれでいいかなと思っていた。
私 「陽菜乃って、いつもどれくらいのお金持ってるの?」
お母さん「この前は、2000円って言ってたかな」
私 「2000円かぁ」
直接聞いたことはないけど、私の頃は、毎月お小遣いとして、3000円ほどもらっていた。今は、どうなんだろうか?
お母さん「2000円あれば、問題ないでしょ」
私 「スマホから、陽菜乃から返信きた」
お母さん「なんて書いてある?」
スマホに目を向けた。
私 「今日は、なんか買うからいいだって」
お母さん「そっか。ありがと、連絡とってくれて」
私 「はーい」
スマホを机の上に置いた。
お母さん「じゃあ、お母さんもそろそろ仕事行くね
私 「わかった」
お母さん「今日は、バイト?」
私 「いや、今日はないよ」
今日は、一日店自体も閉まっていた。
お母さん「あんまり、無理したらダメよ」
私 「ありがとう。ほどほどに頑張るよ」
お母さん「じゃあ、行くね」
お母さんが玄関の扉を閉める音がした。




