1月26日 一人暮らし
今日は、夜にバイトがあるから、バイトまでは部屋に閉じこもることにした。私は、この後何かある時にに、自分の部屋に入り込んでしまう癖がある。私の部屋には、私が作り上げた私だけの世界観があると思っていた。
私の部屋は、そんなにオシャレではない。それぞれに個性的な家具や装飾品が置かれているが、それは私が買ったものではなく、お母さんやお父さんが使わなくなった物がこっちに来たというだけだった。中でも、最も愛用したのがこの破れそうな掛け布団や枕だった。いかにも使ったというしみじみと愛おしさが会った。
この部屋にいると、なんとなくが私の中で気持ちにゆとりが生まれるような気がしていた。昨年は、ずっとひきこもっていただけに、ここにずっといない私自身に対して違和感を感じていた。11時くらいは、決まって私の大好きな音楽がゆっくり流れていた。
部屋にいると、私はいつも深く考えてしまう。ベットの天井を見ながら自分の考えていることが堂々巡りしているのがわかる。することがない時も、単純に眺めたり、ぼんやり過ごしたりするだけでもいろんな考えが浮かんでしまって混乱してしまう。
高校時代。よく、柚月や沙蘭から聞かされていた。誰でも自分の部屋というのは、人が等しく悩みを抱える世界から解放された場所のようなものだろうと。時によっては、自分にとって癒しのような存在。朝が来るまで、現実から一時的に切り離されるくらいの余裕もあるのかもしれない。しかし、私にとっては、それは真逆。部屋にいたいのは、現実世界に行くのが嫌なわけでも、休憩したいからでもない。ただ、自分の居場所がないというそれだけだった。柚月や沙蘭のような感覚に陥った時は一度たりともなかった。
別に他の居場所があるなら、見知らぬ誰かにこの部屋を奪われても仕方がない。その場所で自分が適応していけばいいというだけだった。そんな気持ちでいっぱいだ。もし、一人暮らしをすればこの部屋からも出ていける。それが嬉しいことなのか悲しいことなのかすらわからない。
もともと、一人暮らしへの憧れはあった。けど、なんとなくこうなるんじゃないかとよぎっていたのかもしれない。今となれば、行かなくてよかったと思えるけど、行ってたらどうなってたのだろうかと考えなくもなかった。また、余計なことを考えてしまっていた。いらないことを考えないためにも、私は、再び目を閉じることにしたのだった。




