1月22日 弟
今日から、再びバイトが始まった。それでも、自分の中で少しは楽しめている自分もいる気がした。
湊谷「お疲れ様ですー」
私 「お疲れ様」
今日は、ポニーテールだった。
湊谷「今日、早いですね」
私 「そうなんですよ。思ったより早く着いちゃって」
私は、一足先に、バイトの服装に着替えていた。
湊谷「へぇー。そうだったんですね」
私 「渚ちゃん、学校はもう終わったの?」
陽菜乃は、最近、学校に行っていない。もしかしたら、渚ちゃんの学校も終わっているのかもしれない。
湊谷「学校ですか?」
私 「うん。そろそろ、学校に行かなくていいんじゃないの?」
湊谷「一応、1月中はいきますよ」
1月中はいくのか。陽菜乃も行ってないだけで、もしかしたらあるのかもしれない。
私 「へぇー。そっかぁ」
湊谷「妹さん、大学受かりました?」
そうだ。妹は、もうすぐ入試だ。
私 「まだ、らしいけどテストはよかったみたいですね」
湊谷「やっぱり、気になります?」
どういう意図で聞いてきているのか。少し回答に困った。
私 「気になるというか、頑張ってほしいよね」
湊谷「いいお姉さんですね」
私 「そう?」
大学を退学した姉がいいお姉さんなわけがない。妹にとって、私はもっと特別な存在でありたかった。
湊谷「そうですよ。私なんて、弟いるんですけど、ホントやんちゃで」
私 「そうなんだ。何年生?」
弟かぁ。弟がいるのはどんな感じなのだろうか?
湊谷「今は、中3かな」
私 「受験だね」
湊谷「聖徳いくらしいです」
聖徳高校。我が母校か。
私 「お姉ちゃんと一緒だね」
湊谷「野球部入るみたいで、大変そうですね」
そりゃあ、大変だろう。たしか昨年の夏は、ベスト8の成績だ。
私 「そうなんだ。上手いの?」
湊谷「それなりにって感じらしいです」
男の子の世界観は、私にはわからなかった。
私 「じゃあ、高校も楽しめそうね」
湊谷「どうなんですかね。弟の代に、めちゃくちゃ野球上手い人がいるらしいんですよ」
野球ね、、、。
私 「そうなの?」
湊谷「あの、BIG3の篠木っているじゃないですか?」
出た、BIG3。
私 「ああ、噂のBIG3ね」
湊谷「あれの弟です」
やっぱり、遺伝かぁ。妙に納得がいく私がいた。




