1月20日 ワイングラス
今日が初めての3連勤目だった。昨日よりは、お客さんが少なく早めに終わることができた。
私 「お願いします!」
神城「おっけぇ」
神城は、いつものようにワイングラスにアルコールをかけていた。
私 「今日は、大学行ってたんですか?」
神城「うん。明日からテストなんだよ」
そうか。もう、そろそろ大学も休みに入るのか。早いなぁ。
私 「えー。大変ですね」
神城「いや、そうなんだよ。今日は、寝れないな」
そんなに勉強するんだろうか?この人は、アホそうに見えてとても賢いのが意外だった。
私 「よくバイト来られましたね?」
神城「いや、店長が来いっていうからね」
店長は、神城にとても厳しかった。それでも、可愛くて仕方がないのだろうということはわかっていた。
私 「それは、大変ですね」
神城「まぁ、お金もないし仕方ないんだけどね」
そんなにお金を使っているイメージはなかった。一人暮らしではないし、なくなることもないだろう。
私 「そんなにお金かかってるんですか?」
神城「バイトしてない時は、ほぼお金使ってるからね」
神城は、最後のワイングラスを拭き終えた。
私 「そんなに、、、」
驚きだった。遊んでいそうだとは思うけど、そこまでとはな。
神城「そんな驚かないでよ。大学生は、そんくらい使ってるよ」
私 「そうなんですか?」
言い切った顔だった。
神城「そうよ。土屋さんは、使いたいことないの?」
私 「いやー、ないですね。もう、大学生じゃないですし」
最近、お金を使うことがめっきり減った。遊びに行かないということもあるけれど、それ以上にお金を使いたいという欲がない。
神城「誰かと遊びに行ったりしないの?」
私 「年始はありましたけど、それ以外はないですね。毎日、生きるのでいっぱいですよ」
たしかに、年始以来だな。
神城「だったら、バイトのメンバーで新年会しようか」
私 「新年会ですか?」
神城は、店長がいるキッチンを覗きにいった。
神城「うん!店長ー!」
店長は、ガスコンロを掃除ていたみたいだ。
店長「なんや?」
神城「今度、みんなで新年会しましょ」
店長「おー。ええよ」
二つ返事で承諾してくれた。
神城「ありがとうございます」
話は、トントン拍子で決まっていった。




