表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/80

1月17日 英気

 昨日のテスト結果を聞いて安心した。これで、心置きなく、私は陽菜乃のことを見守れる。今年、受験することを諦めた私は、これからのことをじっくり考えることにした。同時に、親がいろいろ言ってくることだけは避けたかった。

 そうするには、バイトが1番だと思っていた。そろそろ、二つ目のバイトでも探そうかなという頃だった。今行っているバイトも、一通り慣れてきた。これからは、新しいことにも挑戦する必要があると思っていた。とはいえ、そんな簡単にバイト先が見つかるとすら思っていなかった。

 私は、いつものようにスマホでバイト先を眺めていた。陽菜乃が大学に進学したら、ますます私の立場がなくなってしまう。大丈夫だろうか?自分の中で不安が高まる。勉強を頑張っている陽菜乃に対して、否定的なことを言うのは何か違うと思っていた。

 ただ、バイトと言ってもいつまでしていたらいいのか?大学に行く気がないなら、バイトじゃなくて、どこか違うところできちんと就職もしないといけないんじゃないかとすら思ってしまう。大学に行かなかったら行かなかったで、こんなに大変な思いをする可能性があると考えるだけでキツかった。

 私は、明日からのバイトに備えて、英気を養うことにした。まだ、バイトを3時間するだけで疲れる。体力がない証拠だ。遊びや飲みだったら、オールしていても全然問題ないのに。それだけ、内と外で違うということなのだろうけど。自分の弱さに驚いていた。

 今の状態で、他のバイトを入れたら、どれだけやれるだろうか?新しい挑戦はしたいけど、途中で気持ちが折れないか心配だった。今のバイトは、キツイけど嫌いじゃない。まだ、続けられそうな手応えはある。しかし、大学と同じで、いつまでこのモチベーションを保ちつづけることができるかは心配だった。

 大学を辞める頃を思い出した。あの時は、自分と合っていない大学に通い続けて心が折れてしまった。当時は、お母さんや陽菜乃から続けるように強く説得されたが、なかなか気持ちがのれなかった。なんで、大学に行かないと行けないのだろうか?でも、辞めてしたいこともないしな。そんな気持ちでずっと過ごしていた。結局、辞める踏ん切りはつかず、学費がもったいないという理由でやめることにしたのだった。当時は、休学という選択をとるか迷った。でも、この学校に通いたいと思うことは二度とないだろうという理由から退学という選択肢をとったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ