1月14日 階段
上から見る陽菜乃は、小さく見えた。こんなに小さかったかな?
私 「体調は、大丈夫なの?」
陽菜乃「うん。大丈夫」
私たちは、階段の上で話し合っていた。
私 「じゃあ、後は試験当日だね」
陽菜乃「そうだね」
私 「とりあえず、明日頑張って」
明日は、共通テストという試験があった。このテストは、陽菜乃にはあんまり関係はないらしい。
陽菜乃「ありがとう。頑張る」
私 「ミスっても大丈夫だから」
陽菜乃「ミスしたくなーい」
陽菜乃がどの程度ミスを想定しているかはわからない。ただ、結果がなかったら、苦しんでしまうのだろうか?
私 「まぁね」
陽菜乃「明日は、祈っといて」
陽菜乃が受かるならなんでもしてあげたい。たとえ、それがしんどいことであっても。私は、苦しんでいる陽菜乃の姿は見たくなかった。
私 「えー。どうしようかなー」
陽菜乃「祈っといてよー」
私たちは、笑いあいなかわら、お互いを見ていた。
私 「明日は、何時から?」
陽菜乃「んーとね。たしか、9時からだ」
9時からだと、絶対、30分前には試験会場に着いていたいと思う。
私 「じゃあ、6時くらいに起きるの?」
陽菜乃「そうだね。6時には起きないとかな」
ここ最近、6時なんて起きていたことがない。
私 「すぐ自己採点するの?」
陽菜乃「うん。どれくらい解けているか確認したいね」
自己採点するのかぁ。凄いなぁ。私だったら、自己採点なんて絶対できないと思う。目の前でできていないことがわかってしまうと、もう立ち上がれない気がしてしまう。
私 「他の人って、どういうとこ行くの?」
陽菜乃「誰のこと?」
私 「高田さんとかは?」
少し表情が固くなった気がした。
陽菜乃「真波かぁ」
軽く頷いた。
陽菜乃「真波は、大学行かないかもしれないらしいよ」
私 「えっ、そうなの?」
驚きとともに、髪の毛を触ってしまっていた。
陽菜乃「受験自体はするみたいだけど、やりたいことが見つかってないらしいよ」
やっぱり、BIG3っていうだけあって、発想も豊かなんだろうな。大学いける力があって、あえて行かない選択をとるなんて私には考えられない。でも、そんな時にそういう選択できるからこそ、みんなから称賛される気がした。




