1月11日 コミュニケーション
湊谷「土屋さん、妹さんのこと聞きましたよ」
私 「えっ、誰に?」
私たちは、スプーンとナイフをアルコールで拭きながら、話をしていた。
湊谷「高田さんわかりますか?」
私 「あぁ。BIG3の子ね」
たしか5人で仲がよかったらしいけど。実際のところは、どうだかわからないな。
湊谷「そうです。そうです」
私 「なんて言ってたの?」
私が拭いていたナイフが全て拭き終えた。
湊谷「仲いいですよーって。言ってて」
私 「そうなんだ。実際、どうなんだろうね?妹は?」
陽菜乃が他の友だちと仲いいというイメージがあまりない。
湊谷「知らないんですか?」
私 「そりゃあ、なんとなくは知ってんだけど」
私は、ナイフからワイングラスを拭き始めた。
湊谷「どんな人なんですか?」
私 「なんかねー。人見知りだし、人との関わりもつのが好きじゃないかな」
妹を思い浮かべて、話し始めた。
湊谷「へぇー。珍しいですね」
私 「珍しいというか、コミュニケーションが苦手なのよ」
陽菜乃は、人と話すのが得意じゃない。それでも、私には、毎日話しかけてくる。もしかしたら、特定の人とだったら上手くやれるのかな?
湊谷「そうなんですか?」
私 「うん。もっと友だちもたくさん作ってほしいんだけどね」
私に話しかけてくれるのを見ていると、もっとできると思う。それでも、友だちを作らないのはわざとなのだろうか?
湊谷「それでも、高田さんとお友だちなんですよね?妹さん」
私 「うん。仲良いらしいよ。不思議だよ」
陽菜乃が、コミュニケーションが得意になったら、逆におかしくなるんじゃないか?そんなことすら思った。
湊谷「なんで仲良いんですかね?」
私 「私が思うに、高田さんと仲良い子と仲良いからじゃないかな?」
高田さんが仲良い子とは、実咲のこと。彼女は、ずっと陽菜乃の面倒を見てくれた。高田さんや田中さんとはタイプは違うけど、とても面白い子だった。
湊谷「仲良い子ねー」
私 「まぁ、私もあの子のことはよくわからないんだけどね」
姉として、妹には頑張ってほしいけど、、、。
湊谷「意外と見てないところでは、たくさん友だちもいるかもしれないですね」
私 「だといいんだけどねー」
店長の声とともに、"いらっしゃいませ"と声を出したのだ。




